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2025.09.11 Thu UP
日本地球惑星科学連合(JpGU)2025年大会において本学大学院生2名が学生優秀発表賞を受賞
日本地球惑星科学連合(JpGU)2025年大会において本学大学院生2名が学生優秀発表賞を受賞しました。
- 受賞者
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- 理学研究科 物理学専攻 修士課程1年 深澤 こはる
- 指導教員
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- 理学部第一部 物理学科 准教授 木村 智樹
- 受賞題目
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- 天体の表層・大気における太陽高エネルギー荷電粒子照射によるヌクレオシドの非生物合成
- 内容
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- 生命誕生の鍵とされるRNAの構成要素であるヌクレオチドの起源は未解明であり、非生物的合成の可能性が注目されている。これまでの研究では、核酸塩基やヌクレオチドの一部が模擬環境下で生成されることが確認されているが、統一的な理解には至っていない。本研究では、アデニン・リボースに異なるリン酸化合物(リン酸二水素ナトリウムまたはメチルホスホン酸)を加えた試料に、太陽高エネルギー粒子を模した水素分子イオンを照射し、生成物を分析した。その結果、アデノシンまたはその構造異性体と考えられる物質が生成されたが、AMPは検出されなかった。これは過去の研究結果と異なり、照射条件や使用物質の違いによる可能性がある。本研究は、宇宙や惑星環境においてアデノシンは生成され得るが、AMPの生成にはさらなる条件が必要であることを示唆しており、この成果が評価され学生優秀発表賞を受賞した。
- 受賞日
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- 2025年7月11日
- 受賞者
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- 理学研究科 物理学専攻 修士課程2年 小木 菜々夏
- 指導教員
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- 理学部第一部 物理学科 准教授 木村 智樹
- 受賞題目
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- 初期地球・火星大気への太陽高エネルギー粒子照射によるペプチド形成過程における含硫アミノ酸の影響評価
- 内容
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- 生命の起源解明において、アミノ酸から非生物的にペプチドが形成される過程の理解は重要である。本研究では、初期火星大気を模した条件下で、太陽高エネルギー粒子(SEP)を模擬した水素分子イオンを照射し、ペプチド生成の可能性を検証した。グリシン、アラニン、セリンに含硫アミノ酸であるシステインを加えた粉体サンプルを用い、照射後の生成物を分析した結果、システイン単独では変化が見られなかったが、他のアミノ酸と混合したサンプルでは照射生成物が検出された。特に側鎖を持つアミノ酸との組み合わせで生成物が多く、エドマン分解によりそれらがペプチドであることが示唆された。これにより、初期火星や地球において、含硫アミノ酸と他のアミノ酸の共存がペプチド生成の鍵となる可能性が示された。この成果が評価され、学生優秀発表賞を受賞した。
- 受賞日
- :
- 同上
関連リンク
日本地球惑星科学連合
学生優秀発表賞受賞者
