Department of Civil Engineering

創域理工学研究科 社会基盤工学専攻

野田キャンパス

文明社会の礎を築く
土木工学のプロフェッショナルへ

道路、鉄道、ダム、エネルギー供給施設、通信施設、上下水道、港湾、空港等々、われわれの生活に不可欠な社会基盤施設を計画・設計・施工し、それらが十分に機能するように維持管理していくことが土木工学に課せられた任務です。また、度重なる自然災害から、社会を守る防災・減災への取り組みも重要となってきています。
我国の土木工学の水準は、本四架橋、青函トンネル、東京湾横断道路の例に見られるとおり、世界最高級のレベルにあると言えます。先端的な施工の自動化・無人化・ロボット化はそのレベルを維持する背景になっています。このような土木分野へ大学院修了生を送り出していくにあたり、十分な基礎力を持ち、応用力もいかんなく発揮できる人材の育成が重要と考えています。

概要図
  • 社会基盤工学専攻の特徴1

    社会基盤工学専攻のカリキュラム体系は、構造工学、水工学・水文気象学、地盤工学、コンクリート工学、環境工学、 交通計画学、地球環境工学を基本とし、学部教育をもとに、各指導教員の専門分野に関連する領域をより深く学修し、研究課題を進めることとしています。

  • 社会基盤工学専攻の特徴2

    修士課程においては、学士課程で養った教養、基礎学力、専門知識を基礎として、さらに「専門科目」「一般教養科目」「研究指導」により、高度な専門知識の修得を志します。研究のまとめに、修士論文の提出と発表を行いますが、修士課程在籍時に外部発表も奨励しています。

  • 社会基盤工学専攻の特徴3

    博士後期課程においては、修士課程で養った高度な専門的知識や研究開発能力を基礎として、さらに「研究指導」「一般教養科目」により、創造性豊かな優れた研究・開発能力、および国際的視野を持ち、あらゆる研究・教育機関の中核を担う研究者等の養成を目標としています。

カリキュラム CURRICULUM

専門分野(部門) 授業科目 単位 履修方法 履修年次
構造工学 構造解析学特論1 2 選択 共通
風と構造物 2 選択 共通
弾性波動特論1 2 選択 共通
弾性波動特論2 2 選択 共通
計測と解析 2 選択 共通
土木工学と時事問題 2 選択 共通
水工学・水文気象学 水文気象学特論 2 選択 共通
水災害と水環境 2 選択 共通
流域水防災 2 選択 共通
数値解析特論 2 選択 共通
地盤工学 地盤改良と補強法 2 選択 共通
地震地盤工学特論 2 選択 共通
土木基礎工学特論 2 選択 共通
土木基礎構造物の設計・施工 2 選択 共通
軟弱地盤の課題と対策 2 選択 共通
環境工学 環境工学特論 2 選択 共通
環境学特論 2 選択 共通
流体拡散論 2 選択 共通
交通計画学 地域計画特論 2 選択 共通
社会基盤整備と市民参加 2 選択 共通
社会資本整備特論 2 選択 共通
交通行動分析特論 2 選択 共通
交通ネットワーク解析 2 選択 共通
地球環境工学 国土情報工学特論 2 選択 共通
コンクリート工学 コンクリート構造物の維持管理 2 選択 共通
コンクリート技術特論 2 選択 共通
共通 文献研究及び実験研究I 6 必修 1
文献研究及び実験研究II 8 必修 2

※科目の内容など詳細情報については「シラバス」からご覧いただけます。

2023年度 大学院要覧 修士課程修了要件
専門科目 一般教養科目 合計
26 4 30
  1. 必修科目14単位及び一般教養科目を含めて30単位以上修得すること。ただし、「都市防災特論2」については修了所要単位には含めない。
  2. 一般教養科目については、合計4単位を修得すること。ただし、4単位を超えて修得した単位は修了所要単位には含めない。
    横断型コースオムニバス科目については、2単位まで修了所要単位として認める。
    なお、教養(共通)科目には、所属専攻以外の専攻課程及び他の研究科で修得した教養(共通)科目の単位も含める。
  3. 他専攻の随意科目を履修した場合、自専攻でも随意科目となり、修了所要単位に含めることはできない。
  4. 研究科の定めるところにより、次に掲げる授業科目を履修することができる。
    (1)所属専攻以外の専攻課程による授業科目
    (2)他の研究科の授業科目
    (3)他大学の大学院の授業科目
    (4)学部の授業科目

