Department of Mechanical Engineering

工学研究科 機械工学専攻

葛飾キャンパス

あらゆる産業を支える
機械技術のプロフェッショナル

 われわれが日頃何気なく利用しているあらゆるモノが、機械工学の発達によって生みだされたものであることは、みなさんはすでにご存じのことと思います。たとえば、新幹線、ロボット、自動車、航空機、ガスタービン、産業機械、家電製品、プラント、高層ビル・・・・・身近な日用雑貨から壮大なロケットや宇宙ステーションに至るまで、およそ人工物として形のあるものすべてが該当するといってもよいでしょう。しかし、人間の限りない欲求は、時に自然との調和に対する配慮を欠き、ここにきて人間の生活を脅かす事態も生じるようになってきました。最近話題の地球温暖化などが、その端的な例といえるでしょう。これからの機械工学を語るとき、自然との調和を無視するわけにはいきません。そこには材料や機械の知能化・システム化・適応化はもとより、福祉や医療への貢献、そしてエネルギーの有効利用や環境保全など、あらゆるテーマが見え隠れします。100%リサイクル可能な材料や機械、完全自動運転可能な自動車、薬や放射線を局所に運んでくれるマイクロマシンなど、まだまだたくさんの技術的課題が、機械工学には残されているのです。
 本専攻では、材料力学、熱・流体工学、機械力学・自動制御、設計工学、機械数理の5分野の講義と、先端分野の科学技術の進展を見極めたゼミ、演習や実験、そして修士論文研究のバランスのとれたカリキュラムが組まれ、社会で求められる先端的研究に対応できる能力の開発と育成に努めています。なかでも修士論文研究は、少人数体制による丁寧な指導のもと、個人ベースで自主的な研究が推進され、先端科学技術に関する研究テーマが追究されています。また、各専門学会での活動や研究成果の発表を奨励しているのも本専攻の特徴です。

概要図
  • 機械工学専攻の特徴1

    自由に選択できる
    多彩かつ先端的な講義科目

    「材料・構造力学」「流体工学及び熱工学」「機械力学及び自動制御」「設計工学」「機械数理」の5分野からなる講義科目は、多彩かつ先端的な内容です。完全選択制により、学生による自主的な学修選択を尊重しています。

  • 機械工学専攻の特徴2

    ひとりひとりが
    最先端の研究に従事

    本専攻の研究室では、先端材料の変形と破壊、流れの予測とその制御、医療・福祉のための支援技術、ナノ・マクロに立脚した表面技術、車両制御技術、超精密な機械要素技術など、幅広い領域で実用的かつ先端的な研究が行われています。学生は希望する研究テーマを選び、個別の研究テーマを追及します。

  • 機械工学専攻の特徴3

    学会発表で
    実践力を涵養

    研究の進捗に応じて、国内外の学会で研究発表を行うことを推奨しています。学生は、学会発表に向けて研究を進めることで、研究に関するマネージメント能力やプレゼンテーション能力を高めることができます。

