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2020.12.10 Thu UP

本学大学院生が「International Colour Association (AIC) Conference 2020」においてAIC Student Paper Award 2020:Runner-up Prizeを受賞

本学大学院生が「International Colour Association (AIC) Conference 2020」においてAIC Student Paper Award 2020:Runner-up Prizeを受賞しました。

受賞者 理工学研究科 建築学専攻 修士課程1年 津田 春乃
指導教員 理工学部 建築学科 教授 吉澤 望
受賞題目 Verification of the validity of the perceived colour measurement method using tablet devices in architecture
内容 建築空間において色として扱われるものは、「心理物理色:測色計によって標準光源下で実測された色」「照明を加味した色:その場の照明の色の影響を加味して実測された色」「知覚色:観察者が実際に知覚する色」の3種類に分けることができる。知覚色は人間の順応や色対比の影響を含んでおり測定が難しいが、建築において最も重要なものである。
既存の知覚色の測定方法は曖昧なものや、大型の装置が必要となるものであり実際の建築空間での測定が困難な場合も多い。私たちは持ち運びが容易で、細かい弁別で測定できるタブレット端末を用いた測定方法を提案する。タブレットは照明光の影響で手元の画面の色が異なって見えることを防ぐため、内部を黒色無光沢としたボックスで覆い、観察口から測定者がボックス内を覗くことで画面の色が常に一定となるようにした。評価中は、測定対象の見た目の色と同じになるようボックス内の画面の色のHSBを調節した。なお、操作は全てタッチペンで行った。被検者の正面に、背景の中央に評価対象を提示し、照明を変化させて、提案するタブレット端末を用いた視感測色、および紙の色票による通常の表面色の視感測色を同時に行い、個人間の誤差を比較することで妥当性の検証を行った。評価色4色、背景色4色、評価時の照明の色温度および入室時の照明の色温度を6500Kと3000K、評価対象の照度を1000luxと50lux、タブレット端末に初めに表示する色を6500Kの白、3000Kの白、黒に変化させた。入室時の照明は評価時のものと同じで、評価対象が貼られる位置の照度を1000luxのみに保った。各被験者同士のタブレット端末を用いて視感測色した色と、紙の色票を用いて視感測色した色を条件ごとに算出し、 u'v'色度図上の距離を簡易的な色差とし、それらの分布により評価の差を検討した。背景色を変化による色対比を比較すると、同じ測色時の照明のとき、背景色を変化させても個人間差の程度に有意差は見られなかった。入室時の照明とタブレット端末のはじめの色をそれぞれ変化させた実験では、ターゲットの照度が1000luxのとき、入室時の照明の色温度と評価時の照明の色温度とタブレット端末の初めの色の色温度が全て一致する時に、従来の色票の測色法の個人間差と比べても充分な妥当性が認められた。ただし、評価時に評価対象の照度が50luxの場合には個人間の誤差が大きい。今後は暗い照明下での測色の方法の検討と、個人内差の検討を行う。
受賞日 2020年11月27日

■International Colour Association
https://aic-color.org/
■STUDENT PAPER AWARDS RECIPIENTS
https://aic-color.org/award-student-paper

■吉澤教授のページ
大学公式ページ:https://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?3b70

本学大学院生が「International Colour Association (AIC) Conference 2020」においてAIC Student Paper Award 2020:Runner-up Prizeを受賞
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