Department of Pharmaceutical Sciences

薬学研究科 薬学専攻

野田キャンパス

”研究者と薬剤師”の
二刀流を実現する。

本専攻では、医療の現場における臨床的な課題を対象とする研究領域を中心とした高度な専門性や優れた研究能力を有する薬剤師及び研究者を育成するために、医療薬学・臨床薬学に関する教育研究を展開しています。これにより、高度化する医療・薬物治療、特に多様化する医薬品モダリティーに対応する薬剤師に加え、医薬品承認審査、公衆衛生等の医療行政従事者、薬学教育に携わる教員等、各機関の中核となる人材を輩出していることが、本専攻の大きな特色です。

概要図
  • 薬学専攻の特徴1

    多種多様な
    専門分野

    本専攻は、医療薬学・臨床薬学の研究室だけでなく、創薬、生命科学等の基礎研究の研究室にも所属することが可能となっており、自身のニーズにマッチする専門分野を見つけることができます。

  • 薬学専攻の特徴2

    薬科学専攻との
    相互連携

    本専攻は、薬科学専攻と緊密に連携し、"臨床”と"基礎”という相互の強みを活かした教育研究を展開しています。これにより、「基礎と臨床の橋渡しに貢献することのできる高い能力を持った人材」を輩出することにつながっています。

  • 薬学専攻の特徴3

    研究力の確実な
    レベルアップ

    本専攻は、薬剤師養成を主とする薬学科を基礎とする専攻でありながら、学位取得には、薬科学専攻と同じ条件(論文数、学会発表等)が必要となります。研究に対しても妥協しない体制は、研究力のレベルアップを確実にします。学位取得後は、国内外の教育研究機関等で幅広く活躍しています。

カリキュラム CURRICULUM

科目区分 授業科目 単位 履修方法 履修年次
基盤特論科目 医療薬学特論1 1 選択必修 1~2
医療薬学特論2 1 選択必修 1~2
専門特論科目 有機化学特論 1 選択必修 1~4
物理化学特論 1 選択必修 1~4
生物化学特論 1 選択必修 1~4
薬物治療学特論 1 選択必修 1~4
衛生薬学特論 1 選択必修 1~4
天然物薬品学特論 1 選択必修 1~4
レギュラトリーサイエンス特論 2 選択必修 1~4
クリニカルリサーチ特論 2 選択必修 1~4
医療データサイエンス持論 2 選択必修 1~4
基盤演習科目 薬学研究発表演習1 1 必修 1
薬学研究発表演習2 1 必修 2
薬学研究発表演習3 1 必修 3
技法演習科目 薬学研究技法演習A 2 必修 1~4
薬学研究技法演習B 2 必修 1~4
論文演習科目 薬学研究論文演習A 2 必修 1~4
薬学研究論文演習B 2 必修 1~4
研究科目 薬学博士研究1A 5 選択必修 1
薬学博士研究1B 5 選択必修 1
薬学博士研究2A 5 選択必修 2
薬学博士研究2B 5 選択必修 2
薬学博士研究3A 5 選択必修 3
薬学博士研究3B 5 選択必修 3
薬学博士研究4A 5 選択必修 4
薬学博士研究4B 5 選択必修 4
教養(共通) 知的財産特論 2 選択必修 1~4
Presentation Skills 2 選択必修 1~4
医療倫理 2 選択必修 1~4
リスクコミュニケーション概論 2 選択必修 1~4
ライフサイエンス分野におけるリスクコミュニケーション 2 選択必修 1~4
国際経済学特論 2 選択必修 1~4
経営行動科学特論 2 選択必修 1~4
比較文化特論 2 選択必修 1~4
知的財産と法制度 2 選択必修 1~4
環境政策論 2 選択必修 1~4
科学・研究と倫理 2 選択必修 1~4
社会選択理論およびマーケット・デザイン 2 選択必修 1~4
Academic Writing 2 選択必修 1~4
Critical Thinking 2 選択必修 1~4
異文化セミナーA 2 選択必修 1~4
異文化セミナーB 2 選択必修 1~4
運動処方実践演習 2 選択必修 1~4
生涯スポーツ実習1 1 選択必修 1~4
生涯スポーツ実習2 1 選択必修 1~4
統計解析 2 選択必修 1~4
防災地学特論 2 選択必修 1~4
固体地球科学概論 2 選択必修 1~4
実践的リーダーシップを学ぶ 2 選択必修 1~4
医理工学特論 2 選択必修 1~4
エネルギーシステム工学特論 2 選択必修 1~4
農理工学特論1A 1 選択必修 1~4
農理工学特論1B 1 選択必修 1~4
都市防災特論1A 2 選択必修 1~4
宇宙理工学概論 2 選択必修 1~4
教職教養専科A 2 選択必修 1~4
エネルギー環境セミナー1 1 選択必修 1~4
エネルギー環境セミナー2 1 選択必修 1~4
イノベーション・チーム・ラボ 2 選択必修 1~4
生命保険数学 2 選択必修 1~4
DX特論 2 選択必修 1~4
人間安全衛生特論 2 選択必修 1~4
防災科学概論 2 選択必修 1~4
がんを知りがんと闘う 2 選択必修 1~4
Basic Biomedical Science 2 選択必修 1~4
都市防災特論1B 2 選択必修 1~4
教養(他分野) 先端薬科学特論1 1 選択必修 1~4
先端薬科学特論2 1 選択必修 1~4
先端薬科学特論3 1 選択必修 1~4
ゲノムインフォマティクス特論 2 選択必修 1~4

