Department of Pharmacoscience

薬学研究科 薬科学専攻

野田キャンパス

”薬科学”により、
近未来の医療を革新する。

本専攻では高い倫理観と国際的視野を備え、薬学の基礎から専門までを深く身に付けるとともに、臨床薬学分野や薬科学関連領域を修得し、様々な社会的ニーズに対しても応えられる問題解決能力を有する研究者、技術者等の育成を目指しています。一方で、創薬科学と生命薬科学分野のみならず、医薬品の毒性、環境への影響等に関係する医薬科学も重要な柱となっているところが、本専攻の大きな特色です。

概要図
  • 薬科学専攻の特徴1

    日本最大の
    薬学研究者養成課程

    薬科学専攻修士課程は、日本最大(毎年平均80名以上の入学者)の学生数を誇る薬学系修士課程です。このため、学生はどの領域の研究室に所属しても、研究活動に没頭する先輩大学院生の姿を見ながら、高い志を持った仲間かつライバルと切磋琢磨して研究に専念できます。

  • 薬科学専攻の特徴2

    薬学科との
    相互連携

    ほとんどの研究室に6年制の薬学科学生が所属しており、臨床と基礎の融合により研究活動を行っています。これにより、「基礎と臨床の橋渡しに貢献することのできる高い能力を持った人材」を輩出することにつながっています。

  • 薬科学専攻の特徴3

    博士学位取得者を
    多数輩出

    博士後期課程の在籍者数は、ここ数年20名以上を保っており、全国的に見ても毎年多くの博士学位取得者を輩出しています。学位取得後は、国内外の教育研究機関等で幅広く活躍しています。

カリキュラム CURRICULUM

科目区分 授業科目 単位 履修方法 履修年次
特論科目 基礎有機化学特論M 1 選択必修 1又は2
基礎物理化学特論M 1 選択必修 1又は2
基礎生物化学特論M 1 選択必修 1又は2
基礎薬物治療学特論M 1 選択必修 1又は2
基礎病態学特論M 1 選択必修 1又は2
基礎衛生薬学特論M 1 選択必修 1又は2
基礎天然物薬品学特論M 1 選択必修 1又は2
がん医療特論M 1 選択必修 1又は2
基礎レギュラトリーサイエンス特論MA 1 選択必修 1又は2
基礎レギュラトリーサイエンス特論MB 1 選択必修 1又は2
核酸創薬化学特論M 1 選択必修 1又は2
キャリアデザイン持論M 1 選択必修 1又は2
基礎医療データサイエンス持論M 2 選択必修 1又は2
演習科目 薬科学研究技法演習MA 2 選択必修 1又は2
薬科学研究技法演習MB 2 選択必修 1又は2
薬科学研究論文演習MA 2 選択必修 1又は2
薬科学研究論文演習MB 2 選択必修 1又は2
研究科目 薬学特別実験1A 5 選択必修 1
薬学特別実験1B 5 選択必修 1
薬学特別実験2A 5 選択必修 2
薬学特別実験2B 5 選択必修 2
教養(共通) 知的財産特論 2 選択必修 1~2
Presentation Skills 2 選択必修 1~2
医療倫理 2 選択必修 1~2
リスクコミュニケーション概論 2 選択必修 1~2
ライフサイエンス分野におけるリスクコミュニケーション 2 選択必修 1~2
国際経済学特論 2 選択必修 1~2
経営行動科学特論 2 選択必修 1~2
比較文化特論 2 選択必修 1~2
知的財産と法制度 2 選択必修 1~2
環境政策論 2 選択必修 1~2
科学・研究と倫理 2 選択必修 1~2
社会的選択理論およびマーケット・デザイン 2 選択必修 1~2
Academic Writing 2 選択必修 1~2
Critical Thinking 2 選択必修 1~2
異文化セミナーA 2 選択必修 1~2
異文化セミナーB 2 選択必修 1~2
運動処方実践演習 2 選択必修 1~2
生涯スポーツ実習1 1 選択必修 1~2
生涯スポーツ実習2 1 選択必修 1~2
統計解析 2 選択必修 1~2
防災地学特論 2 選択必修 1~2
固体地球科学概論 2 選択必修 1~2
実践的リーダーシップを学ぶ 2 選択必修 1~2
医理工学特論 2 選択必修 1~2
エネルギーシステム工学特論 2 選択必修 1~2
農理工学特論1A 1 選択必修 1~2
農理工学特論1B 1 選択必修 1~2
都市防災特論1A 2 選択必修 1~2
宇宙理工学特論 2 選択必修 1~2
教職教養専科A 2 選択必修 1~2
エネルギー環境セミナー1 1 選択必修 1~2
エネルギー環境セミナー2 1 選択必修 1~2
イノベーション・チーム・ラボ 2 選択必修 1~2
生命保険数学 2 選択必修 1~2
DX特論 2 選択必修 1~2
人間安全衛生特論 2 選択必修 1~2
防災科学概論 2 選択必修 1~2
がんを知りがんと闘う 2 選択必修 1~2
Basic Biomedical Science 2 選択必修 1~2
創域融合特論A 1 選択必修 1~2
創域融合特論B 1 選択必修 1~2
都市防災特論1B 2 選択必修 1~2
教養(他分野) 有機化学特論 1 選択必修 1又は2
物理化学特論 1 選択必修 1又は2
生物化学特論 1 選択必修 1又は2
薬物治療学特論 1 選択必修 1又は2
衛生薬学特論 1 選択必修 1又は2
天然物薬品学特論 1 選択必修 1又は2

