ニュース&イベント NEWS & EVENTS
本学大学院生が第12回測定器開発優秀修士論文賞を受賞
掲載:2022年6月8日
更新:2022年9月12日
本学大学院生が第12回測定器開発優秀修士論文賞を受賞しました。
- 受賞者
- 理学研究科 物理学専攻 博士課程1年 武田 朋志
- 指導教員
- 客員教授 玉川 徹
- 副指導教員
- 理学部第一部 物理学科 教授 松下 恭子
- 受賞題目
- 超小型X 線衛星 NinjaSat に搭載するガスX 線検出器の開発と性能評価
- 内容
- 本論文は超小型衛星に搭載するガスX線検出器の開発と性能評価についてまとめたものである。設計から始まり、その開発過程、性能評価、フライトモデル試作機の完成までが詳細に記述された優れた論文である。特にチェンバーに封入するガスの選定では、十分な検出効率を持ちながら高いゲインを持つXe/Ar/DME(75%/24%/1%)の混合比を見出し、X線検出器として初めて用いることに成功した。これは受賞者が製作した検出器のみならず、他のガス放射線検出器でも利用可能な優れた成果である。超小型衛星に搭載するには大きさや重量だけでなく、低電力化や長期間の安定運用等多くの機械的な要求に加え、打ち上げまでの時間的制約もある。その中でチェンバーの設計から上述の封入ガス及び電場の最適化、用いられるGEMの選定からその評価まで、必要十分な試験によって要求性能を満たすフライトモデル試作機を完成させたことは高く評価された。明確な目的設定から結果・考察・結論にいたる道筋が丁寧に記述され、著者が高い理解度の上で主体的に研究を進めたことが伺える優れた論文である。
- 受賞日
- 2022年4月27日
■KEK 測定器開発室
https://rd.kek.jp/index.html
■第12回優秀修士論文賞(2021年度) 受賞論文
https://rd.kek.jp/ronbun/award_fy2021.html
■松下研究室
松下教授のページ:https://www.tus.ac.jp/academics/teacher/p/index.php?3F97

関連記事
-
2025.02.13
本学教員らの論文が「Nature」に掲載
理学部第一部 物理学科 松下 恭子教授と小林 翔悟講師、創域理工学部 先端物理学科 幸村 孝由教授と内田 悠介助教らの論文が「Nature」に掲載されました。 XRISMの優れた分光能力により、ケンタウルス座銀河団の中心部に高速で動く高温ガ…
-
2024.03.04
本学教員が共同研究で携わったX線天文衛星XRISMが定常運用へ移行、本格的なX線天体観測が開始
2023年9月7日に打ち上げられたX線天文衛星「XRISM」が定常運用へ移行し、本格的なX線天体観測が開始されました。 宇宙空間を満たす高温プラズマや活動的な天体の様子を、XRISM衛星は広大な視野と超精密分光で観測します。 図1: XRI…
-
2023.11.27
日本物理学会 第78回年次大会(2023年)において本学大学院生らが学生優秀発表賞を受賞
掲載:2023年10月30日 更新:2023年11月27日 日本物理学会 第78回年次大会(2023年)において本学大学院生らが学生優秀発表賞(領域7、宇宙線・宇宙物理領域)を受賞しました。 <領域7> 受賞者 理学研究科 物理学専攻 修士…