Department of Information Sciences

創域理工学部 情報計算科学科

現代社会に氾濫する情報を分析し
問題解決につなげる力を養う

情報科学とは、情報の不確定さや大きさ、価値などを情報量として測り、数理表現し、分析する学問です。情報計算科学科では、基礎数学を基盤とし、情報をどのように数理的に扱うのかを対象とする「基礎数理情報」、実用上の問題への情報数理の応用を対象とする「応用数理情報」、情報を処理するシステムを対象とする「計算機科学」の3つの分野がお互いに重なり合い、各分野の知識をバランスよく身につけることができるカリキュラムを構成。自然科学・社会科学・人間科学といった各分野における実用上の問題点を解決、改善することを目指しています。

概要図
  • 情報計算科学科の特徴1

    急速な変化に対応できる
    基礎力を養成

    これからますます多様化するであろう21世紀の情報化社会。その急速な変化に素早く対応し、社会で活躍できるように、特に基礎数学、基礎数理に重点を置いた情報科学の基礎知識を十分に身につけた、柔軟性のある人材を育成します。

  • 情報計算科学科の特徴2

    豊富な演習・実験を通し、
    理解を深める

    1年次には、情報科学の習得に不可欠である数学の基礎や、語学を含めた教養を幅広く学習します。2年次には基礎数理情報・応用数理情報・計算機科学の各分野について基礎となる専門科目を学びます。また、1・2年次を通じて演習や実験を行い、理解を深めます。

  • 情報計算科学科の特徴3

    少人数による直接指導で
    専門性を磨く

    3年次には各自の進路に沿った科目を選択し、専門分野について深く学びます。後期からは研究室に所属し、少人数による直接指導も行われます。4年次にはそれぞれの自主性を重んじてテーマを決定し、卒業研究に取り組みます。また、その成果を論文として発表します。

基礎情報・資格 BASIC INFORMATION & CERTIFICATION

キャンパス 取得学位 在籍学生総数 目指せる資格
野田キャンパス 学士(理学)

497名
(男子419名/女子78名)

男子 84%/女子 16%

※2024年5月1日現在

・中学校教諭一種免許状(数学)
・高等学校教諭一種免許状(数学・情報)

カリキュラム CURRICULUM

■必修科目 ●選択必修科目 ◆選択科目

1年次 2年次 3年次 4年次
■解析学1・2及び演習
線形代数1・2及び演習
情報数学1A・1B及び演習
計算機科学入門及び演習
●物理学1・2
物理学実験A・B
化学
化学実験
◆計算機概論
■計算機科学基礎実験
計算機科学基礎演習
確率論1及び演習
情報数学2A及び演習
◆情報理論及び演習
離散数学
グラフ理論
統計学1及び演習
確率論2及び演習
プログラム言語A・B
論理数学
アルゴリズムとデータ構造
■プロジェクト実験/計算機科学応用演習
情報科学ゼミナール/情報科学コロキューム1
■情報科学コロキューム2
卒業研究
基礎情報数理分野 ◆複雑さの理論/光通信理論/幾何学
応用情報科学
情報数学 2B及び演習/計算の理論
情報データサイエンス分野 ◆統計学2及び演習/統計学3
多変量解析/生命情報学
データ解析
コンピュータサイエンス分野 ◆形式言語/オートマトン
システムプログラム
情報通信ネットワーク/機械学習
データベースシステム
コンパイラ/計算機方式論
人工知能/メディア情報処理

2024年度 学修簿 卒業所要単位表

専門
科目
基礎科目 一般教養科目 自由
科目
合計
専門基礎 基幹基礎 関連専門
基礎
自然を学ぶ
科目群
人間と
社会を学ぶ
科目群
キャリア
形成を学ぶ
科目群
外国語を
学ぶ
科目群
領域を
超えて学ぶ
科目群
63 25 30 8 126