カリキュラム CURRICULUM

専門分野(部門) 授業科目 単位 履修方法 履修年次
材料力学 弾塑性力学特論 2 選択 1又は2
材料強度学特論 2 選択 1又は2
計算固体力学特論1 2 選択 1又は2
計算固体力学特論2 2 選択 1又は2
構造工学特論 2 選択 1又は2
損傷制御工学特論1 2 選択 1又は2
流体工学及び
熱工学
流体工学特論1 2 選択 1又は2
流体工学特論2 2 選択 1又は2
数値流体工学特論 2 選択 1又は2
熱流体機械特論 2 選択 1又は2
圧縮性流体力学特論 2 選択 1又は2
熱・物質移動学特論 2 選択 1又は2
エネルギー変換工学特論 2 選択 1又は2
機械力学及び
自動制御
機械力学特論 2 選択 1又は2
機械知能特論 2 選択 1又は2
生体制御工学特論 2 選択 1又は2
画像処理工学特論 2 選択 1又は2
設計工学 生産工学特論 2 選択 1又は2
機械製作学特論 2 選択 1又は2
精密工学特論 2 選択 1又は2
表面工学特論 2 選択 1又は2
機械数理学 非線形動力学特論 2 選択 1
機械数理特論 2 選択 1又は2
共通 技術経営特論 2 選択 1又は2
知財戦略特論 2 選択 1又は2
インターンシップ 1 選択 1又は2
経営戦略持論 2 選択 1又は2
機械工学研究1 3 必修 1
機械工学研究2 3 必修 1
機械工学研究3 4 必修 2
機械工学研究4 4 必修 2
教養 知的財産特論 2 選択必修 1又は2
科学技術研究の倫理 2 選択必修 1又は2
イノベーション・チーム・ラボ 2 選択必修 1又は2
キャリアデザイン考究 2 選択必修 1又は2
実践的リーダーシップを学ぶ 2 選択必修 1又は2
科学技術社会特論 2 選択必修 1又は2
倫理学対話 2 選択必修 1又は2
Basic Discussion and Presentation 1 2 選択必修 1又は2
Basic Discussion and Presentation 2 2 選択必修 1又は2
Discussion and Presentation 1 2 選択必修 1又は2
Discussion and Presentation 2 2 選択必修 1又は2
技術英語表現法概論 2 選択必修 1又は2
技術英語表現法演習 2 選択必修 1又は2
国際政治特論 2 選択必修 1又は2
現代東アジア特論 2 選択必修 1又は2
学術英語演習 2 選択必修 1又は2
応用言語学特論 2 選択必修 1又は2
英語圏文学・文化演習 2 選択必修 1又は2
生物科学特論 2 選択必修 1又は2
現代物理学特論 2 選択必修 1又は2
ウォーターサイエンス特論 2 選択必修 1又は2
物理学から見る理学の世界 1 1 選択必修 1又は2
物理学から見る理学の世界 2 1 選択必修 1又は2
物理学から見る理学の最前線 1 1 選択必修 1又は2
物理学から見る理学の最前線 2 1 選択必修 1又は2
物理学から見る理学の未来 1 1 選択必修 1又は2
物理学から見る理学の未来 2 1 選択必修 1又は2
Materials Science and Technology Overview A 2 選択必修 1又は2
Materials Science and Technology Overview B 2 選択必修 1又は2
Materials Science and Technology Overview C 2 選択必修 1又は2
Materials Science and Technology Overview D 2 選択必修 1又は2
計算機設計特論 2 選択必修 1又は2
プロセッサアーキテクチャ特論 2 選択必修 1又は2
社会病理特論 2 選択必修 1又は2
表現文化特論 2 選択必修 1又は2
総合芸術学演習 2 選択必修 1又は2
ダイバーシティ社会論演習 2 選択必修 1又は2
実践イノベーション 2 選択必修 1又は2
安全および信頼性工学特論 2 選択必修 1又は2
情報工学特別講義 1 1 選択必修 1又は2
情報工学特別講義 2 1 選択必修 1又は2