    (1)~(3)に規定する授業科目において修得した単位は修了所要単位として認定できる。ただし(3)は15単位を限度とする。

専門分野(部門) 授業科目 単位 履修方法 履修年次
構造学 構造学研究1A 5 選択 1
構造学研究1B 5 選択 1
構造学研究2A 5 選択 2
構造学研究2B 5 選択 2
構造学研究3A 5 選択 3
構造学研究3B 5 選択 3
防災学 防災学研究1A 5 選択 1
防災学研究1B 5 選択 1
防災学研究2A 5 選択 2
防災学研究2B 5 選択 2
防災学研究3A 5 選択 3
防災学研究3B 5 選択 3
環境学 環境学研究1A 5 選択 1
環境学研究1B 5 選択 1
環境学研究2A 5 選択 2
環境学研究2B 5 選択 2
環境学研究3A 5 選択 3
環境学研究3B 5 選択 3
計画学 計画学研究1A 5 選択 1
計画学研究1B 5 選択 1
計画学研究2A 5 選択 2
計画学研究2B 5 選択 2
計画学研究3A 5 選択 3
計画学研究3B 5 選択 3

※科目の内容など詳細情報については「シラバス」からご覧いただけます。

2023年度 大学院要覧 博士後期課程修了要件
専門科目 一般教養科目 合計
30 4 34
  1. 「構造学研究1A~3B」、「防災学研究1A~3B」、「環境学研究1A~3B」及び「計画学研究1A~3B」のうち、自己の指導教員が担当する科目について、6科目30単位を修得すること。
  2. 一般教養科目については、合計4単位を修得すること。ただし、4単位のうち、2単位以上は教養(共通)科目から修得すること。また、4単位を超えて修得した単位は修了所要単位には含めない。
    横断型コースオムニバス科目については、2単位まで修了所要単位として認める。
    なお、教養(共通)科目には、所属専攻以外の専攻課程及び他の研究科で修得した教養(共通)科目の単位も含める。
  3. 他専攻の随意科目を履修した場合、自専攻でも随意科目となり、修了所要単位に含めることはできない。
  4. 修士課程在籍時に単位修得をしている科目の履修は認めない。
  5. 研究科の定めるところにより、次に掲げる授業科目を履修することができる。
    (1)所属専攻以外の専攻課程による授業科目
    (2)他の研究科の授業科目
    (3)他大学の大学院の授業科目
    (4)学部および修士課程の授業科目

    (1)~(2)に規定する授業科目において修得した単位は修了所要単位として認定できる。

加藤 研究室

[専攻]コンクリート工学 [指導教員]加藤 佳孝 教授 [キーワード]維持管理学,材料開発,高品質施工
[テーマ例]❶構造体コンクリートの品質確保のための設計・施工・検査システム ❷コンクリート構造物の維持管理 ❸科学理論に基づいた鉄筋コンクリートの各種挙動の解明

わが国が、世界の経済大国になり得た要因の一つとして、社会基盤施設の充実があります。一方で、ローマ帝国は、施設の維持管理費の増大が帝国崩壊の一因となっており、この歴史が物語るように、社会基盤施設の充実は、社会の繁栄・成熟をもたらすとともに、衰退・滅亡へと導く諸刃の剣です。本研究室では、人口減少・高齢化、財政規律、高度技術社会、環境負荷低減、などの社会的な特徴を持つ成熟社会において、コンクリート構造物を戦略的に整備し、維持管理するために必要になることを検討しています。

菊池 研究室

[専攻]地盤工学、地盤環境工学 [指導教員]菊池 喜昭 教授 [キーワード]軟弱地盤対策,杭基礎,新しい地盤材料の開発
[テーマ例]❶軟弱地盤改良工法に関する研究 ❷杭の支持力機構に関する研究 ❸産業副産物の地盤工学的再利用に関する研究

地盤はすべての構造物を支えています。人類は知恵と経験でさまざまな構造物を大地の上に造ってきました。しかし、構造物を造るにあたっての社会の要求は時代とともに変化するため、地盤工学に関わる技術も社会の要請に応じて進歩していく必要があります。そこで、軟弱地盤上に経済的かつ合理的に構造物を造るための研究をしています。また、持続可能な人類の活動を支えるための地盤環境に関わる研究も実施しています。

木村 研究室

[専攻]構造工学・風工学 [指導教員]木村 吉郎 教授 [キーワード]構造物の振動,耐風工学,風車
[テーマ例]❶構造物の風により生じる振動の特性解明 ❷台風時の強風の特性と橋梁の応答 ❸橋梁や風車の振動特性の計測と解析