卒業研究・
研究室紹介
GRADUATE RESEARCH AND LABORATORIES

基礎情報数理分野
情報数理は、情報技術と共に発展してきた数学の分野です。紀元前から積み上げられてきた数学のアイデアを社会の諸問題に応用するだけでなく、全く新しい数学の考え方や方法が情報科学の分野と結び付くことにより生み出されることもあります。基礎情報数理分野では、量子情報・グラフ理論・暗号理論などといった情報通信や情報セキュリティ技術の理論を学ぶことができます。
情報データサイエンス分野
情報データサイエンスは、世の中に溢れている多種多様な情報(データ)から、新たな知識と価値の創出を目的とする社会的に期待されている分野です。正しく数理に裏付けされたデータ解析法を新規開発し、公共データ・ゲノミクスデータ・医療情報データ・スポーツデータなど幅広い分野へ応用することで、科学的根拠のある新たな知見を導き出します。
コンピュータサイエンス分野
コンピュータサイエンスとは現実のさまざまな問題をコンピュータによって解決するための数理モデルの構築や技術開発を行う分野です。VR/MR/ARや音楽、音声、画像のようなメディアの処理技術や、コンピュータネットワーク、人工知能、プログラミング言語論などについて学ぶことができます。

学生の声 VOICE

3D空間の自動生成を研究中 これまでにないアート体験を

桂田研究室 4年 安藤 龍太朗
東京都・都立石神井高等学校出身

印象的な授業 情報科学演習2

※内容は取材当時のものです。

システムの不具合を防ぐためのヒントは「動物の群れの行動」

滝本研究室 4年 高瀬 朝彩
茨城県・私立茗溪学園高等学校出身

印象的な授業 情報科学実験2

※内容は取材当時のものです。

進路 CAREER

進路グラフ

2024年3月31日現在

主な就職先

  • [情報通信業]
    SCSK、エヌアイデイ、NEC通信システム、NECソリューションイノベータ、NHK、NTTコムウェア、NTTデータ、NTT東日本、オービック、スクウェア・エニックス、ソフトクリエイトホールディングス、チームラボ、電通総研、日本IBM、日立システムズ、BIPROGY、富士ソフト、富士通、三菱UFJインフォメーションテクノロジー、ヤフー、楽天グループ

  • [サービス業]
    アクセンチュア、アルトナー、野村総合研究所、フューチャー

  • [機械器具]
    Apple Japan、NEC、キーエンス、日立製作所、日野自動車、三菱電機、理想科学工業

2021年3月~2023年3月卒業生

 

明石 研究室

[専攻]情報数学 [指導教員]明石 重男 教授 [キーワード]計算機数学,Hilbertの第13問題,データ圧縮理論
[テーマ例]❶Hilbertの第13問題とデータ圧縮問題 ❷ネットワーク犯罪とその対策 ❸計算機ネットワークブレイン

ネットワークが日常生活で重要な役割を占めている今日、サイバー犯罪の多様化、多発化が問題となっています。しかし、その対策に数学が重要な役割を果たしていることはあまり知られていません。本研究室では、ネットワーク構築技術及びサイバー犯罪に対する計算機科学と数学を組み合わせた研究を行っています。

入山 研究室

[専攻]量子ネットワーク [指導教員]入山 聖史 准教授 [キーワード]量子アルゴリズム,暗号理論
[テーマ例]❶現在知られている難しい問題に対する量子アルゴリズムを提案する ❷量子計算理論における計算の複雑さについて研究する ❸非可換代数を原理とした暗号理論の数学的性質や実装について研究する

近年、量子情報の数学的整備やそれを基にした実験が盛んに行われ、情報通信分野などでわれわれの生活にも大きな恩恵がもたらされるようになってきています。本研究室では、量子力学を原理とした計算の数理モデルである、量子アルゴリズムの数学的定式化や計算の複雑さについての研究を行っています。また、非可換代数を原理とした新しい暗号理論について、理論的研究と実験を行っています。

大村 研究室

[専攻]認知科学,人工知能 [指導教員]大村 英史 講師 [キーワード]音楽情報科学,知的エージェント
[テーマ例]❶音楽生成システムの開発 ❷計算論的音楽理論 ❸社会適応エージェントの設計

