Department of Mathematics

理学部第一部 数学科

「生きた学問」数学を通し、
新しいものを生み出す

数学は紀元前から存在している歴史の長い学問です。しかし、その研究対象は整数のように初めから伝わるものばかりではなく、時代と共に新しいものも現れています。数学はまるで生きているように、新しいもの、意外なものを生み出せる興味深い学問といえるでしょう。数学科は伝統的に数多くの教員を社会に送り出してきており、教員志向の学生の要望に応える教員養成カリキュラムを提供しています。最近では、急成長を遂げるコンピュータ関連産業や情報産業のニーズにも応じ、実業界において臨機応変に活躍できるように、その教育内容をより一層充実させています。

概要図
  • 数学科の特徴1

    段階的に成長できる
    カリキュラム

    1年次は基礎固めとして微分積分学・線形代数・論理と集合・幾何学基礎などの科目を履修。2年次には解析学・代数学・幾何学・数理統計学・位相の科目を学びます。基礎をしっかりと身につけてから3年次以降の科目に進む、充実したカリキュラムを構築しています。

  • 数学科の特徴2

    豊富な専門科目と
    IT関係の専門選択科目

    企業への就職・数学の研究者・数学科教員等を目指す学生が、自身に必要な数学的素養を身につけられるように、3年次以降には高度な数学に触れられる専門科目を豊富に提供。また、情報産業へ進む学生に向けたIT関係の専門選択科目も数多く開講しています。

  • 数学科の特徴3

    教員養成の
    確かな実績

    中学校・高等学校の教員養成に関して輝かしい伝統をもつ本学科では、教員希望者に対して、取得可能な3つの免許状を取得することを勧めています。また、教職科目の一部を専門選択科目として開講し、多くの教職科目を履修しなければならない学生の負担軽減を図っています。

基礎情報・資格 BASIC INFORMATION & CERTIFICATION

キャンパス 取得学位 在籍学生総数 目指せる資格
神楽坂キャンパス 学士(理学)

471名
(男⼦387名/⼥⼦84名)

2020年5月1日現在

・中学校教諭1種免許状(数学)
・高等学校教諭1種免許状(数学・情報)
・測量士/測量士補

カリキュラム CURRICULUM

■必修科目 ●選択必修科目 ◆選択科目

1年次 2年次 3年次 4年次
■コンピュータ入門1・2
●物理学1・2/化学1・2/生物学1・2
◆コンピュータ概論1・2 ■数学研究1・2
◆計算数学1・2/プログラミング1・2/情報システム概論/マルチメディア論/情報数学特別講義/ネットワーク概論
■卒業研究
●数学特別講義1~8
◆数式・図形・画像処理
代数学分野 ■線形代数学1・2 ■代数学1・2 ●体とガロワ理論1・2/環と加群1・2 ●代数学3・4
幾何学分野 ■論理と集合/幾何学基礎 ■幾何学1・2/位相1
●位相2
●微分幾何学1・2 ●幾何学3・4/幾何学特論1・2
解析学分野 ■解析学の基礎/1変数の微分積分/多変数の微分積分 ■解析学1・2 ●積分論/関数解析/関数論/微分方程式論 ●解析学3・4
確率論・統計学分野 ■数理統計学1・2 ●確率論1・2
数学教育分野 ◆数学科教育論1・2/教育数学

2020年度 学修簿 卒業所要単位表

専門
科目
基礎科目 一般教養科目 自由
科目
合計
専門基礎 基幹基礎 関連専門
基礎
自然を学ぶ
科目群
人間と
社会を学ぶ
科目群
キャリア
形成を学ぶ
科目群
外国語を
学ぶ
科目群
領域を
超えて学ぶ
科目群
54 38 28 ※1 ※2 4 124

※1.初習外国語系科目のA外国語4単位(選択必修)を含む。

※2.「一般教養科目」の選択科目は4単位以上を3、4年次に履修することが望ましい。
(3、4年次での履修推奨科目は一般教養科目授業科目表を参照すること。)

