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2025.10.23 Thu UP

革新的無線通信技術に関する横断型研究会 MIKA2025において本学大学院生及び学生らが最優秀ポスター賞(若手部門)、ポスター賞(若手部門)、スポンサー賞を受賞

革新的無線通信技術に関する横断型研究会 MIKA2025において本学大学院生及び学生らが最優秀ポスター賞(若手部門)、ポスター賞(若手部門)、スポンサー賞を受賞しました。

<MIKA2025最優秀ポスター賞(若手部門)>

受賞者
工学部 電気工学科 学部4年 福江 幸太郎
指導教員
工学部 電気工学科 准教授 丸田 一輝
受賞題目
LTE/WLAN共存環境における機械学習を用いた干渉推定によるBAA選択適用効果
内容
無線通信の需要が急増する中で、特にマイクロ波帯では利用できる周波数が不足しています。その解決策として、異なる無線システム同士が干渉を抑えつつ同じ周波数帯を使う「周波数共用」が注目されています。本研究では、その際に有効な干渉抑圧技術として、参照信号を使わずに受信信号の統計的特性から重みを導き出すブラインドアダプティブアレー(BAA)に着目しました。ただし、最適なBAAの選択には干渉レベルの事前推定が必要です。そこで本研究では、受信信号から得られるスペクトログラム画像を畳み込みニューラルネットワーク(CNN)に学習させ、干渉レベルを推定する仕組みを構築しました。さらに、その推定結果に基づいてBAAを適用し、干渉抑圧効果を確認しました。
受賞日
2025年10月1日
受賞者
工学研究科 電気工学専攻 修士課程1年 小島 大
指導教員
工学部 電気工学科 教授 長谷川 幹雄
工学部 電気工学科 助教 中里 仁
受賞題目
非線形振動子の抑制性結合を利用した自律分散型衝突回避手法のLoRaへの実装と性能評価
内容
混雑した無線通信ネットワークにおける通信品質を改善する手法として、非線形振動子の抑制性結合を応用した自律分散型パケット衝突回避手法を提案している。IoT無線通信に用いられているLoRa実機端末50台を用いた実験により、パケット衝突率の大幅な低減を実証している。
受賞日
同上
受賞者
工学研究科 電気工学専攻 修士課程1年 ケイ カロ
指導教員
工学部 電気工学科 教授 長谷川 幹雄
工学部 電気工学科 助教 中里 仁
受賞題目
Coherent Ising Machineによる組合せ最適化手法の無線リソース割当問題への応用
内容
無線通信システムにおける周波数等のリソース割当てを高速に行うための手法として、Coherent Ising Machineを用いた最適化手法を提案している。量子アニーリングマシンD-Wave等との比較によって、提案手法の有効性を示している。
受賞日
同上

<MIKA2025ポスター賞(若手部門)>

受賞者
工学部 電気工学科 学部4年 佐伯 綾香
指導教員
工学部 電気工学科 准教授 丸田 一輝
受賞題目
水中音響通信における送信タイミングオフセットを用いたブラインドMIMO伝送
内容
本研究では、水中での音響通信をより効率的に行うために、ブラインドアダプティブアレー(BAA)という方法を使った新しい干渉抑圧の仕組みを提案します。従来の方式では、信号処理のために長いCyclic Prefix (CP) が必要で、その分通信の効率が下がってしまいます。そこで本手法では、CPを短くして遅れて届く信号を干渉として扱い、BAAで抑えることで効率を高めます。さらに、複数の信号が互いに干渉しないよう、送信のタイミングを少しずつずらす工夫も行います。シミュレーションによって、この方法が有効に働くことを確認しました。
受賞日
2025年10月1日
受賞者
工学研究科 電気工学専攻 修士課程1年 澤田 強希
指導教員
工学部 電気工学科 准教授 丸田 一輝
受賞題目
MIMO DeepJSCCにおける分割画像の動的圧縮率制御と空間フィルタリングの関係性
内容
本研究では、Deep Joint Source-Channel Coding(DeepJSCC)を用いた画像伝送において、画像を領域ごとに分けて圧縮率を動的に最適化する方法を提案します。本手法では、各領域の情報量(エントロピー)に応じて圧縮率を調整し、重要な部分の画質を優先的に高めます。さらに、効率的な伝送を実現するための複数のアンテナを用いて空間多重伝送る通信方式を適用し、雑音に対する強さも評価しました。シミュレーションでは、特に雑音の多い環境でも全体の画質を保ちながら重要な部分の再現性が向上することを確認しました。この成果は、DeepJSCCによる画像通信の効率化と耐雑音性能の向上に役立つと考えられます。
受賞日
同上

<MIKA2025 スポンサー賞(NTT賞)>

受賞者
工学研究科 電気工学専攻 修士課程1年 風間 岳士
指導教員
工学部 電気工学科 准教授 丸田 一輝
受賞題目
ブラインドアダプティブアレーを用いたLTE/WLANにおける周波数共用の実験的検討
内容
無線LAN(WLAN)やLTEなどの無線通信システムが広く普及したことで、マイクロ波帯の周波数資源が逼迫しています。今後さらに増大する通信需要に対応するには、限られた周波数を効率的に使うことが求められます。本研究では、事前に干渉信号の情報を必要としないブラインドアダプティブアレー(BAA)による干渉抑圧に注目し、OFDM方式に基づくWLANとLTEが同じ周波数帯を共用する環境を対象としました。ソフトウェア無線機を用いた実験環境を構築し、両システムを同一の周波数上に重ねて同時通信を行い、BAAによる干渉抑圧効果を確認しました。
受賞日
2025年10月1日

<MIKA2025 スポンサー賞(Opportunity Creator賞)>

受賞者
工学部 電気工学科 学部4年 上田 将矢
指導教員
工学部 電気工学科 准教授 丸田 一輝
受賞題目
位相制御型Massive MIMOヌル空間拡張におけるウェイト導出の高速化
内容
マルチユーザMIMO空間多重伝送の下り通信では、端末の移動によって伝搬環境が変化し、通信性能が低下することが課題となっています。その対策として、100素子規模のアンテナを備える基地局の豊富な空間自由度を活用するヌル空間拡張が提案されています。本研究ではこれまで、アナログビームフォーマを前提に、位相制御のみで干渉を抑える方式をヌル空間拡張に適用し、その有効性を確認してきました。しかし、この方式では重みの計算に繰り返し処理を伴う最適化を用いるため、演算負荷や処理遅延が大きくなるという課題があります。本稿では、この課題を解決するために、閾値処理を用いた高速な重み導出法を検討し、その結果を報告しました。
受賞日
2025年10月1日

関連リンク
受賞者一覧
革新的無線通信技術に関する横断型研究会 MIKA2025
電子情報通信学会 通信ソサイエティ

長谷川研究室
研究室のページ
長谷川教授のページ
中里助教のページ

丸田研究室
研究室のページ
丸田准教授のページ

革新的無線通信技術に関する横断型研究会 MIKA2025において本学大学院生及び学生らが最優秀ポスター賞(若手部門)、ポスター賞(若手部門)、スポンサー賞を受賞
左から:栗山さん、ケイカロさん、長谷川教授、中里助教、小島さん
革新的無線通信技術に関する横断型研究会 MIKA2025において本学大学院生及び学生らが最優秀ポスター賞(若手部門)、ポスター賞(若手部門)、スポンサー賞を受賞
左から:丸田准教授、福江さん、風間さん、澤田さん、佐伯さん、上田さん
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