ニュース&イベント NEWS & EVENTS

2023.09.14 Thu UP

アメリカ化学会『Inorganic Chemistry』誌のSupplementary Cover Artに、本学教員・修了生の学術論文が選出

アメリカ化学会『Inorganic Chemistry』誌のSupplementary Cover Artに、本学教員・修了生の学術論文が選出されました。

選出者名
薬学研究科 薬科学専攻 廣瀬 真澄 (2019年度修士課程修了)
薬学研究科 薬科学専攻 横井 健汰 (2021年度博士後期課程修了)
薬学部 生命創薬科学科 助教 田中 智博 (現在岡山大院医歯薬学総合研)
薬学部 生命創薬科学科 教授 青木 伸
研究推進機構 生命医科学研究所 助教 Chandrasekar Balachandran
論文タイトル
Design and Synthesis of Poly(2,2’-bipyridyl) Ligands as Anticancer Agents: Control of Anticancer Activity upon Complexation/Decomplexation with Biorelevant Metal Cations
掲載論文
Design and Synthesis of Poly(2,2’-bipyridyl) Ligands as Anticancer Agents: Control of Anticancer Activity upon Complexation/Decomplexation with Biorelevant Metal Cations
内容
Chelation therapy(キレ―ション療法)は、がん細胞内の金属イオンに対する配位子を用いて細胞死を誘導するがん治療法の一つです。しかし、金属イオン配位子にはその機能に由来する毒性が伴うため、その抗がん活性を維持しつつ毒性を低下することが求められます。
本学薬学部生命創薬科学科の青木教授らは、金属イオンに対する二座配位子としてよく知られている2,2’-dipyridyl(bpy)の単量体(mono(bpy))、二量体(bis(bpy))、三量体(tris(bpy))を設計・合成し、bis(bpy)とtris(bpy)ががん細胞選択的に強力な細胞死誘導活性を有することを発見し、その細胞死がプログラム細胞死の一つであるapoptosisであることを確認しました。そして、それらの配位子が生体内に存在する金属イオンと錯体を生成すると抗がん活性が低下し(抗がん活性OFF)、錯体が時間とともに分解して配位子が遊離すると抗がん活性が回復する(抗がん活性ON)ことを見出しました。そのことから、配位子の抗がん活性を、その金属錯体の速度論的安定性によって制御できることを報告しました。
『Inorganic Chemistry』(アメリカ化学会)のSupplementary Cover Graphicに選定されたのは、上記の研究内容が評価されたためです。また、本研究成果は名古屋市立大学大学院薬学研究科の久松洋介博士、名古屋大学大学院理学研究科の山田泰之博士らとの共同研究によって得られたものです。
受賞日
2023年9月11日

関連リンク
Inorganic Chemistry

青木研究室
研究室のページ
青木教授のページ

松島研究室
C Balachandran助教のページ

当サイトでは、利用者動向の調査及び運用改善に役立てるためにCookieを使用しています。当ウェブサイト利用者は、Cookieの使用に許可を与えたものとみなします。詳細は、「プライバシーポリシー」をご確認ください。