卒業研究・
研究室紹介
GRADUATE RESEARCH AND LABORATORIES

代数学分野
代数学は数の研究に起源をもち、演算をもった集合の研究に抽象化され発展しました。代数学に基礎を置く研究分野として、群論、環論、整理論などがあり、様々な分野と影響しあいながら、現在も発展を続けています。
幾何学分野
幾何学はある変換族によって不変な図形の性質を調べるクラインの幾何に始まり、その後、一般相対性理論と融合してリーマン幾何学、ローレンツ幾何学、さらにシンプレクティック幾何学に発展しました。
解析学分野
解析学はアルキメデスにその片りんが見られますが、17世紀の微分積分学の誕生以来本格的に発展しました。現在では微分積分を普通の関数よりも広い対象にまで拡張して、さまざまな問題の解決に取り組んでいます。
確率論・統計学分野
一見無秩序な現象でも、何度も起こると規則性が現れることがあり、これは調査や予測に生かせます。またブラウン運動のように無秩序な力が絶えず加わる運動は、方程式から法則性を解明できます。
数学教育分野
小・中・高校で算数・数学を学んできました。それらの内容や指導法、さらに評価の仕方などの数学科カリキュラムについて、その歴史的な変遷や現状を考察し、これからの数学教育の在り方を探究します。

学生の声 VOICE

研究の対象は「曲がったもの」
他分野とも密接に結びつく微分幾何学

小池研究室 4年 藤原 尚俊
山梨県・県立都留高等学校出身

印象的な授業 幾何学1

※内容は取材当時のものです。

学生の声

生徒が自分で数学の必要性に気付く
そんな授業を展開するのが目標

清水研究室 4年 重久 結
埼玉県・私立西武学園文理高等学校出身

印象的な授業 位相1

※内容は取材当時のものです。

学生の声

進路 CAREER

進路グラフ

2021年3月31日現在

主な就職先

  • [情報通信業]
    SCSK、NEC通信システム、NECソリューションイノベータ、NTTドコモ、NTTデータ、NTT東日本、講談社、数研出版、大和総研、TIS、日鉄ソリューションズ、日本総合研究所、日本ユニシス、野村総合研究所、日立ソリューションズ・クリエイト、富士ソフト、みずほ情報総研

  • [教育・学習支援業]
    東京都公立高等学校、神奈川県公立高等学校、埼玉県公立高等学校、千葉県公立高等学校、埼玉県公立中学校、東京都公立中学校、私立中学校・高等学校

  • [金融・保険業]
    日本生命保険、みずほ証券、三菱UFJ銀行、りそな銀行

2018年3月~2020年3月卒業生

PICK UP

  • 理学部第一部数学科紹介

  • 研究室紹介_横田研

研究の対象は「曲がったもの」
他分野とも密接に結びつく微分幾何学

小池研究室 4年 藤原 尚俊
山梨県・県立都留高等学校出身

「図形」を対象として、空間の曲がり具合などを研究する微分幾何学。「平均曲率流」と呼ばれる曲率に沿って図形を変形させる際に、さまざまな幾何学的な量がどのように変化するのか、どんな性質を持っているのかなどを解析しています。幾何学と解析学が密接に結びついている難解な分野だからこそ、理解できた時は大きな喜びがあります。微分幾何学の研究成果は、界面現象や相転移など、物理や化学の領域にも関連しています。

学生の声
印象的な授業は?

幾何学1

「曲がったもの」を扱う微分幾何学。前期の「1」では曲線論を中心に学びます。微積分や線形代数の知識を用いて曲率を定義するなど、1年次で得た知識が2年次の授業で生きることに面白さを感じました。「復習」が習慣化できたと思います。

2年次の時間割(前期)って?
1 代数学1
(演習)
2 幾何学1 解析学1 代数学1 コンピュータ
概論2
幾何学1
(演習)
3 位相1 解析学1
(演習)
位相1
(演習)
数理統計学1
4 数理統計学1
(演習)
Aドイツ語
1a
Aドイツ語
2a
5 Bフランス語
2a
Bフランス語
1a
6

語学が好きなのでフランス語とドイツ語を履修。4、5限目に連続していたため予習に力を入れて臨みました。単語の綴りに共通点が見られるなど、言語の新たな魅力に迫れた気がします。

※内容は取材当時のものです。

生徒が自分で数学の必要性に気付く
そんな授業を展開するのが目標

清水研究室 4年 重久 結
埼玉県・私立西武学園文理高等学校出身

一般企業に就職して視野を広げた上で、数学教師になりたいと考えています。清水研究室では、全員で「はじめての数論」を輪読中。そこで生まれるディスカッションや研究室で学んだICTの活用法は、教師になった時にぜひ生かしたいと思っています。教育実習の場で改めて感じたのは、「生徒たちが自ら数学の必要性に気付く」ことの大切さ。今の時代に即した数学教育のかたちを追い求めていきます。

学生の声
印象的な授業は?