本研究室では、人間の創造的な活動に焦点を当てた研究を、音楽を中心に行っています。音楽は作り手から聴き手への伝達される情報です。音楽は音の時間的な並びであって、具体的な情報の伝達はできません。しかし、私たち人間は音楽を創造し聴取し、生活の中で利用して楽しんできました。本研究室では、音楽をなぜ楽しめるのか、どのようにして作れるのかについて情報科学の視点から音楽研究を行っています。

桂田 研究室

[専攻]マルチモーダル情報処理、人工知能 [指導教員]桂田 浩一 准教授 [キーワード]音声情報処理,顔画像処理,対話システム
[テーマ例]❶音声合成・認識システムの構築 ❷顔画像処理システムの構築 ❸対話システムの構築

近年、人間と対話のできるロボットが実用化されつつあります。本研究室が取り組むマルチモーダル情報処理はこうしたロボットとの対話に必要不可欠な技術の一つです。マルチモーダルとは、音声や表情といった多様な知覚情報を用いることを指し、これを用いた対話を「マルチモーダル対話」と呼びます。人間同士の対話は、相手の表情を見ながら対話を進める「マルチモーダル対話」であることから、この技術をロボットに組み込むことによって、より自然な対話を実現できます。本研究室では音声の合成・認識技術、顔画像処理と読唇技術、対話システムの構築といった、マルチモーダル対話や人工知能に必要なさまざまな技術の開発を進めています。

佐藤 研究室

[専攻]生命情報学 [指導教員]佐藤 圭子 准教授 [キーワード]生命現象への情報論的アプローチ
[テーマ例]❶配列間のアライメントアルゴリズム及び遺伝的差異の研究 ❷インフルエンザA型ウイルスヘマグルチニンの配列変化予測 ❸遺伝子の発現および変異パターンによる癌疾患の予後因子の特定

生命情報学とは、情報論的手法を使って生命現象を解明する研究分野です。本研究室では、生命現象解明の基礎となる遺伝子やDNAに刻まれた情報のありさまを、情報量や符号といった情報理論の基本概念を通して調べます。そして、現在観察できる生命の存在形態、生命(体)の情報の伝達と処理の仕方、生命の変化の力学などを表現する生命特有の数理を考えます。また、さまざまな癌での難治性癌を早期に見極め、分子標的治療の開発に向けての基盤を形成するため、大量な遺伝子の発現や変異パターンと疾患の転帰との関係を調査します。

滝本 研究室

[専攻]プログラミング科学 [指導教員]滝本 宗宏 教授 [キーワード]プログラミング言語,群知能,ユーザインタフェース
[テーマ例]❶GPU向けコード最適化 ❷ARを用いたユーザインタフェース ❸階層型移動エージェントを用いた群ロボット制御

本研究室では、いろいろなコンピュータシステムを、より分かりやすく効率的に記述できる言語や、その処理系、あるいは、プログラミングモデルを研究しています。例えば、新しいプログラミング法に基づくプログラミング言語を設計したり、翻訳の際に同時に実行できる部分や高速化できる部分を見つけて並列化や最適化を行う言語処理系を開発したりしています。また、移動エージェントという、ネットワークを自律的に移動するプログラムユニットを用いて、たくさんのロボットを効率的に制御する研究も行っています。その他にも、プロジェクタによってスクリーンに投影されたデスクトップを、影を使って操作する技術や、現実の世界にCGを融合させる技術を使った視覚的プログラミング法を開発したりしています。

田畑 研究室

[専攻]応用確率統計学 [指導教員]田畑 耕治 准教授 [キーワード]カテゴリカルデータ解析
[テーマ例]❶確率モデルのパラメータ推定法に関する研究 ❷カテゴリカルデータ解析とその応用 ❸確率構造のモデリングとその分解

これからの社会で活躍するために、今や確率・統計の知識は必要不可欠といっても過言ではないと思います。なぜならテレビ、書籍、インターネットなどから入ってくる非常に多くの情報(要約されたデータ)が、信用するに足るかどうかを自分の力で判断しなければならないからです。本研究室では確率・統計の数学的理論の研究を通じて、正しくデータと付き合うための力(応用力)を養います。