※科目の内容など詳細情報については「シラバス」からご覧いただけます。

※本専攻は「英語で実施する授業科目(*)」の単位修得のみで修了することが可能です。

*日本語能力を有さない学生が授業を受講しても単位修得にあたり支障がない授業と定義します(「講義の一部を日本語で実施する」、「講義資料を英語とし講義は英語と日本語を混ぜて行う」等の工夫により、英語と日本語が混在する場合があります)。

2023年度 大学院要覧 修士課程修了要件
専門科目 一般教養科目
特論科目 演習科目 研究科目 4 30
5 6 15
  1. 以下の(1)~(4)を全て満たし、合計30単位以上を修得すること。
    (1)教養(共通)2単位を含めた一般教養科目4単位以上を修得すること。なお、教養(共通)には、他専攻履修又は他研究科履修により修得した教養(共通)科目の単位を修了所要単位として含めることができる。
    (2)専門科目のうち特論科目を5単位以上修得すること。ただし、薬科学専攻博士後期課程の特論科目を2単位を上限に修了所要単位として含めることができる。
    (3)専門科目のうち演習科目を6単位以上修得すること。
    (4)専門科目のうち研究科目を15単位以上修得すること。

    履修申告できる単位の上限は、24単位(年間)とする。

  2. 研究科の定めるところにより、次に掲げる授業科目を履修することができる。
    (1)所属専攻以外の専攻課程による授業科目
    (2)他の研究科の授業科目
    (3)他大学の大学院の授業科目
    (4)学部の授業科目

    以上の(1)~(3)に規定する授業科目において修得した単位のうち、修士課程の単位として認定できる単位数は6単位を上限とし、その科目区分における内訳は、特論科目について2単位まで、一般教養科目について4単位までとする。