位相1

さまざまな科目の知識が必要とされ、それまでの大学の学びが凝縮されている授業だと感じました。山川大亮先生の丁寧な講義と整理された図などによって、「難しいことを難しく感じさせない」工夫が凝らされた内容でした。

2年次の時間割(前期)って?
1 学習・発達論 数理統計学1 位相1
(演習)
B英語1a
2 代数学1
(演習)
代数学1 解析学1 コンピュータ
概論1
数理統計学1
(演習)
3 幾何学1 B英語2a 解析学1
(演習)
幾何学1
(演習)
4 位相1 情報社会及び
情報倫理1
教育学序説
5 Bドイツ語4a
6

例えば「代数学」を私がレクチャーして、「解析学」は友人から教わる。それぞれの得意分野や身に付けたい内容を共有することで、レベルが上がっていく授業への理解を深めていきました。

※内容は取材当時のものです。

太田 研究室

[専攻]解析学 [指導教員]太田 雅人 教授 [キーワード]非線形偏微分方程式論
[テーマ例]❶非線形シュレディンガー方程式の数学解析 ❷孤立波解の安定性解析 ❸非線形波動方程式の解の爆発問題

非線形波動現象に関連する非線形偏微分方程式、特に、非線形シュレディンガー方程式や非線形クライン・ゴルドン方程式の孤立波解の安定性および不安定性を、関数解析、変分法、スペクトル理論などを用いて研究しています。

加藤 研究室

[専攻]解析学 [指導教員]加藤 圭一 教授 [キーワード]偏微分方程式,数理物理学
[テーマ例]❶偏微分方程式の解をどのように構成するか ❷偏微分方程式の解の性質を調べること ❸物理現象を記述する偏微分方程式の数学的研究

高校で習う質点の力学(ニュートン力学)は、変数が1つの微分方程式で表されますが、電磁波を扱う電磁気学、水の波などを扱う流体力学、ミクロな現象を記述する量子力学はすべて変数が2つ以上ある微分方程式(偏微分方程式)で表されます。偏微分方程式を数学的に研究することが本研究室の目的です。

金子 研究室

[専攻]確率論 [指導教員]金子 宏 教授 [キーワード]確率過程論
[テーマ例]❶確率過程論 ❷ポテンシャル論

ディリクレ空間が持つ意味も範囲が広くなり、総合的な確率過程論という形態になってきています。ディリクレ空間は対称性を利用してつくり出せ、幾何学、複素解析学、フラクタルに応用できるのが利点です。ディリクレ形式の適用範囲も広くなり、総合的に確率過程論を推進するための理論になっています。

木田 研究室

[専攻]代数学 [指導教員]木田 雅成 教授 [キーワード]整数論
[テーマ例]❶代数体の整数論 ❷代数方程式のガロア理論

整数の性質や方程式の整数解などを研究するのが整数論です。問題自体を理解するのはやさしいけれども、それを解決するためにはしばしば非常に深く高度な理論が必要になる、とても面白い分野です。整数論にもいろいろありますが、本研究室では主に代数的整数論を研究しています。多項式の根になっているような数を代数学、幾何学、解析学などさまざまな手法を使って研究するのが代数的整数論です。最近はガロア群の同質類に基づいた代数体の分類を研究しています。

㓛刀 研究室

[専攻]代数学 [指導教員]㓛刀 直子 教授 [キーワード]有限群のモジュラー表現論
[テーマ例]❶有限群のブロックの理論 ❷森田同値、導来同値 ❸パーフェクト・アイソメトリー

群とは基本的な代数系の一つです。群の表現論とは、与えられた群の要素を逆行列を持つ行列に表す写像の性質を研究する分野です。本研究室では、有限群のモジュラー表現論における可換不足群予想と呼ばれる予想を中心に研究しています。