橋梁などの構造物は、安全かつ便利であってほしい私たちの生活を支える縁の下の力持ちです。しかし、地震、風、車両などにより生じる振動が原因で損傷することがあります。中でも風で生じる振動は、外形が少し変わるだけで発現風速や振幅が大きく異なるなど、メカニズムが十分解明されていません。橋梁だけでなく、大型風車や送電線、そして風以外で生じる振動も対象とし、構造物をより合理的に設計できるように研究しています。

小島 研究室

[専攻]地球環境工学 [指導教員]小島 尚人 教授 [キーワード]リモートセンシング,国土情報工学,土木計画学
[テーマ例]❶各種リモートセンシングデータを用いて国土の姿を分析 ❷衛星リモートセンシングデータと地理情報を併用して斜面崩壊危険箇所を広域推定 ❸錯視を利用した画像処理・解析手法の開発

地球環境工学研究室(小島研)では、国土を対象とした「調査、計画、防災・減災」、いわゆる「国土の管理支援」を目的として、人工衛星、航空機、ドローン等から観測されるリモートセンシングデータや地理情報を併用する画像処理・解析技術に関する研究に取り組んでいます。ハイパースペクトルデータやマイクロ波映像レーダデータに対する各種画像処理・解析精度の向上、錯視を利用した画像処理・解析手法の開発等(特許戦略含む)、種々の研究を進めています。「土木工学」という専門分野に立脚し、環境・情報科学研究に関わる学際的な研究課題を設定しています。

佐伯 研究室

[専攻]構造工学・維持管理工学・地震工学 [指導教員]佐伯 昌之 教授 [キーワード]センシング,地震の減災
[テーマ例]❶無線センサネットワークを用いたセンシングシステムの開発 ❷社会基盤構造物の異常検知・健全性モニタリング ❸地震時被災構造物の損傷把握センサの開発

道路、鉄道、橋梁などの社会基盤が整備されてきましたが、安全かつ安価にサービスを提供するためには、それらを効率的に維持管理することが重要になっています。本研究室では、構造物の異常を効率的に検出したり、地震時などの被災状況を瞬時に把握したりするためのセンシングシステムの開発を行っています。

塚本 研究室

[専攻]地盤工学 [指導教員]塚本 良道 教授 [キーワード]土質力学,動土質力学,土質工学
[テーマ例]❶地盤の飽和状態が液状化流動現象に及ぼす影響 ❷種々の液状化対策・地盤 改良工法の効果の評価 ❸原位置貫入試験による地盤定数の推定

2011年3月11日の東日本大震災では、関東地域の広域で砂地盤の液状化により、社会基盤構造物・ライフラインのみならず戸建住宅に多大な被害が生じました。2004年10月の新潟県中越地震や2008年6月の岩手・宮城内陸地震では、自然斜面の崩壊で村落の孤立化や宅地盛土の崩壊が生じています。地震により飽和砂質土がどのように液状化に至り、地盤の流動を引き起こすかを室内試験や現地調査により研究を行っています。

出口 研究室

[専攻]環境工学、環境学 [指導教員]出口 浩 教授 [キーワード]浄水・排水処理,遺伝子解析,廃棄物
[テーマ例]❶小規模下水道における水処理と汚泥農地還元 ❷排水からの有機物除去機構

下水道の未普及地域を可能な限り解消していくための技術提案をします。排水処理では、有機物の除去を推進すると余剰汚泥が発生します。この汚泥の処理が、規模の小さい排水処理場ではコスト、技術者確保の面から難しいとされています。発生する汚泥などを堆肥化し、農地還元することが出来たとしたらどうでしょうか。このため、水処理プラントを運転しながら、汚泥発生が少なくなる技術を開発します。また、実際に堆肥を作り、その効果を確かめます。

寺部 研究室

[専攻]交通計画 [指導教員]寺部 慎太郎 教授 [キーワード]市民参加,意識調査分析,人間行動分析
[テーマ例]❶交通計画における市民参加プロセスの評価 ❷都市鉄道や幹線交通を対象とした旅客行動の研究 ❸新幹線整備が地域に与える影響の実証的分析