※科目の内容など詳細情報については「シラバス」からご覧いただけます。

2023年度 大学院要覧 博士課程修了要件
専門科目 一般教養科目
基盤特論科目 専門特論科目 基盤演習科目 技法演習科目 論文演習科目 研究科目 4 48
1 2 3 4 4 30
  1. 以下の(1)~(7)をすべて満たし、合計48単位以上を修得すること。
    (1)教養(共通)2単位を含めた一般教養科目4単位以上を修得すること。なお、教養(共通)には、他専攻履修又は他研究科履修で修得した教養(共通)科目の単位を修了所要単位として含めることができる。
    (2)専門科目のうち基盤特論科目を1単位以上修得すること。
    (3)専門科目のうち専門特論科目を2単位以上修得すること。
    (4)専門科目のうち基盤演習科目を3単位修得すること。
    (5)専門科目のうち技法演習科目を4単位修得すること。
    (6)専門科目のうち論文演習科目を4単位取得すること。
    (7)専門科目のうち研究科目を30単位以上修得すること。

    履修申告できる単位の上限は、24単位(年間)とする。

  2. 研究科の定めるところにより、次に掲げる授業科目を履修することができる。
    (1)所属専攻以外の専攻課程による授業科目
    (2)他の研究科の授業科目
    (3)他大学の大学院の授業科目
    (4)学部の授業科目

    以上の(1)~(2)に規定する授業科目において修得した単位のうち、博士課程の単位として認定できる単位数は4単位を上限とし、その科目区分における内訳は、一般教養科目のみとする。

研究指導・
研究室紹介
GRADUATE RESEARCH AND LABORATORIES

■創薬科学
■生命薬学
■医療薬学
■青山 研究室

[専攻]薬物治療学 [指導教員]青山 隆夫 教授 [キーワード]医療薬学,薬物治療学,臨床薬学
[テーマ例]❶アスピリンとNSAIDsとの薬物相互作用に関する研究 ❷結核および非結核性抗酸菌症治療薬の薬物相互作用に関する研究 ❸肝がんおよび乳がんに対するシスプラチンとカフェインの併用療法の開発

本研究室では、薬物治療上の薬学的問題点を、抽出・解析し、その改善策を構築して臨床に還元することを目的とした研究を行っています。薬や食物との飲み合わせに関する薬物相互作用、新規薬物療法や市販されていない新規製剤の開発、注射薬の点滴ラインへの吸着による効果への影響、医薬品の適正使用、薬剤師の職能向上などテーマは広範囲であり、その多くが臨床現場との共同研究となっています。

■礒濱 研究室

[専攻]応用薬理学 [指導教員]礒濱 洋一郎 教授 [キーワード]呼吸器病態生理学,呼吸器薬理学,漢方薬理学
[テーマ例]❶アクアポリン水チャネルの機能および発現の薬理学的調節に関する研究 ❷気道粘液遺伝子の産生制御に関する薬理学的研究 ❸伝統医薬品の作用機序解明に関する研究