富澤 研究室

[専攻]数理統計学 [指導教員]富澤 貞男 教授 [キーワード]分割表解析,多変量解析
[テーマ例]❶分割表統計解析とその応用(例えば血液型と職業の関連性) ❷多変量統計解析とその応用(例えば飲食店における売り上げ分析) ❸スポーツの統計解析(例えばプロ野球、サッカー、相撲など)

「39度の高熱のある幼稚園児50人に薬Aを飲ませたら翌日全員が平熱になった」。薬Aは効果があると言えるでしょうか。われわれは毎日のように、数字を新聞TV等で目にしていますが、表面的な数字から間違った判断をする場合がかなりあります。本研究室では、世の中に潜んでいる数字のトリックを見抜くためにも重要な数理統計学を研究しています。なお、研究室の特色として、医薬統計学に関心のある大学院生が多く、新薬開発における臨床試験統計家を目指し、製薬系に就職する者が毎年います。

野口 研究室

[専攻]数学 [指導教員]野口 健太 講師 [キーワード]グラフ理論
[テーマ例]❶地図の彩色問題 ❷ハミルトン閉路とアルゴリズム ❸グラフの閉曲面への埋め込み

グラフ理論とは、点と線からなるネットワーク構造を考える理論です。与えられた図形が一筆書きできるか、チェス盤の各マスをちょうど一回ずつ通るようなナイトの動きは存在するか、アメリカのすべての州を巡るのに最短の時間はどのくらいか、などの問題を理論的な側面から考える研究を行っています。

松澤 研究室

[専攻]ネットワーク工学 [指導教員]松澤 智史 講師 [キーワード]インターネットアーキテクチャ及びその応用
[テーマ例]❶インターネットルーティングや各種通信プロトコルの開発 ❷モバイルアドホックネットワークとその応用 ❸ニューラルネットワークとその応用

当研究室では社会インフラであるインターネットの基盤・応用技術をはじめ、ネットワークに接続している計算機などを利用した技術・サービス、及びそのセキュリティ技術などの研究を行っています。また、複雑ネットワークや脳神経ネットワークを模したニューラルネットワークを用いた研究なども行っています。

宮本 研究室

[専攻]離散数学(組合せ論) [指導教員]宮本 暢子 教授 [キーワード]組合せデザイン,符号・暗号の数理
[テーマ例]❶組合せデザインの構成とその応用 ❷光直交符号の構成 ❸有限幾何の組合せ構造の研究

「6人で3コートを使ってテニスを行い、5日間でどの2人も対戦できるように組み合わせを考えなさい」というような問題は、離散数学の分野で組合せデザインと呼ばれます。このような離散数理構造を数学的道具を用いて構成し、少ない実験回数で隔たりのない情報を得るという統計的実験計画法に用いています。最近では、携帯電話に使われているCDMAなどの情報通信における符号理論や暗号の理論などへのさまざまな新しい応用に取り組んでいます。

渡邉 研究室

[専攻]応用情報理論 [指導教員]渡邉 昇 教授 [キーワード]量子情報通信理論,量子コンピュータ
[テーマ例]❶量子情報通信理論の研究 ❷量子コンピュータの量子論理ゲートの研究 ❸量子系の力学的エントロピーの研究

古典系における通信理論は1948年ごろシャノンによってエントロピー論として始められ、その後コロモゴロフ等によって数学的体系として完成されています。これらの通信理論では電流や電波を信号に用いますが、近年、レーザー光を信号に用いる技術が開発され、さまざまな通信系で使用されています。光が最も基本的な素粒子であるので、量子光信号は量子系で取り扱うことが本来必要であり、量子テレポーテーションを含む量子通信過程の厳密な記述には、量子情報通信理論の定式化が必要です。本研究室では、函数解析学を用いた量子系のエントロピー理論をベースとした量子情報通信理論の定式化を目指す研究を行い、量子コンピュータの量子論理ゲートの数理的定式の研究にも取り組んでいます。

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