総合研究院 RESEARCH
MESSAGE 院長挨拶
総合研究院は、1981年設立の総合研究所を前身とし、総合研究機構を経て2015年に設立された研究推進機構の下に位置する横断的研究組織です。大学の3つの柱である教育、研究と社会貢献は相乗的な関係にあり、総合研究院で実施されている多くの先端的な融合研究は、俯瞰的視野を持つ学生の育成や社会価値の創造に大きな役割を果たしています。
2024年4月現在、総合研究院では5研究センター、1共同利用・共同研究拠点、2研究拠点、18研究部門、1共創プロジェクトが活動しています。各活動では、学問分野の基礎についての徹底した理解を踏まえた上で、分野間の実質的連携を追求し、学内外、国内外の壁を取り払って積極的な研究を実施しています。特に、環境問題やエネルギー問題を意識した研究を、国際連合が2015年にSDGs(持続可能な開発目標)を定める以前から推進しています。
2021年度以降に始動し、現在活動している4つの研究センター、2つの研究拠点、1つの共創プロジェクトを以下に紹介いたします。
「ウォーターフロンティア研究センター」は、2016年文部科学省ブランディング事業により設立された「ウォーターフロンティアサイエンス&テクノロジー研究センター(WFST)」の後継組織で2021年度発に発足しました。物質表面における水の振る舞い「水界面」に関する最先端研究の推進と、産業界が抱える課題を共に考え、ソリューションを提供するワンストップサービスを実施する研究拠点を形成しています。
「スペースシステム創造研究センター」は、「光触媒国際研究センター(2013年設置)」と「スペース・コロニー研究センター(2017年設置)」を発展改組して2021年度に発足し、国際的に活躍できる次世代宇宙科学技術者の人的基盤の裾野拡大と構築、光触媒を基軸として「地上⇔宇宙の好循環サイクルの形成」を行う水・空気・食糧・エネルギーなど宇宙居住で必要となる技術の開発、極限的な閉鎖環境において人間が長期間滞在するために必要な技術の研究開発、未来のスペースプレーンの実現に必要な科学技術や商業宇宙輸送の法制化等のシステムインテグレーションの研究開発を行っています。
「創薬研究開発センター」は2022年度まで活動していた「実践的有機合成を基盤としたケミカルバイオロジー研究部門」の研究を、分子生物学領域の研究者との連携で発展させる目的で2023年度に発足しました。独創的な有機合成技術で開発された東京理科大学発の新規物質を軸に創薬研究を展開し、医薬品の創出を目指しています。
「核酸医薬研究センター」は2023年度まで活動していた「核酸創薬研究部門」の研究成果をさらに大きく展開するために2024年度に発足しました。核酸医薬の実用化に向け、新規化学修飾型核酸合成法の確立、核酸医薬を安定化する人工分子の開発や、DDS、製剤化手法の確立を通じ、新たな標的疾患に対する核酸医薬創出を目指しています。
「カーボンバリュー研究拠点」は、本学の教員のサイエンステクノロジーを駆使し、外部機関との連携・共同研究により、人工光合成などのカーボンニュートラルに寄与する本質的な要素科学技術を開発する目的で2022年1月発足しました。グリーン水素製造や二酸化炭素を炭素源として用いた有用物質合成のサイエンスとテクノロジーの研究に取り組むことにより、カーボンバリュー科学技術を開発しています。
「マルチハザード都市防災研究拠点」は、本学が強みを有している「様々なハザードに関する防災研究者」及び「防災研究者とデータサイエンス研究者の融合」という2つの横串型連携により、時間的・空間的にハザードが連鎖的に発生し、被害が拡大するマルチハザードに対応した新たな都市防災学を創出・実践し、持続可能でダイバーシティに配慮して誰一人取り残さない安全・安心な社会の構築を目指しています。
「共創プロジェクト」は、本学の教員と企業による共同研究の成果や知見を学内外に発信することにより、新たな価値の創造に寄与することを目的とし、企業等の中期的な研究開発戦略にあった確実な研究成果が期待できる「知の共創」と呼ぶべき研究活動です。2022年度には、新しい共創プロジェクトとして、「みどりの機能建材研究開発プラットホーム」が清水建設株式会社との共同で始動しました。本プロジェクトでは、環境配慮建築の社会実装に向けた研究開発を推進しています。
総合研究院では、研究センター、研究拠点や研究部門間の壁を越えて連携し研究することで、教員人事の流動性・機動性の強化と社会との繋がりの強化を実現し、活力と求心力に富んだ魅力溢れる研究環境を生かして、次世代の社会を担う創造性豊かで多様性に富んだ多くの優れた人材を輩出するとともに、国際的な分野融合研究のハブとなることを目指しています。そして、東京理科大学ならではの新しい学問の流れと可視化できる研究成果を創出します。
研究センター
共同利用・共同研究拠点
研究拠点
- マルチハザード都市防災研究拠点
研究部門
- 共創型デザインイノベーション研究部門
- サステナブル技術社会実装研究部門
- 先端的代数学融合研究部門
- デジタルトランスフォーメーション研究部門
- 老化生物学研究部門
共創プロジェクト
- みどりの機能建材 研究開発プラットフォーム
2024年4月1日現在
お問い合わせ先
総合研究院 事務局:研究推進部 野田研究推進課
〒278-8510 千葉県野田市山崎2641
TEL.04-7122-9151(平日8:30~17:00)/04-7124-1501(代)
FAX.04-7123-9763
Email. rist-jimukyoku(アットマーク)admin.tus.ac.jp
火災安全科学研究拠点
「火災安全科学研究拠点」は、文部科学省より共同利用・共同研究拠点として認定され、学内外の研究者と協力し実施する共同研究を行っております。
本拠点では、東京理科大学における火災安全に関する研究・教育を推進するとともに、全国の大学等との共同研究及び共同利用に供し、我が国の火災安全研究・教育、次世代を担う学生・研究者の科学教育・研究の推進に寄与することを目的としております。
国内の知を集約させる役割を本拠点で担うことで、効率的かつ効果的な成果が期待されると同時に、多分野横断型の火災科学"理論"と大型実験施設による"実践"的対応を中心とした研究が実施され、火災被害損失の低減に大きく寄与することが期待されます。
本拠点では主には、都市化に伴う新空間(超高層、地下)および工業化・省エネルギー化に伴う新材料(主にアルミ、プラスチック等)の利用に伴って増大する火災の潜在リスクの抑制に資することを目的として研究を行っております。
共同利用・共同研究の公募について
公募要領は下記のHPをご覧ください。
共創プロジェクト
東京理科大学は、2021年4月1日付けで本学 研究推進機構 総合研究院に「共創プロジェクト」を創設しました。
「共創プロジェクト」は、企業等と本学との共同研究のうち、社会課題解決に貢献することを目指した、予算規模が年間2,500万円以上、契約期間3年以上の研究プロジェクトを対象としています。当プロジェクトは、ここでの研究成果や知見を国内外に発信することにより、新たな価値の創造に寄与することを目的としており、企業等の中期的な研究開発戦略にあった確実な研究成果が期待できる「知の共創」と呼ぶべき研究活動と位置付けています。
本学との社会課題の解決のための共同研究は、研究プロジェクト名称に企業名を冠することができるため、企業の積極的社会貢献というイメージアップに繋がります。また、本学の学生への企業PR効果が生まれ、優秀な学生のリクルートが期待できます。
さらに、企業と本学の人材交流を深め、本学のリソース、研究シーズ、教員同士の横のつながりをフル活用することで、大きな成果の期待できる共同研究が、従来にも増して、柔軟かつ迅速に遂行されます。