科目区分 授業科目 単位 履修方法 履修年次
特論科目 先端薬科学特論1 1 選択必修 1~3
先端薬科学特論2 1 選択必修 1~3
先端薬科学特論3 1 選択必修 1~3
ゲノムインフォマティクス特論 2 選択必修 1~3
レギュラトリーサイエンス特論 2 選択必修 1~3
クリニカルリサーチ特論 2 選択必修 1~3
医療データサイエンス特論 2 選択必修 1~3
基盤演習科目 薬科学研究発表演習1 1 必修 1
薬科学研究発表演習2 1 必修 2
技法演習科目 薬科学研究技法演習A 2 必修 1~3
薬科学研究技法演習B 2 必修 1~3
論文演習科目 薬科学研究論文演習A 2 必修 1~3
薬科学研究論文演習B 2 必修 1~3
研究科目 薬科学博士研究1A 5 選択必修 1
薬科学博士研究1B 5 選択必修 1
薬科学博士研究2A 5 選択必修 2
薬科学博士研究2B 5 選択必修 2
薬科学博士研究3A 5 選択必修 3
薬科学博士研究3B 5 選択必修 3
教養(共通) 知的財産特論 2 選択必修 1~3
Presentation Skills 2 選択必修 1~3
医療倫理 2 選択必修 1~3
リスクコミュニケーション概論 2 選択必修 1~3
ライフサイエンス分野におけるリスクコミュニケーション 2 選択必修 1~3
国際経済学特論 2 選択必修 1~3
経営行動科学特論 2 選択必修 1~3
比較文化特論 2 選択必修 1~3
知的財産と法制度 2 選択必修 1~3
環境政策論 2 選択必修 1~3
科学・研究と倫理 2 選択必修 1~3
社会的選択理論およびマーケット・デザイン 2 選択必修 1~3
Academic Writing 2 選択必修 1~3
Critical Thinking 2 選択必修 1~3
異文化セミナーA 2 選択必修 1~3
異文化セミナーB 2 選択必修 1~3
運動処方実践演習 2 選択必修 1~3
生涯スポーツ実習1 1 選択必修 1~3
生涯スポーツ実習2 1 選択必修 1~3
統計解析 2 選択必修 1~3
防災地学特論 2 選択必修 1~3
固体地球科学概論 2 選択必修 1~3
実践的リーダーシップを学ぶ 2 選択必修 1~3
医理工学特論 2 選択必修 1~3
エネルギーシステム工学特論 2 選択必修 1~3
農理工学特論1A 1 選択必修 1~3
農理工学特論1B 1 選択必修 1~3
都市防災特論1A 2 選択必修 1~3
宇宙理工学特論 2 選択必修 1~3
教職教養専科A 2 選択必修 1~3
エネルギー環境セミナー1 1 選択必修 1~3
エネルギー環境セミナー2 1 選択必修 1~3
イノベーション・チーム・ラボ 2 選択必修 1~3
生命保険数学 2 選択必修 1~3
DX特論 2 選択必修 1~3
人間安全衛生特論 2 選択必修 1~3
防災科学概論 2 選択必修 1~3
がんを知りがんと闘う 2 選択必修 1~3
Basic Biomedical Science 2 選択必修 1~3
都市防災特論1B 2 選択必修 1~3
教養(他分野) 有機化学特論 1 選択必修 1~3
物理化学特論 1 選択必修 1~3
生物化学特論 1 選択必修 1~3
薬物治療学特論 1 選択必修 1~3
衛生薬学特論 1 選択必修 1~3
天然物薬品学特論 1 選択必修 1~3

※科目の内容など詳細情報については「シラバス」からご覧いただけます。

2023年度 大学院要覧 博士後期課程修了要件
専門科目 一般教養科目
特論科目 基盤演習科目 技法演習科目 論文演習科目 研究科目 4 35
1 2 4 4 20
  1. 以下の(1)~(6)をすべて満たし、合計35単位以上を修得すること。
    (1)教養(共通)2単位を含めた一般教養科目4単位以上を修得すること。ただし、薬科学専攻修士課程在学時に修得済の一般教養科目は履修不可とする。なお、教養(共通)には、他専攻履修又は他研究科履修で修得した教養(共通)科目の単位を修了所要単位として含めることができる。
    (2)専門科目のうち特論科目を1単位以上修得すること。ただし、薬科学専攻修士課程在学時に修得済の専門科目特論科目は履修不可とする。
    (3)専門科目のうち基盤演習科目を2単位修得すること。
    (4)専門科目のうち技法演習科目を4単位修得すること。
    (5)専門科目のうち論文演習科目を4単位修得すること。
    (6)専門科目のうち研究科目を20単位以上修得すること。

    履修申告できる単位の上限は、25単位(年間)とする。

  2. 研究科の定めるところにより、次に掲げる授業科目を履修することができる。
    (1)所属専攻以外の専攻課程による授業科目
    (2)他の研究科の授業科目
    (3)他大学の大学院の授業科目
    (4)学部の授業科目

    以上の(1)~(2)に規定する授業科目において修得した単位のうち、博士後期課程の単位として認定できる単位数は4単位を上限とし、その科目区分における内訳は、一般教養科目のみとする。

■青木 研究室

[専攻]生物有機化学 [指導教員]青木 伸 教授 [キーワード]生物有機化学,超分子化学,光化学
[テーマ例]❶分子集積による機能性ナノ超分子・薬剤の開発 ❷分子集積に基づく新たな有機反応触媒の開発 ❸光化学反応の開発とがん超早期診断・治療

自然界の分子自己組織化現象をお手本として、水溶液中における超分子化学を基盤とする新しい有機化学、創薬化学を開拓します。分子間相互作用による分子集積の概念に基づいて、新しい構造と機能を持つナノサイズ超分子と薬剤を開発します。光化学反応を用いるバイオケミカルツールやがん及び感染症の超早期診断・治療法、新規不斉触媒、生体分子に対する発光センサー、放射線防御剤などの設計と合成を行っています。