本研究室では気管支喘息やCOPDなどの慢性炎症を基礎とする難治性呼吸器疾患の治療法を確立するために、病態が形成される仕組みや一定の効果が期待できる薬物の作用を調べています。特に、気道分泌を正常化するための新規標的分子の探索や漢方薬等の伝統医薬品に隠された薬理学的特徴の解明を通じて、新たな治療概念の提唱を目指します。

■市原 研究室

[専攻]環境労働衛生学(衛生化学) [指導教員]市原 学 教授 [キーワード]神経科学/ 毒性学,ナノトキシコロジー,環境腫瘍学
[テーマ例]❶環境親電子性物質によるミクログリアを介した神経突起変性 ❷ナノ粒子による呼吸器、中枢神経系、循環器系、生殖系への影響 ❸炎症を介した環境発がんメカニズム

環境化学物質・ナノ粒子による中枢神経障害、発がんの作用機序を解明します。環境要因がマクロファージやミクログリアなど炎症にかかわる免疫細胞を活性化し、病気を引き起こすことが明らかとなりつつあります。神経幹細胞、遺伝子改変動物、遺伝子発現・プロテオム解析技術を用いて、細胞間相互作用、未病(病気になる前の状態)の分子基盤を明らかにし、病気を予知するバイオマーカーを確立することで疾病を予防します。

■鍜冶 研究室

[専攻]環境健康学 [指導教員]鍜冶 利幸 教授 [キーワード]環境毒性学,環境細胞応答学,バイオオルガノメタリクス
[テーマ例]❶環境汚染金属の血管毒性を担う分子標的と生体システム ❷微小環境変化に対する血管細胞の応答 ❸有機−無機ハイブリッド分子による血管細胞の機能制御と機能解析

本研究室では、「環境と健康の接点を科学する」立場から、環境汚染物質の一つである重金属の毒性発現機構の解明に取り組むとともに、その機構の基盤となる微小環境の変化に対する細胞の異常な応答の解明も行っています。現在、有機−無機ハイブリッド分子の生物学─バイオオルガノメタリクス─を世界に先駆けて展開しています。

■斎藤 研究室

[専攻]薬理学,精神・神経薬理学 [指導教員]斎藤 顕宜 教授 [キーワード]行動薬理学,創薬薬理学,神経科学
[テーマ例]❶オピオイド受容体をターゲットとした新規向精神薬の創薬 ❷オキシトシン受容体をターゲットとした新規認知症治療薬・向静新薬の創薬 ❸情動神経回路の理解に基づいた病態モデル動物の開発

薬理学は、身体の仕組みを理解しながら、薬が持つ生体機能への影響を解析する学問です。本研究室では、心と脳神経系の病気、例えばうつ病・不安症・認知症がなぜ起きるのかを研究しています。病気のモデル動物・組織等を用いた実験から、関与する神経回路や生体物質を明らかにし、新しい治療薬・予防法の開発を目指しています。

■佐藤(聡) 研究室

[専攻]生化学、分子生物学 [指導教員]佐藤 聡 講師 [キーワード]生化学,分子生物学,核酸化学
[テーマ例]❶ネクローシスとアポトーシスの細胞死制御機構の解明 ❷がん細胞の抗がん剤耐性機構の解明 ❸細胞死を制御するノンコーディングRNA(ncRNA)または薬剤耐性関連ncRNAを標的とする新規抗がん核酸医薬の開発 ❹ドラッグリポジショニングによる神経膠腫、膵臓癌などの難治癌に有効な新規抗がん剤の開発 ❺網膜色素上皮細胞の細胞死機序の解明と細胞死抑制分子の探索

細胞の死とがんの薬剤耐性の仕組みに興味を持っています。当研究室は、細胞死、特にがん細胞の死と抗がん剤への耐性の仕組みの理解を通して、新たながん分子標的を見出し、それを標的とする核酸、低分子化合物などによるがん治療法の開発を目指しています。

■佐藤(嗣) 研究室

[専攻]医薬品情報学 [指導教員]佐藤 嗣道 准教授 [キーワード]薬剤疫学,医薬品リスク管理,社会薬学
[テーマ例]❶疫学的手法を用いた医薬品の安全性評価 ❷医薬品のリスク最小化策の検討と評価 ❸医薬品情報の提供方法の検討