※科目の内容など詳細情報については「シラバス」からご覧いただけます。

2023年度 大学院要覧 修士課程修了要件
専門科目 一般教養科目 合計
26 4 30
  1. 専門分野の必修科目14単位及び一般教養科目4単位を含め30単位以上を修得すること。
  2. 一般教養科目は教養(共通)から2単位以上修得すること。
  3. 修了所要単位に含めることができる一般教養科目の単位数の上限は4単位とする。
  4. 「機械工学研究1~4」は、科目名の1~4の順番どおりに履修し修得しなければならない。ただし、本学の博士後期課程に進学を希望する学生で、東京理科大学大学院学則第10条但し書きに規定する在学期間の短縮に該当する、特に優れた研究業績を上げることが見込まれると研究科長が認めた場合は、この限りではない。
  5. インターンシップの単位は、修了所要単位に含めない。
  6. 所属する専攻の設置する授業科目以外に、研究科の定めるところにより、次に掲げる授業科目を履修することができる。
    (1)所属専攻以外の専攻課程による授業科目
    (2)他の研究科の授業科目
    (3)他大学の大学院の授業科目
    (4)学部の授業科目
  7. ⑥(1)から(3)の授業科目において履修した単位は、修士課程の単位として8単位まで認定できる。
  8. 授業科目は年度により開講しない場合がある。
専門分野(部門) 授業科目 単位 履修方法 履修年次
共通 機械工学特別研究1 3 必修 1
機械工学特別研究2 3 必修 1
機械工学特別研究3 5 必修 2
機械工学特別研究4 5 必修 2
機械工学特別研究5 5 必修 3
機械工学特別研究6 5 必修 3
教養 知財戦略特論 2 選択必修 1~3
知的財産特論 2 選択必修 1~3
科学技術研究の倫理 2 選択必修 1~3
イノベーション・チーム・ラボ 2 選択必修 1~3
キャリアデザイン考究 2 選択必修 1~3
実践的リーダーシップを学ぶ 2 選択必修 1~3
科学技術社会特論 2 選択必修 1~3
倫理学対話 2 選択必修 1~3
Basic Discussion and Presentation 1 2 選択必修 1~3
Basic Discussion and Presentation 2 2 選択必修 1~3
Discussion and Presentation 1 2 選択必修 1~3
Discussion and Presentation 2 2 選択必修 1~3
技術英語表現法概論 2 選択必修 1~3
技術英語表現法演習 2 選択必修 1~3
国際政治特論 2 選択必修 1~3
現代東アジア特論 2 選択必修 1~3
学術英語演習 2 選択必修 1~3
応用言語学特論 2 選択必修 1~3
英語圏文学・文化演習 2 選択必修 1~3
生物科学特論 2 選択必修 1~3
現代物理学特論 2 選択必修 1~3
ウォーターサイエンス特論 2 選択必修 1~3
物理学から見る理学の世界 1 1 選択必修 1~3
物理学から見る理学の世界 2 1 選択必修 1~3
物理学から見る理学の最前線 1 1 選択必修 1~3
物理学から見る理学の最前線 2 1 選択必修 1~3
物理学から見る理学の未来 1 1 選択必修 1~3
物理学から見る理学の未来 2 1 選択必修 1~3
Materials Science and Technology Overview A 2 選択必修 1~3
Materials Science and Technology Overview B 2 選択必修 1~3
Materials Science and Technology Overview C 2 選択必修 1~3
Materials Science and Technology Overview D 2 選択必修 1~3
計算機設計特論 2 選択必修 1~3
プロセッサアーキテクチャ特論 2 選択必修 1~3
社会病理特論 2 選択必修 1~3
表現文化特論 2 選択必修 1~3
総合芸術学演習 2 選択必修 1~3
ダイバーシティ社会論演習 2 選択必修 1~3
実践イノベーション 2 選択必修 1~3
安全および信頼性工学特論 2 選択必修 1~3
情報工学特別講義 1 1 選択必修 1~3
情報工学特別講義 2 1 選択必修 1~3

※科目の内容など詳細情報については「シラバス」からご覧いただけます。

2023年度 大学院要覧 博士後期課程修了要件
専門科目 一般教養科目 合計
26 4 30
  1. 専門分野の必修科目26単位及び一般教養科目4単位を含め30単位以上を修得すること。
  2. 一般教養科目は教養(共通)から2単位以上修得すること。
  3. 修了所要単位に含めることができる一般教養科目の単位数の上限は4単位とする。
  4. 一般教養科目のうち、修士課程在籍時に単位修得をしている科目の履修は認めない。
  5. 「機械工学特別研究1~6」は、科目名の1~6の順番どおりに履修し修得しなければならない。ただし、東京理科大学大学院学則第11条但し書きに規定する在学期間の短縮に該当する、特に優れた研究業績を上げることが見込まれると研究科長が認めた場合は、この限りではない。
  6. 所属する専攻の設置する授業科目以外に、研究科の定めるところにより、次に掲げる授業科目を履修することができる。
    (1)所属専攻以外の専攻課程による授業科目
    (2)他の研究科の授業科目
    (3)他大学の大学院の授業科目
    (4)学部および修士課程の授業科目
  7. ⑥(1)及び(2)の授業科目において履修した単位は、博士後期課程の単位として認定できる。
  8. 授業科目は年度により開講しない場合がある。
■荒井 研究室

