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2023.11.13 Mon UP

第149回日本薬理学会関東部会口頭発表において本学大学院生らが学生優秀発表賞を受賞

第149回日本薬理学会関東部会口頭発表において本学大学院生らが学生優秀発表賞を受賞しました。

受賞者
薬学研究科 薬科学専攻 修士課程2年 河口 真佑
指導教員
薬学部 生命創薬科学科 講師 秋田 智后
薬学部 生命創薬科学科 教授 山下 親正
受賞題目
経鼻投与された機能性配列を有するGLP-1誘導体は神経回路に沿って中枢を移行し、側脳室投与よりも少ない投与量で薬効を示す
内容
アルツハイマー病はアンメット・メディカル・ニーズが非常に高い疾患である。その治療薬候補として、アミロイド-βやリン酸化タウ蛋白による神経変性を抑制するGlucagon-like peptide-1(GLP-1)に着目した。我々は呼吸上皮の三叉神経が橋に繋がっていることに着目し、GLP-1のN末端に機能性配列を付加した誘導体を創製した。経鼻投与されたGLP-1誘導体は呼吸上皮から三叉神経を介し神経細胞を乗り継いで作用部位へ効率的にデリバリーされ、学習記憶改善効果を示すだけでなく、神経変性も抑制できることを第149回日本薬理学会関東部会口頭発表において報告した。研究目的・実験・結果・考察の統一性及び研究発表が優れていたことが評価され、優秀発表賞に選出された。
受賞日
2023年10月14日
受賞者
先進工学部 生命システム工学専攻 修士課程1年 森 一就
指導教員
先進工学部 生命システム工学科 助教 鈴木 敢三
先進工学部 生命システム工学科 教授 瀬木(西田) 恵里
受賞題目
マウスを用いた炎症性慢性腰痛モデルの確立
内容
慢性腰痛は、3ヶ月以上にわたる腰部の痛みやはりなどの不快感といった症状の総称であり、原因を特定しきれない症状が約8割を占め、発症機序には不明な点が多い。そこで本研究では、脊椎の損傷由来ではない慢性腰痛モデルを作出することを目的とした。非特異的腰痛では炎症応答が起きていることが推定されるため、腰痛の基点として腰部局所の炎症を惹起することで慢性的な腰痛モデルが作出可能かを検証した。起炎物質として急性的な炎症性疼痛を惹起することが知られるComplete Freund’s adjuvant(CFA)を使用した。腰の痛みによる運動能力や歩行能力の変化を評価するためにBalance beam testを行ったところ、CFA腰筋投与群では投与後14日以降から28日目までゴール到達時間が増加しており、腰部を中心とする運動能が長期的に低下していた。また、脊髄後根神経節での遺伝子発現変化の解析を行ったところ、投与後28日目まで、炎症性サイトカインの発現増加が認められた。
本研究により、腰痛メカニズムを解明する有用なモデルの作出ととも、腰痛の痛みシグナル解明につながることが期待される。これらの知見を第149回日本薬理学会関東部会口頭発表において報告した。
本研究は、本学と花王株式会社との「花王Kireiな未来共創プロジェクト」による共同研究プロジェクトテーマでの知見である。
受賞日
同上
受賞者
薬学研究科 薬科学専攻 修士課程2年 石井 優大
指導教員
薬学部 薬学科 教授 吉澤 一巳
国立がん研究センター研究所 がん患者病態生理研究分野/星薬科大学 薬理学研究室 成田 年
受賞題目
慢性的高脂肪食摂食誘発性の代謝異常状態における肺がん病態下のがん免疫に及ぼす影響
内容
近年、肥満症をはじめとした代謝性疾患の既往によるがん病態への影響が着目されている。実際、肥満患者は、がんの発症リスクが高まるだけでなく、手術、化学療法および放射線療法に対する感受性が低下することが明らかとなっている。しかしながら、代謝異常状態におけるがん増悪化機構の詳細なメカニズムは不明である。本研究では、慢性的高脂肪食摂取による腫瘍増悪化への影響ならびに腫瘍微小環境内免疫細胞変容の解析を行った。その結果、高脂肪食を摂取させたマウス群の腫瘍微小環境内の腫瘍随伴マクロファージ(TAM)において、低酸素誘導因子ならびに糖質コルチコイド誘導因子の有意な発現変動が認められ、TAMはM2様の形質を示している可能性が示唆された。本研究により、高脂肪食の持続的な摂食は、腫瘍肥大を促進する効果を持つだけでなく、腫瘍微小環境内免疫細胞の機能的変容を誘導することで、がん増悪化に寄与する可能性が考えられた。これらの知見を第149回日本薬理学会関東部会口頭発表において報告した。
受賞日
同上

関連リンク
第149回日本薬理学会関東部会

山下研究室
山下教授のページ
秋田講師のページ

瀬木研究室
研究室のページ
瀬木教授のページ
鈴木助教のページ

吉澤研究室
吉澤教授のページ

>第149回日本薬理学会関東部会口頭発表において本学大学院生らが学生優秀発表賞を受賞
河口さん
第149回日本薬理学会関東部会口頭発表において本学大学院生らが学生優秀発表賞を受賞
石井さん
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