■秋本 研究室

[専攻]分子病態学・幹細胞腫瘍学 [指導教員]秋本 和憲 教授 [キーワード]分子医科学
[テーマ例]❶がんゲノミクス解析(データサイエンス) ❷がん幹細胞の性質の解析  ❸がん幹細胞を標的とする創薬に向けた分子標的の同定

がん幹細胞は、抗がん剤や放射線治療に対して耐性を示し、治療後の再発の原因と考えられています。このがん幹細胞の性質を明らかとすることができれば、がん幹細胞を標的とした新しい抗がん剤や治療法などの開発が期待できます。本研究室では、患者がんゲノミクスデータ解析によって抽出した事象に基づき、データサイエンス研究と実験を融合するかたちで、がん幹細胞の性質を明らかとすることを進めています。

■内海 研究室

[専攻]生化学、分子生物学 [指導教員]内海 文彰 教授 [キーワード]遺伝子発現制御機構の解明
[テーマ例]❶DNA修復関連遺伝子や老化関連遺伝子発現制御機構の解析 ❷合成DNA配列によるプロモーターの構築 ❸インターフェロン応答性遺伝子発現制御機構の解明

生物の遺伝情報はDNAの暗号として保存されています。それはタンパク質の構造だけでなく、遺伝子がどの程度発現するかも決定しています。私たちは発がん、代謝や老化に関わる遺伝子、そしてインターフェロン応答性遺伝子の発現調節機構を解明するとともに、重要な働きをする遺伝子を発見し、その情報をもとに遺伝子を用いたがんや免疫疾患の新規治療法を目指した基礎的な研究を行っています。

■内呂 研究室

[専攻]有機合成化学、医薬化学 [指導教員]内呂 拓実 教授 [キーワード]創薬合成化学
[テーマ例]❶γ-ヒドロキシラクタム構造を持つ天然由来生物活性物質の不斉全合成研究 ❷高歪み環状エーテル構造の新規構築法の開発研究 ❸計算科学を活用した新規酵素阻害剤の論理的分子設計と合成

生物活性物質の構造と活性の関係を追究することにより、新しい医薬品を創るための手掛かりが生まれます。本研究室では、天然由来の生物活性物質の構造を元にして、標的となる生体分子にさらに選択的かつ強力な作用を示す化合物を設計・合成し、天然物を凌ぐ優れた性質を持つ医薬品を創出する研究を行っています。これらの課題を通じて、新しい合成反応の開発にも取り組んでいます。

■後藤 研究室

[専攻]薬品物理化学 [指導教員]後藤 了 教授 [キーワード]創薬資源情報学
[テーマ例]❶アミロイド染色性色素の溶液における構造形成とこれに伴う疎水性の変動 ❷局所麻酔剤とNSAIDsの混合による共融混合物形成とその溶解性改善効果 ❸人工細胞膜リポソームを用いた薬物の生体膜透過性モデルの確立

有機化学では分子は亀の甲で表します。量子化学では原子核と電子雲の集合体です。けれども、幾何学的な図形なのだと思って構造式を見ていると、医薬品分子がまるで器械体操をしているかのようにダイナミックに動きまわる様子が見えてくるのです。その動きがあるからこそ、生物活性があり、そして医薬として治療効果があるのかもしれません。コンピュータやNMRやX線結晶解析でそんな研究に取り組んでいます。

■早川 研究室

[専攻]微生物薬品化学 [指導教員]早川 洋一 教授 [キーワード]微生物学,天然物有機化学
[テーマ例]❶微生物由来神経細胞保護物質の探索 ❷微生物由来抗がん物質の構造と作用の解明 ❸微生物による生物活性物質生合成の機構解明

微生物は抗生物質をはじめとするさまざまな生物活性物質を生産します。本研究室では、新しい医薬の開発を目指して、微生物由来の抗がん物質や神経細胞保護物質の探索研究を行っています。また、それらの構造と作用を明らかにするとともに、その生合成機構について有機化学的・分子生物学的解析を行い、遺伝子・酵素レベルでの解明を目指しています。

■早田 研究室

[専攻]分子薬理学 [指導教員]早田 匡芳 准教授 [キーワード]骨・軟骨代謝学,整形外科学
[テーマ例]❶器官形成機構の解明 ❷筋・骨格・腎疾患の病態生理学的解析 ❸疾患治療薬の作用機序の解明