最善の治療法を選択するには、薬のベネフィット(期待される効果)とリスク(副作用の可能性)を評価することが必要です。そして、より適切な使い方によりリスクを減らすことができます。本研究室では、医療現場で実際に使われている薬のリスクを評価し最小にすることを目的とした研究を行っています。

■鹿野 研究室

[専攻]医薬品評価学 [指導教員]鹿野 真弓 教授 [キーワード]レギュラトリーサイエンス,医薬品規制
[テーマ例]❶医薬品・医療機器等に応用される革新的技術の早期探索 ❷医療情報の医薬品開発への利用 ❸ワクチン開発に関するガイドライン作成

医薬品・医療機器等の開発グローバル化により開発・評価の考え方の国際調和が重要になっています。またAIやビッグデータ等の新技術の利用は、従来の評価の考え方や規制があてはまらない場合があります。本研究室では、規制当局とも連携し、医薬品・医療機器等に利用される革新的技術を早期に探索し、国際調和も視野に入れた対応方針を研究しています。

■嶋田 研究室

[専攻]医薬品評価学 [指導教員]嶋田 修治 准教授 [キーワード]医薬品情報学,臨床薬理学,薬剤学
[テーマ例]❶統計的手法による医薬品評価 ❷薬剤学的手法による医薬品評価 ❸医薬品評価に基づいたエビデンスの構築

先端技術の結晶である医薬品は、モノ(薬剤)と情報がそろったときに初めてその真価を発揮しますが、十分な情報が医療現場に提供されていない場合もあります。医薬品情報を適正に収集、評価および提供できる薬剤師は、患者の安全を守る最後の砦になるでしょう。本研究室では、医薬品の適正使用に向けた情報を医療現場に提供することを目指しています。

■鈴木 研究室

[専攻]疾病病態学・臨床薬理学 [指導教員]鈴木 立紀 准教授 [キーワード]スポーツ科学,健康科学,禁煙学,臨床薬学
[テーマ例]❶脂質のエネルギー利用に関する研究 ❷食習慣と体格指数の関係に関する研究 ❸生涯スポーツ愛好家や精神科患者の薬剤使用に関する研究 ❹スポーツと喫煙に関する研究

今後予想される超高齢化社会ではいかに健康寿命を延ばすかが重要で、生涯スポーツの拡大や禁煙化の推進もその一翼を担うと期待されています。本研究室では薬学的な視点から、生涯スポーツ愛好家がより健康にスポーツに取り組めるため、また、病気療養中の患者がより質の高い生活を送れるために、人を対象とした調査研究・臨床研究や実際の診療情報を用いた疫学研究を中心に行っています。

■髙澤 研究室

[専攻]分子生物学 [指導教員]髙澤 涼子 准教授 [キーワード]医療分子生物学
[テーマ例]❶制がん剤開発のための分子標的のバリデーション ❷in silico創薬手法を用いた新規分子標的制がん剤リード化合物の創製

近年、がん治療において、抗がん剤耐性がん細胞にも高い効果を示し、かつ、がん細胞に特異的に作用する新たな作用機序による治療薬の開発が求められています。本研究室は、がん細胞特異的エネルギー代謝に関わる因子やアポトーシス制御因子など、がん細胞の生存・増殖維に重要な役割をもつタンパク質をターゲットとし、in silico創薬手法を用いて、副作用の少ない新規分子標的制がん剤リード化合物の創製を目指します。

■高橋 研究室

[専攻]薬化学 [指導教員]高橋 秀依 教授 [キーワード]創薬化学・臨床医薬品化学
[テーマ例]❶不斉炭素がないのにキラルな分子!をつくる ❷7員環を有する様々な医薬品候補化合物の創出 ❸Menkes病治療薬の開発

医薬品は、平面で表される構造式からは想像もつかないような立体構造を持ち、それが薬理活性の鍵となります。私達は軸不斉という観点から立体化学を解析し、新たな医薬品を創出する創薬化学研究を行っています。また、医薬品の代謝や相互作用など、臨床現場と直結した様々なテーマに有機化学の力を使って取り組んでいます。

■月本 研究室

[専攻]放射線生命科学[指導教員]月本 光俊 教授 [キーワード]放射線生物学
[テーマ例]❶放射線細胞作用におけるプリン介在型細胞間情報伝達の役割の解明 ❷がん細胞選択的な放射線増感剤と正常細胞を守る放射線防護剤の研究 ❸プリナージック・アンタゴニストによる高効率放射線がん治療法の開発