[専攻]弾性力学、塑性力学、破壊力学、損傷力学、界面力学 [指導教員]荒井 正行 教授 [キーワード]構造解析,損傷制御工学,形状修復技術,自然災害
[テーマ例] ❶き裂進展の抑制・制御に基づいたメンテナンスシステムの開発  ❷機械構造物のライフマネージメントシステムの開発  ❸ガスタービン燃焼システムのための損傷予測技術の開発  ❹大規模不静定構造物の数値解析手法の開発  ❺自然災害による損傷発生要因の固定と防止技術に関する研究

本研究室では、限りある資源を将来にわたって持続可能にする、さらには自然災害と共存していくための新しい材料技術の開発を進めています。一例として、化石燃料の節約につながる高効率ガスタービン実現のため、ブレードを保護する新しいコーティング・冷却技術の開発、損傷した機械部品に対する新しい補修技術の開発、自然災害に対する機械構造物の損傷評価技術が挙げられます。これらは産業界、公的研究機関との共同研究の下で進められるため、所属学生は社会と触れ合う機会に恵まれています。もちろん、国内や国外に向けて研究成果を発表するため、研究力やプレゼンテーション能力も向上します。

■石川 研究室

[専攻]流体工学 [指導教員]石川 仁 教授 [キーワード]流れの制御,乱流,非定常流れ
[テーマ例]❶流れの制御  ❷乱流中の渦構造の研究  ❸非定常流れの研究

本研究室では、水や空気、いわゆる「流体」のふるまいを研究しています。水が管路の中をどのように流れていくのか、空気が飛行機や車に与える抵抗はどのくらいなのかを、風洞、水路、流速計などの装置を用いた実験や、コンピュータによる数値計算で調べています。抵抗が小さくなれば、燃料の消費や排出されるガスの量を抑えることができるので、物体の形状を抵抗の少ない形に工夫したり、別のデバイスによって作り出したジェットや渦を積極的に利用して抵抗を減らすアクティブな制御にも挑戦しています。また「乱流」と呼ばれる流体の乱れは、その構造そのものが不明であり、ふるまいの予測が困難です。乱流中の渦構造や非定常性に注目することで、乱流の解明を目指しています。

■井上 研究室

[専攻]材料強度学、複合材料工学 [指導教員]井上 遼 講師 [キーワード]先進複合材料,信頼性解析,光応用計測
[テーマ例]❶耐熱複合材料およびコーティングの開発と信頼性評価  ❷高温での三次元変形計測手法の開発 ❸接合、接着および溶着技術の開発

機械・構造物の軽量化、高機能化、高信頼性化を目指す上で、材料技術の発展が不可欠です。本研究室では複合化やマルチマテリアル化の技術により、従来の特性を超える材料・部材の創生を目指しています。また、材料の損傷•破壊現象を理解するための解析技術や新しい計測技術といった要素技術開発も行っています。これらの研究は国内外の研究機関・民間企業と連携し行っています。

■牛島 研究室

[専攻]材料力学(弾性力学、塑性力学)[指導教員]牛島 邦晴 教授 [キーワード]数値弾性力学,数値弾塑性力学
[テーマ例] ❶織物構造の大変形挙動に関する研究  ❷マイクロラティス構造のエネルギー吸収特性の研究 ❸発泡フォームで満たされた薄肉筒状部材の軸圧潰特性の研究

整数の性質や方程式の整数解などを研究するのが整数論です。問題自体を理解するのはやさしいけれども、それを解決するためにはしばしば非常に深く高度な理論が必要になる、とても面白い分野です。整数論にもいろいろありますが、本研究室では主に代数的整数論を研究しています。多項式の根になっているような数を代数学、幾何学、解析学などさまざまな手法を使って研究するのが代数的整数論です。代数多様体などの幾何学的な対象から代数体の

■後藤田 研究室

[専攻]非線形動力学,数理情報科学,ネットワーク科学,燃焼工学 [指導教員]後藤田 浩 教授 [キーワード]ガスタービン・ロケットエンジン,燃焼制御,複雑ネットワーク系
[テーマ例] ❶複雑ネットワークと機械学習を用いた燃焼現象の基礎的解明 ❷航空ロケットエンジン燃料器内の燃焼振動の予兆検知 ❸反応拡散系の秩序・非秩序構造の基礎的解明

