ニュース&イベント NEWS & EVENTS

2026.05.25 Mon UP

椎名研究室の学術論文がWILEY発行「Asian Journal of Organic Chemistry」誌においてTop Viewed Article 2025に選出

椎名研究室の学術論文がWILEY発行「Asian Journal of Organic Chemistry」誌においてTop Viewed Article 2025に選出されました。

<Top Viewed Article 2025>

受賞者
理学部第一部 応用化学科 教授 椎名 勇
研究推進機構 総合研究院 講師 村田 貴嗣
内容
抗菌活性や抗マラリア活性が期待される天然物の合成に関する研究成果が、WILEY-VCH社が出版している学術誌「Asian Journal of Organic Chemistry」のTop Viewed Article 2025に選出されました。
(2024年1月1日から2024年12月31日までに当該誌に掲載された論文の内、掲載から12ヶ月経過時点での閲覧数)
論文タイトル
Total Synthesis of Eutyscoparol A and Violaceoid C
著者
Takatsugu Murata, Takuto Iwayama, Teppei Kuboki, Shotaro Taguchi, Shou Tsugawa, Takumi Yoshida, Hisazumi Tsutsui, Ayana Shimauchi, Yukiho Kosaka, and Isamu Shiina
受賞日
2026年5月17日

<研究の概要>

真菌由来の天然有機化合物であるユーチスコパロールA(*1)とビオールアセオイドC(*2)の全合成を達成しました。さらに、研究グループが過去に報告したビオールアセオイドAおよびBの合成法も改良し、同じ共通中間体から複数の関連天然物へ展開できる合成戦略を示しました。

鍵となったのは、対称な分子を出発点に、片側だけを選択的に変換する「非対称化」(*3)を利用した設計です。この方法により、ビオールアセオイドAの全合成は従来の10工程・総収率11%から8工程・総収率33%へ、rac-ビオールアセオイドBは9工程・総収率15%から8工程・総収率35%へと改善されました。さらに、ビオールアセオイドCは9工程・総収率30%、ユーチスコパロールAは9工程・総収率28%で合成されました。

これらの化合物群は、抗菌活性や抗マラリア活性、抗腫瘍活性などが期待されるビオールアセオイド類と共通骨格を持つため、薬理活性の詳細な評価や関連化合物の創製に向けた基盤技術として注目されます。

<用語>

*1 ユーチスコパロールA
2020年にEutypella scopariaから報告されたユーチスコパロール類の1つ。ビオールアセオイド類と共通するキノール型骨格を持ち、詳細な薬理活性評価のためには十分量の供給が必要とされます。

*2 ビオールアセオイドC
ビオールアセオイド類の1つ。ビオールアセオイド類は真菌Aspergillus violaceofuscusから報告された天然有機化合物群で、関連化合物の生理活性に関心が集まっています。

*3 非対称化
左右対称または同じ反応点を複数持つ分子のうち、一方だけを選択的に反応させることで、非対称な分子へ変換する方法。複雑な天然物の合成で重要な戦略の1つです。

関連リンク
Asian Journal of Organic Chemistry

椎名研究室
研究室のページ
椎名教授のページ
村田講師のページ

椎名研究室の学術論文がWILEY発行「Asian Journal of Organic Chemistry」誌においてTop Viewed Article 2025に選出
当サイトでは、利用者動向の調査及び運用改善に役立てるためにCookieを使用しています。当ウェブサイト利用者は、Cookieの使用に許可を与えたものとみなします。詳細は、「プライバシーポリシー」をご確認ください。