放射線ダメージからの防護や医療への応用のためには、放射線による生体影響のメカニズムを解明する必要があります。本研究室では、薬学ならではの着眼点で放射線の生物への影響について研究した結果、放射線誘発プリン介在型細胞間情報伝達という新しいメカニズムを発見しました。現在、この発見を元に放射線がん治療の高効率化への応用を試みています。

■西川 研究室

[専攻]生物薬剤学、薬物動態学 [指導教員]西川 元也 教授 [キーワード]生物薬剤学,ドラッグデリバリーシステム
[テーマ例]❶ナノ構造化核酸を基盤とする疾患治療システムの開発 ❷高機能・多機能化細胞治療システムの開発 ❸エクソソーム動態制御による疾患治療法の開発

疾患治療を目的として生体に投与される「クスリ」がその機能を最大限発揮するには、クスリとヒトとの相互作用の解明が必須です。本研究室では、対象としてナノ医薬と細胞医薬を選択し、生物薬剤学・薬物動態学などの学問を基盤として投与方法の最適化に関する研究に取り組んでいます。

■根岸 研究室

[専攻]臨床薬学、実務薬 [指導教員]根岸 健一 准教授 [キーワード]臨床薬学,実務薬学,医療薬学
[テーマ例]❶患者利便性・薬物療法の向上に関する研究 ❷薬剤師業務効率化・質的改善に関する研究 ❸薬剤師職位・職能向上に寄与する研究

薬剤師が患者の薬物治療に責任を持ち貢献できることは、薬剤師の本質的な使命であると考えます。6年制教育では、それに必要な知識・技能・態度を学びますが、本研究室では、さらに実務を通じて、現状の課題や改善点を見つけ、解決策を提案・実行する実践的研究を行うことで、薬物治療向上に貢献できる薬剤師となってもらうことを目指しています。

■野口 研究室

[専攻]感染分子標的学 [指導教員]野口 耕司 教授 [キーワード]分子標的治療学,ウイルス学,腫瘍治療学
[テーマ例]❶がんウイルスと感染免疫制御の分子機構解析 ❷がんとウイルス感染症の創薬分子標的の解析 ❸新規分子標的治療薬の探索・開発

ひとの「がん」の原因になるウイルス感染症があります。このようなウイルス関連がんでは、生体防御機構における感染免疫システムを回避する悪性形質が知られており、治療のためにはそれを克服することが望まれます。また、新薬は医療現場に大きなブレークスルーを起こす力を持ち、患者さんに希望を与えます。私たちは、がんウイルスと感染免疫システムとの関係について研究し、革新的な分子標的創薬を目指しています。

■羽田 研究室

[専攻]生薬学、薬用植物学、漢方医薬学 [指導教員]羽田 紀康 教授 [キーワード]生薬学,天然物化学,糖化学
[テーマ例]❶薬用植物(生薬)の薬用部位、生育時期の違いによる成分変動解析 ❷漢方薬の有効性を成分の相互作用から解明 ❸機能性植物の成分探索 ❹生物活性を有する複合糖質の合成研究

自然が生み出す薬物を、植物内の成分の変動や漢方薬を構成する生薬に含まれる成分の相互作用からその有用性を解明し、人の健康に役立てようと試みています。

■花輪 研究室

[専攻]製剤工学、臨床製剤学、医療薬学 [指導教員]花輪 剛久 教授 [キーワード]臨床製剤設計,医療デザイン学
[テーマ例]❶個別化医療の為の新規製剤の開発 ❷医療用高分子と医薬品の相互作用に関する研究 ❸難溶解性医薬品の溶解性向上に関する研究

医薬品の有効性を最大限に発揮させるためには、適切な投与形態の選択と製剤設計が重要となります。本研究室では、実際の医療現場において求められる製剤として、半固形製剤、液状製剤、貼付型製剤などを開発しています。また、それらの製剤に含有させる医薬品の溶性や分散性向上を目的としたナノ粒子化に関する研究をしています。

■東(恭) 研究室

[専攻]病態分析化学 [指導教員]東 恭平 講師 [キーワード]病態分析化学,病態生化学
[テーマ例]❶老化に伴うN-およびO-結合型糖鎖の構造変化とそのメカニズムの解明 ❷脳梗塞急性期における糖衣損傷機構の解明 ❸N-およびO-結合糖鎖の高感度分析法の開発