反応系熱流体は流動、熱・物質拡散、化学反応が相互に作用し合う非線形現象であり、その強い非線形性が複雑なダイナミックスを生み出します。本研究室では、近年、進展の著しい複雑系科学の理論と数理情報技術を熱エネルギー分野の新しい研究手法の開発に応用し、反応系熱流体の非線形問題を取り扱うための方法論を確立することを試みています。例えば、地球環境に優しい発電用ガスタービンエンジンの開発で問題となるのは非線形性の強い燃焼振動です。燃焼振動はエンジンの破損や短命化を引き起こすことから、その予兆を複雑系科学の視点から検知し、最適な燃焼状態に制御することを目指しています。本研究室は、国内外の研究機関と共同研究も積極的に展開しています。

■小林 研究室

[専攻]知能機械システム学 [指導教員]小林 宏 教授 [キーワード]ロボティクス,メカトロニクス,医療福祉,知的画像処理
[テーマ例] ❶着用型筋力補助装置:マッスルスーツ®の開発 ❷誰でも歩けるアクティブ歩行器の開発 ❸電力を使わないSCARA型リフターの開発 ❹電車用車椅子乗り込み装置の開発 ❺嚥下ロボットの開発 ❻火花による鋼材成分の識別装置の開発

本研究室では、実際に役に立つロボット技術を追究しており、主に「生きている限り自立した生活を実現する」機器の開発を目的に、「マッスルスーツ®」をはじめとする着用型筋力補助装置の開発、医療福祉機器の開発や実用的な画像処理技術などを追究しています。他研究機関では行われていないユニークな研究を独自に進め、企業に負けないコンセプトや技術力を保有し、複数の企業と共同研究開発・実用化を実現してきました。2013年にはベンチャー企業「株式会社イノフィス」を立ち上げ、多くの製品を世に送り出しています。2019年11月には重さ4kg以下、15万円以下を実現したマッスルスーツEveryを発売し、2020年12月時点で2014年の発売以来累計出荷台数1.6万台を突破しました。今後も、本研究室独自のコンセプトや技術により、実用化に向けた研究開発を実施していきます。

■佐々木 研究室

[専攻]機械要素・設計・表面工学 [指導教員]佐々木 信也 教授 [キーワード]トライボロジー
[テーマ例] ❶界面におけるナノ・マイクロ力学特性の計測技術  ❷3次元プリンタなどを用いた機能性表面創製技術  ❸イオン液体などを用いた潤滑メカニズムの解明と極限環境潤滑技術

地球環境問題を背景に低環境負荷技術の開発と普及が急務となっています。本研究室では、産業機械や輸送機械等のエネルギー効率を高め、性能や信頼性を向上させることを目的に、摩擦・摩耗・潤滑現象を対象とするトライボロジーの研究を行っています。材料から製品、リサイクルまで配慮した低環境負荷設計技術に基づき、その実現に必要な新しい機械材料の開発や評価技術の開発に取り組んでいます。その一環として、環境にやさしい植物油や水を使った潤滑システム、イオン液体等の新規潤滑剤の評価、レーザや金属用3次元プリンタを用いた表面改質技術に関する研究を行っています。

■橋本 研究室

[専攻]知能機械学・機械システム [指導教員]橋本 卓弥 講師 [キーワード]ロボティクス,バイオメカニクス
[テーマ例] ❶嚥下機能評価のための筋骨格モデルの開発  ❷人間協調型筋力トレーニングシステムの開発 ❸Human ‐ Robot Interaction (HRI)に関する研究

社会の少子高齢化に伴い、医療・社会福祉の分野においてさまざまな問題が挙げられており、いくつかの問題は科学技術による解決が望まれています。本研究室では、ヒトの理解に基づいてヒトと協調しながらヒトの生活を支援するための機械システムに関する研究を行っています。例えば、ヒトの運動を理解する技術として、身体モデリングに基づく嚥下(飲み込み)運動メカニズムの解明に取り組んでいます。また、ヒトと協調しながらヒトの運動を支援する技術として、個人の特性に基づいて最適な負荷調整を実現する筋力トレーニングシステムに関する研究も行っています。これらの研究は、病院や他大学・他研究室との連携の下で実施しています。