私たちの研究室では,私たちの器官を構築する様々な種類の細胞の発生・分化,恒常性の維持,修復に関わる分子や細胞の基本原理を探求しています。マウス遺伝学,ゲノム編集技術,オミクス解析や再生医療的アプローチを駆使して,筋骨格系や腎臓などの器官の成り立ちを深く理解し,難治疾患の新しい治療薬や予防・治療法の開発に貢献することを目指しています。

■原田 研究室

[専攻]分子免疫学,免疫細胞学 [指導教員]原田 陽介 准教授 [キーワード]免疫創薬学
[テーマ例]❶T細胞活性化機構の解明 ❷抗体産生機構の解明 ❸アレルギー・自己免疫疾患発症機構の解明 ❹免疫記憶形成機構の解明 ❺免疫賦活・抑制分子の開発

われわれの体は病原体に出合うと抗体を産生し、病原体を排除します。一方で、自分自身無害な抗原に対して作られる抗体は、自己免疫疾患やアレルギー疾患を引き起こします。どのように体内で抗体がつくられるのかをしっかり理解することが、よりよいワクチンの開発や、これらの疾患の治療に必要となります。本研究室では抗体産生機構を細胞レベル、分子レベルで明らかにすることにより、新たな治療薬の開発を目指します。

■樋上 研究室

[専攻]分子病理学、代謝学 [指導教員]樋上 賀一 教授 [キーワード]老化生物学,肥満症
[テーマ例]❶遺伝子改変およびカロリー制限した長寿を示すマウスやラットの脂肪組織の解析 ❷脂肪細胞の分化・成熟・肥大化メカニズムの解析 ❸脂肪組織・脂肪細胞でのミトコンドリア機能

2050年、わが国では、2.5人に1人が、65歳以上のお年寄という超高齢社会になるといわれています。また、生活習慣病の発症に関連する肥満症の増加は、先進諸国において、大きな社会問題となっています。私たちは、長寿モデル動物の、特に脂肪組織の解析や脂肪細胞の分化・成熟過程やミトコンドリア機能の解析から、老化に伴って発症するさまざまな疾患の発症を予防し、健康寿命の延伸をも可能にする肥満症治療薬や代謝改善薬を開発するためのシーズを探索しています。

■宮崎 研究室

[専攻]バイオインフォマティクス、情報科学、データベース [指導教員]宮崎 智 教授 [キーワード]創薬情報科学,遺伝子構造,分子進化
[テーマ例]❶創薬情報ベースの研究開発 ❷分子情報ネットワークの解明 ❸創薬のためのゲノム情報解析手法の創造

ゲノム上の遺伝子データをはじめとする大量な生物学的データから創薬の糧となり得る新規の知識を、データベースと計算機上のシミュレーションを駆使した仮想実験から抽出することを目指しています。創薬情報科学の創造を目指す研究を行っています。これは、これまでの実験生物あるいは実験化学と協調する計算機科学の新分野を構築する試みとして注目を集めている新領域です。コンピュータ科学と創薬を融合する架け橋となると思われます。

■横山 研究室

[専攻]生物物理化学 [指導教員]横山 英志 准教授 [キーワード]構造生物学,生物物理化学
[テーマ例]❶疾患関連タンパク質の構造と機能の解明 ❷タンパク質−薬物複合体の三次元構造解明 ❸タンパク質構造に基づく機能制御化合物の設計

生体内のタンパク質は適切な構造をとることで適切な機能を示します。疾患に関連するタンパク質や創薬のターゲットとなるタンパク質の三次元構造をX線結晶構造解析により決定し、それらの機能を明らかにします。またタンパク質とその機能を制御する化合物(薬物)との複合体の構造を決定し、より効率良くタンパク質を機能制御する化合物の設計(ドラッグデザイン)を目指しています。

■和田 研究室

[専攻]有機化学 [指導教員]和田 猛 教授 [キーワード]核酸化学,糖化学,ペプチド化学
[テーマ例]❶リン原子修飾核酸の立体選択的合成と医薬への応用 ❷分子認識能を有する人工オリゴ糖の合成と医薬への応用 ❸核酸結合性人工ペプチドの合成とDDSへの応用

低分子医薬、抗体医薬につづく次世代の医薬として期待される核酸医薬を有機化学的手法により創製する研究を行っています。一方、ペプチド、糖、脂質などの生体分子に特有の高次構造や分子認識能を生かしつつ、それらの構造や性質を化学的に改変した新しい機能性分子や医薬を創製する研究も行っています。

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