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田村 浩二教授らの研究が『Nature』誌の「NEWS FEATURE」に掲載
掲載:2023年03月03日
更新:2023年03月07日
先進工学部 生命システム工学科 田村 浩二教授らの研究が、『Nature』誌の「NEWS FEATURE」に取り上げられ掲載されました。
この論文では、タンパク質合成の場であるリボソームの進化的起源を明らかにする研究が特集され、2009年にノーベル化学賞受賞したAda Yonath博士のグループと田村教授のグループの研究(2022年、Life誌に掲載)が、それぞれ解説されています。
Yonath博士らと田村教授らは、リボソーム上で、アミノ酸をつなげるペプチド結合生成に寄与するペプチジルトランスフェラーゼセンター(PTC)において、RNAが対称的に配置されていることに注目しました。そして、PTCの構成要素となる単純なモデルRNAを独立に考案し、ペプチド結合を生成させることに成功しました。
また、Yonath博士らが人工的な分子を基質として用いたのに対し、田村教授らはアミノ酸を付加した「ミニヘリックス」(原始tRNAのモデル)を基質として使用しており、原始tRNAから現在のタンパク質合成系の成立に至る進化的道筋に一石を投じた重要性も指摘されています。
詳細は掲載ページをご覧ください。
Nature「NEWS FEATURE」
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国際学術誌「Life」
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