私たちの身体を構成するタンパク質の約7割に糖鎖が付加されていますが、構造に多様性があるため分析が難しく、その機能はほとんど明らかとなっていません。本研究室では、信頼性が高く高感度な糖鎖分析法を駆使し、生体試料から抽出した糖鎖構造の解明とその機能性を調べています。更に、新しい微量分析法の開発に挑戦し、疾患に伴う糖鎖構造の変化から病態メカニズムの解明を目指しています。

■東(達) 研究室

[専攻]分析科学 [指導教員]東 達也 教授 [キーワード]臨床分析科学
[テーマ例]❶唾液を検査試料とする無侵襲臨床検査法の開発 ❷生体分子の質量分析用高感度・高分離誘導体化法の開発 ❸生理活性ステロイドの分析科学的研究

病気を治すためには、まず何の病気かを診断し、進行具合を適切に把握しなければなりません。「被験者の負担の少ない試料(例えば唾液や爪)からピコ(1兆分の1)グラムレベルの生体分子情報を取り出して診断・治療に役立てる。」これが本研究室の目指すものです。高速液体クロマトグラフィー/質量分析を基盤としてこの課題にチャレンジしています。

■堀口 研究室

[専攻]公衆衛生学 [指導教員]堀口 逸子 教授 [キーワード]リスクコミュニケーション,食品安全
[テーマ例]❶健康・環境・食品等の分野におけるリスク認知 ❷健康食品等の利用に関する研究 ❸リスクの理解促進のための教材開発

公衆衛生学は「組織された地域社会の努力を通じて、疾病予防、寿命の延長、身体・精神的機能の増進を図る、科学であり技術」です。薬学、医療だけでなく、社会保障制度や健康教育も含みます。既存のデータやアンケート、インタビューによって、人々の知識、意識、態度、行動等を明らかにし、教育のための教材を開発します。

■牧野 研究室

[専攻]薬品物理化学、DDS、界面科学 [指導教員]牧野 公子 教授 [キーワード]ドラッグ・デリバリー・システム
[テーマ例]❶ 肺がん、結核治療を目的とした肺へのDDS ❷皮膚から薬物を吸収させるDDS ❸投与一定時間後に薬物を放出するDDS

「身体が必要としているときにだけ、必要な部位にだけ、必要最小限量の薬を到達させる」というドラッグ・デリバリー・システム(DDS)の概念を、種々の疾病治療に対して実現するためには、薬をいつ、どこから入れるか? どんな速度で出すか? そして、どのようにして、ある臓器に集める(標的化する)かが重要です。

■真野 研究室

[専攻]臨床薬剤情報学 [指導教員]真野 泰成 准教授 [キーワード]医療薬学,臨床薬剤学,医薬品情報学
[テーマ例]❶新規化合物の体内動態の検討 ❷大規模医療データベースを用いたがん予防剤の開発 ❸高齢者・フレイル(虚弱)の安全な薬物治療実施に向けた研究

本研究室では臨床現場で直面するさまざまな問題点を抽出し、その問題点の解明とともに新たな薬学的エビデンスを構築し臨床にフィードバックすることを目指しています。医薬品の体内動態や薬効・副作用を考慮した最適な投与設計法の開発や、大規模医療データベース(いわゆる医療ビッグデータ)を利用した医薬品適正使用に関する研究を行っています。

■安元 研究室

[専攻]天然物化学 [指導教員]安元 加奈未 講師 [キーワード]薬用植物学,天然物化学,天然医薬資源学
[テーマ例]❶ 薬用資源から熱帯感染症治療薬シーズの探索 ❷伝統医療に用いられる植物成分の研究 ❸熱帯・亜熱帯産植物の成分研究と生理活性の検討

古来から植物は人間の衣食住に深く関わり、医薬資源としても重要な役割を果たしてきました。植物が作り出す未知の化学物質は、薬として利用できる可能性があります。本研究室では、難治性熱帯感染症に対して有効な植物の化学成分を探索し、治療薬に繋げることを目標にしています。また、熱帯地域などで伝統的に医療に用いられている薬用植物について、有効成分とその機能の解明などにも取り組みます