小池 研究室

[専攻]幾何学 [指導教員]小池 直之 教授 [キーワード]微分幾何学, 幾何解析
[テーマ例]❶擬リーマン部分多様体とリー群作用 ❷平均曲率流とリッチ流 ❸無限次元部分多様体論とゲージ理論

本研究室では、一般相対性理論と関係のある微分幾何学を研究しています。一般相対性理論において、時空として取り扱われるローレンツ多様体の一般概念である擬リーマン多様体という空間内の擬リーマン部分多様体という図形を主に研究しています。この図形の研究には平均曲率流やリッチ流という図形や計量の時間発展も用いられます。また、物理学におけるゲージ理論と関係のある無限次元部分多様体論の研究も行っています。

眞田 研究室

[専攻]代数学 [指導教員]眞田 克典 教授 [キーワード]環論
[テーマ例]❶多元環のホッホシルトコホモロジー ❷多元環の表現

整数、有理数、実数などの普通の数と異なり、大学1年で学ぶ行列は、それら同士の積が一般に交換可能でない、すなわち非可換という特徴があります。n次行列全体は和と積が定義される集合ですが、非可換な環の代表例です。本研究室では、さまざまな非可換環の研究をホモロジー代数的手法で行っています。特に、2つの環がどの程度似た性質を持っているかを調べる道具としてのホッホシルトコホモロジーは重要な研究対象であり、また具体的に計算ができるという意味で大変面白いものです。

清水 研究室

[専攻]数学教育、情報教育 [指導教員]清水 克彦 教授 [キーワード]数学教育, 情報教育, 教育工学
[テーマ例]❶数学科におけるコンピュータの活用 ❷高等学校普通教科「情報」の教材開発 ❸e-LearningやICTを活用した教育方法の研究

本研究室では、数学科・情報科の教員を目指す学生・院生を指導しています。教員(公私立)ならびに教育関連産業で数学や情報関係の教育に携わるために必要な知識や技能を身に付けた学生を養成することを目指しています。また、教育においてコンピュータを活用できる技能の指導も行っています。

田中 研究室

[専攻]解析学 [指導教員]田中 視英子 講師 [キーワード]変分法
[テーマ例]❶非線形楕円型偏微分方程式の解の存在と非存在 ❷楕円型作用素に関する非線形固有値問題

変分原理として知られるFermatの原理(光は最短経路を進む)やディリクレ原理、また、測地線、最短降下線などさまざまな所に変分問題が現れることが知られています。これらの問題は、関数を定義域に持つ実数値関数(汎関数)の最小値をとる解(関数)を求めることによって解くことができます。本研究室では、汎関数の極値を調べて微分方程式の解の存在を示すことを行っています。汎関数のグラフの形状を調べることが大事になってきますので、位相的な手法も関連する研究分野となっています。

山川 研究室

[専攻]幾何学 [指導教員]山川 大亮 講師 [キーワード]複素幾何学
[テーマ例]❶有理型接続のモジュライ空間 ❷野性的指標多様体 ❸モノドロミー保存変形

現代数学では、図形や方程式、関数といった数学的対象を、それ自身ある高次元の図形(モジュライ空間)の中の点と捉えることがあります。これによって、考えている対象の変形を、モジュライ空間内の点の移動として扱うことができます。本研究室では、特にコンパクトリーマン面上の有理型接続のモノドロミー保存変形を、モジュライ空間の複素シンプレクティック構造を用いて研究しています。

横田 研究室

[専攻]解析学 [指導教員]横田 智巳 教授 [キーワード]微分方程式
[テーマ例]❶微分方程式の解の存在定理の開発 ❷走化性細胞性粘菌のライフサイクルを記述する微分方程式の研究 ❸癌浸潤現象を記述する微分方程式の研究

導関数を含む方程式は微分方程式と呼ばれ、さまざまな現象を記述できます。本研究室では、解を具体的に表示することが困難な微分方程式について、方程式の形から解の存在や性質に関する予想を立てて研究しています。例えば、時刻を変数とする関数の微分方程式は、時間の経過に伴うある量の変化を記述しています。そのような方程式に対して、時間が十分経過したときの解の様子を調べることにより、未来の状況が解明できることになります。