道路や鉄道などの交通計画を立案するためには、利用者の行動や意識を分析することが不可欠です。また市民の意見を広く集めて生かしていくことが求められています。さらに、幹線鉄道の収益維持や地域経済への影響、道路の渋滞・事故の減少など、交通に関わるさまざまな課題が山積しています。これらに取り組むため、観測・実験やシミュレーション・アンケートなど適切な調査手法を考え、得られたデータをどう分析すべきか研究しています。

東平 研究室

[専攻]応用力学、地震工学 [指導教員]東平 光生 教授 [キーワード]弾性波動論
[テーマ例]❶地中の媒質の変動の推定手法について ❷並列計算機を用いた、散乱波動解析手法の開発 ❸地中の媒質の揺らぎの推定に関わる高速計算アルゴリズムの開発 ❹裂面の接触を伴う散乱現象の解析

地震波動の伝播特性の把握、地震の発生源の探査法、超音波を用いた構造物の非破壊検査の数理的基礎を与える学問が弾性波動論です。弾性波動論の歴史は古く19世紀までさかのぼることができます。一方、20世紀に入ると数学的方法は大きく進展し、さらに近年では、計算機技術の飛躍的向上によって、これまで不可能と考えられてきた数値計算も可能になってきました。応用力学研究室では、固体中を伝播する波動の新たな高速解法を開発しています。そして、近年の高速並列計算機を用いてこの方法論の有効性を実証する研究を行います。

仲吉 研究室

[専攻][専攻]流体力学、気象学 [指導教員]仲吉 信人 准教授 [キーワード]都市水文気象学,温熱生理学
[テーマ例]❶現在・将来気候に及ぼす都市影響の評価と緩和策に関する研究 ❷都市型集中豪雨の発生メカニズムの解明と減災に向けた研究 ❸ウェアラブルな環境・生理計測機器の開発、それを用いた都市環境・健康評価

2050年までに世界人口の70%が都市に住むと予想されており(国連世界都市化予測、2011)、都市化に伴う環境問題(大気汚染、ヒートアイランド、豪雨)の悪化が危惧されています。本研究室では「安心快適な都市空間創出」を目的に、「都市形態」-「大気環境」-「人間健康」の関係定量化、および快適都市空間の提案に関する研究を行っています。観測・実験・数値計算とツールを問わず、時には計測器も自作し、現象の本質を捉えることを目指しています。

二瓶 研究室

[専攻]防災水工学、水理学 [指導教員]二瓶 泰雄 教授 [キーワード]河川・海岸災害の防災・減災,環境水理学
[テーマ例]❶洪水氾濫や津波の災害調査と防災・減災技術の提案 ❷水災害・土砂災害に強い街づくりの提案 ❸水質汚濁・生態系劣化状況の把握と自然再生の取り組み(手賀沼、印旛沼、沖縄)

わが国は、地震、洪水、津波・高潮等の災害リスクが極めて高く、水質汚濁やプラごみなどの水環境や生態系の問題が生じています。本研究室は、河川や海岸の「水」に関わる防災・環境問題を解決し、安全安心で環境に優しい社会を作るために必要な技術開発やまちづくりに取り組んでいます。これらの基礎は水の動きに関する「水理学」ですが、さまざまな学際分野と融合して研究を進めます。研究では、現地観測を行い、どんな防災・環境問題が起こっているかを肌で感じ取ることを重視しています。

栁沼 研究室

[専攻]交通計画 [指導教員]栁沼 秀樹 准教授 [キーワード]交通行動分析,交通ネットワーク解析,計算機シミュレーション
[テーマ例]❶災害時における都市圏交通行動シミュレーションの構築 ❷鉄道・道路の交通ビッグデータ解析手法と可視化システムの開発 ❸都市内の歩行者流動モデルに関する研究

交通システムは、毎日の生活や経済活動に大きく寄与しており、国土・都市を形成する重要な社会基盤の1つです。しかしながら、道路渋滞や鉄道混雑、災害時のネットワーク遮断などさまざまな問題を抱えています。本研究室では、交通ネットワーク上での行動分析を通じて、現象の理解と問題の解決に資する研究に取り組みます。具体的には、鉄道・道路ネットワークや歩行空間における交通行動を記述する数理モデルの構築、スーパーコンピュータを利用した都市交通シミュレーション・システムの開発を行います。

専攻部門 担当教員 研究分野
社会基盤学 客員教授 毛利 雄一 交通計画学
(計量計画研究所)
※教授 寺部 慎太郎
地盤工学 客員准教授 中島 進 地盤工学
※教授 菊池 喜昭

※は副指導教員を表す。

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