■山下 研究室

[専攻]DDS・製剤設計学[指導教員]山下 親正 教授 [キーワード]ドラッグ・デリバリー・システム(DDS),再生医療,神経科学,凍結乾燥
[テーマ例]❶肺胞再生を目指したCOPD根治治療法の開発 ❷新しい概念に基づいたDDS技術を用いたうつ病や認知症の治療薬の開発 ❸臨床応用できる幹細胞製剤と粉末吸入システムの開発

本研究室では、新しい概念に基づいた臨床応用できるDDSを開発しています。1つ目は世界第3位の死亡原因の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の根治治療を目指して肺胞を再生させる新しい化合物を見出し、その化合物を作用点まで効率良く送り届けるシステムの開発です。2つ目は、既成概念を覆し、うつ病や認知症を治療できる神経ペプチドを、鼻から脳へデリバリーさせる臨床応用可能なDDSを開発し、その脳への移行機構を解明しています。

■吉澤 研究室

[専攻]疾患薬理学 [指導教員]吉澤 一巳 准教授 [キーワード]緩和医療薬学,臨床精神薬理学
[テーマ例]❶ 抗がん剤やオピオイド鎮痛薬の副作用軽減に関する研究 ❷慢性疼痛下における不安や睡眠障害に関する研究 ❸がん関連疲労の予防と対策に関する研究

日本人の死亡原因第1位は悪性新生物、つまり“がん”です。したがって、がん治療・がん研究の発展は日本にとって急務な課題です。そのがん治療と両輪をなす緩和医療とは、がん患者の抱える痛みやつらさに耳を傾け、その症状を緩和する医療です。本研究室では、緩和医療の中心である“こころとからだの痛み”に焦点を当てた薬学研究を行っています。

伊集院 研究室

[専攻]薬局管理学 [指導教員]伊集院 一成 教授 [キーワード]医療薬学,社会薬学,開局薬学
[テーマ例]❶ ヘルス・ヴィジランス研究(医薬品使用量の確率論的解析) ❷副作用発現時期に則した服薬指導支援 ❸IoTを活用した薬剤師支援

薬局薬剤師としての立場からみた現場に役立つ仕組みを提案します。IoTを活用した薬剤師を支援するシステムに関する研究、具体的には電子薬歴システムの薬剤師支援ツール開発、経験からエビデンスに基づく在庫管理方法の提唱、アプリを利用した地域住民の健康支援に関する研究等、現場に密着した研究をしています。

鹿村 研究室

[専攻]薬局管理学 [指導教員]鹿村 恵明 教授 [キーワード]医療薬学,社会薬学
[テーマ例]❶ 薬局薬剤師の業務を支援するツールの開発 ❷薬剤師が医師に対して行う疑義照会の効果の研究 ❸OTC医薬品の活用法に関する研究

本研究室では薬局業務全般において、医薬品関連情報の収集、コミュニケーションスキルを活用した患者・顧客からの情報収集、そしてこれらの収集した情報の評価と活用、医師や医療関係者への情報提供等の業務について、その有用性を検証していきます。また、薬局薬剤師の業務を支援するツールの開発をしています。

櫻井 研究室

[専攻]医薬品等品質・GMP講座 [指導教員]櫻井 信豪 教授 [キーワード]医薬品・再生医療等製品の品質確保
[テーマ例]❶ 医薬品、再生医療等製品、医療機器の製造管理、品質管理のガイドラインの国際整合化に関する研究 ❷再生医療等製品(細胞加工製品)の品質管理手法に関する研究 ❸医薬品、再生医療等製品の人材育成に関する研究

医薬品や再生医療等製品の品質確保は、製造所の製造管理や品質管理の基準を明確にし、それを製造現場で運用することが大切です。科学や学問の進歩や国際化の観点からこの基準を研究し、行政機関と製造業者等に明示し、規制の調和(レギュラトリーサイエンス)を図ること、さらに得られた最新の知識を人材育成に繋げることを研究室の課題としています。最終的に患者さんの安心・安全を目指した総合的な研究活動を行います。

当サイトでは、利用者動向の調査及び運用改善に役立てるためにCookieを使用しています。当ウェブサイト利用者は、Cookieの使用に許可を与えたものとみなします。詳細は、「プライバシーポリシー」をご確認ください。