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2023.09.27 Wed UP

第36回秋季シンポジウムにおいて本学大学院生らが「最優秀セッション奨励賞」他を受賞

第36回秋季シンポジウムにおいて本学大学院生らが「最優秀セッション奨励賞」「優秀セッション奨励賞」を受賞しました。

<最優秀セッション奨励賞>

受賞者
先進工学研究科 マテリアル創成工学専攻 修士課程2年 小宮 優輝
指導教員
先進工学部 マテリアル創成工学科 教授 向後 保雄
先進工学部 マテリアル創成工学科 講師 新井 優太郎
受賞題目
熱力学平衡計算を取り入れた耐熱ハイエントロピー合金の設計及び材料特性評価
内容
耐熱ハイエントロピー合金は、5種類以上のおよそ等モルの耐熱金属元素からなる合金であり、異なる原子半径を持つ元素を多数含有することで結晶格子が歪むことや各元素の予測不能な相互作用により、高温での特異な特性の発現が期待されている。このため、従来合金の耐熱温度(~1100℃)以上での使用が期待されている。一方で、複数種類の元素を含有するので、実験の繰り返しのみでは多くの時間と資源を費やしてしまうため、有効な材料設計手法の確立が求められている。また、従来の耐熱ハイエントロピー合金では合金中の一部の元素が優先的に酸化することで、内部の材料の損耗が顕著であることが問題であった。本研究では熱力学平衡計算と材料プロセスが融合した手法を提案することで、従来のハイエントロピー合金よりも10%以上酸化に伴う重量増加を抑制し、特定元素の優先酸化を抑制する新規耐熱ハイエントロピー合金を創成した。発表及び質疑では、熱力学計算に基づく材料プロセスにより初めて組成を設計することができた新規耐熱ハイエントロピー合金と従来の合金の差異を明確に示した点が評価され、最優秀賞を受賞した。
受賞日
2023年9月8日

<優秀セッション奨励賞>

受賞者
先進工学研究科 マテリアル創成工学専攻 修士課程2年 手島 京祐
指導教員
先進工学部 マテリアル創成工学科 教授 向後 保雄
先進工学部 マテリアル創成工学科 講師 新井 優太郎
受賞題目
単位構造を有さない多孔質炭素材料の力学特性評価手法の確立
内容
カーボンモノリスと呼ばれる多孔質炭素材料は、3次元的に気孔が連続した単位構造を有さない極めて複雑な構造であり、50-60%程度の高い気孔率と同程度の気孔率を有する多孔質炭素の数倍の圧縮強度を誇る材料である。このため、航空宇宙用耐熱材料として応用が期待されている。カーボンモノリスはフェノール樹脂と溶媒の相分離で得られた多孔質樹脂(フェノールモノリス)の炭化により得られ、樹脂の濃度や硬化剤の種類を変えることで様々な気孔径を有するカーボンモノリスを作製することができる。本研究では、構造と力学特性に着目し、X線CTで取得したカーボンモノリスの3次元構造を基にバーチャルテスト(コンピューター上での実構造を有するモデルを使った力学試験)を行い、構造と力学特性の関係を明らかにした。発表及び質疑では一見単位構造を有さないカーボンモノリスが単位構造を有する多孔質炭素のようにふるまう現象をバーチャルテストにより初めて明らかにしたことを明確に示したことが評価され、本受賞に至った。
受賞日
同上

関連リンク
第36回秋季シンポジウム
国益社団法人 日本セラミックス協会

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第36回秋季シンポジウムにおいて本学大学院生らが「最優秀セッション奨励賞」他を受賞
小宮さん
第36回秋季シンポジウムにおいて本学大学院生らが「最優秀セッション奨励賞」他を受賞
手島さん
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