■林 研究室

[専攻]機械力学・制御 [指導教員]林 隆三 准教授 [キーワード]車両制御,予防安全システム
[テーマ例] ❶小型電気自動車による障害物自動回避システムの研究  ❷対歩行者事故リスクを予測した自動車の運転支援システムの研究  ❸電磁サスペンションによる自動車の振動制御

現代の乗り物は、速さなどの性能だけでなく、人にやさしく安全であることも求められるようになってきています。本研究室では、機械や本体のダイナミクス(動力学)を扱う"機械力学"と、メカトロニクスに基礎を置き目標性能を実現するための"制御工学"という二つの学問系統を基礎とし、地球にやさしく、人にもやさしい乗り物の交通の実現を目指して、社会的な欲求を背景とした研究に取り組んでいます。最近では特に、交通事故低減のための車両制御技術やエコ運転技術のヒューマンインターフェースデバイスなど、次世代交通システムのための技術開発に重点を置いた研究を行っています。

■宮武 研究室

[専攻]精密工学 [指導教員]宮武 正明 准教授 [キーワード]機械要素,潤滑,精密機構
[テーマ例] ❶超高速回転・超小型流体潤滑軸受  ❷ナノメータオーダで物体位置を制御できる超精密軸受 ❸非接触で物を動かすハンドリング技術

世の中には自動車や家電品などさまざまな機械がありますが、それらの機械はその機能を果たすためにいろいろな動きをする必要があります。機械の動く部分を支持し、機械のなめらかな運動を実現するための部品を総称して軸受といいます。本研究室では、空気や水、油などを用いて物体を非接触に支持することで、高い運動精度を実現できる流体潤滑軸受の研究を主に行っています。この軸受は、レーザプリンタ、自動車のエンジン用軸受など、直接われわれの目には触れませんが、機械の中枢部分で活躍しています。本研究室では、新しい軸受を生み出すことで、機械の性能を飛躍的に向上させることを試みています。

■元祐 研究室

[専攻]熱流体工学 [指導教員]元祐 昌廣 教授 [キーワード]熱流動制御,光計測,マイクロフルイディクス,マイクロ・ナノデバイス
[テーマ例] ❶ICTヘルスケアデバイスの開発  ❷微小空間での粒子、気泡、液滴の制御 ❸3D血管モデルを用いた血流解析  ❹ナノ粒子の検出・濃縮・ろ過  ❺微小界面流の制御・計測

個人・社会のQOL (quality of life) 向上と持続可能性の両立が要求されるなか、その高い利便性・経済性から、エネルギー機器、医療診断機器など多分野において、各種システムの小型化が急速に進められ、微小スケールでの熱や流体の振る舞いの理解の重要性が高まってきています。本研究室では、ナノ・マイクロ・ミリメートル領域における、微小スケールの熱流体現象のセンシングと高度制御の観点より、ナノ粒子・細胞の高感度分析やBioMEMS応用、微細領域の熱流体計測、流れ計測用MEMSセンサ、高度熱流体センシング法の開発に関する研究を行っています。

■山本 研究室

[専攻]流体工学 [指導教員]山本 誠 教授 [キーワード]数値流体工学
[テーマ例] ❶ジェットエンジンにおける着氷現象のコンピュータ・シミュレーション  ❷ジェットエンジンにおけるサンドエロージョン現象の数値予測  ❸脳動脈瘤の成長・破裂・治療に関するコンピュータ・シミュレーション

水や空気といった流体は生活に潤いを与えるだけでなく、われわれの快適な暮らしを支えるために重要な役割を担っています。航空機や自動車から家庭用電化製品に至るまで、流体の関与する機械にはさまざまなものがあります。本研究室では、流体工学を基礎として、さまざまな機械の流れをコンピュータ・シミュレーションによって解明し、環境に優しく人間生活をより豊かにする機械の開発に指針を与えることを目標として研究を進めています。最近は、さまざまな物理現象が複雑に相互干渉するマルチフィジックス流体現象に対するコンピュータ・シミュレーション手法の研究開発に精力的に取り組み、開発した手法の産業応用を図っています。また、血管系の各種疾病をコンピュータ・シミュレーションにより解析し、診断・治療に対する指針を提供する研究も行っています。

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