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2021.02.12 Fri UP

本学教員らの論文がアメリカ化学会学術誌『ACS Omega』(2021年2月号)のCover Featureに選定

本学 理学部第一部 応用化学科・椎名勇 教授、研究推進機構 総合研究院・殿井貴之 研究員らの研究グループの論文「4-(Dimethylamino)pyridine N-Oxide-Catalyzed Macrolactamization Using 2-Methyl-6-nitrobenzoic Anhydride in the Synthesis of the Depsipeptidic Analogue of FE399」が、2021年2月9日付でAmerican Chemical Society(アメリカ化学会)が出版する学術誌(ACS Omega)のCover Featureに選定されました。

マクロラクトンやマクロラクタムのような大環状構造は多くの天然物や医農薬品に含まれる普遍的な構造モチーフであることから、それらの効果的な合成法の開発は有機合成化学上の最重要課題の一つとなっています。今回の論文では、本学で開発された高速脱水縮合剤であるMNBA (2-Methyl-6-nitrobenzoic Anhydride)と求核有機触媒である4-(Dimethylamino)pyridine N-oxide (DMAPO)を組合わせて用いることで目的のマクロラクタム化が穏やかな反応条件下、極めて迅速に進行することが見出されました。さらに本マクロラクタム化法によって、天然デプシペプチドであるFE399ならびにその類縁体の全合成が効率的に達成できることが示されました。FE399はキャラボクの内生真菌が産出する天然の新規化合物で、ヒト大腸がん細胞をはじめとするさまざまながん細胞および腫瘍細胞に対する増殖抑制効果が報告されている有望な創薬リードであるため、本研究成果は、FE399を基軸とする今後の新規抗がん剤研究への展開における重要なマイルストーンになると考えられます。

また、Cover Pictureには、本MNBAマクロラクタム化によってFE399類縁体の基本骨格である16員環マクロラクタムが構築される反応ステップが示されています。背景の峻険な岩山を反応障壁(活性化自由エネルギー)と見立て、MNBAの存在下、求核有機触媒としてDMAPOを用いることで、鎖状の環化前駆体から所望のマクロラクタム環が反応障壁を越えて得られる様子が模式的に描かれています。

詳細は誌面およびYouTubeをご覧ください。

論文名:4-(Dimethylamino)pyridine N-Oxide-Catalyzed Macrolactamization Using 2-Methyl-6-nitrobenzoic Anhydride in the Synthesis of the Depsipeptidic Analogue of FE399

著者:T. Tonoi (本学、研究員), T. Inohana (本学、大学院生), R. Kawahara (本学、大学院生), T. Sato (本学、大学院生), M. Ikeda (本学、大学院生), M. Akutsu (本学、大学院生), T. Murata (本学、助教), I. Shiina (本学、教授)

(著者詳細)
理学部第一部 応用化学科 教授 椎名 勇
研究推進機構 総合研究院 実践的有機合成を基盤としたケミカルバイオロジー研究部門 研究員 殿井貴之
理学部第一部 応用化学科椎名研究室 助教 村田 貴嗣
理学研究科 化学専攻 修士課程 阿久津 みく
理学研究科 化学専攻 修士課程修了 池田 美雪
総合化学研究科 総合化学専攻 修士課程修了 佐藤 輝幸
総合化学研究科 総合化学専攻 修士課程修了 猪鼻 岳彦
総合化学研究科 総合化学専攻 修士課程修了 河原 諒

掲載誌

ACS Omega, 2021 (5), 6巻, 2月9日号, 3571-3577

YouTubeによる公開

・MNBAマクロラクタム化による初の天然物(FE399)の全合成

(日本語字幕版)

(日本語吹き替え版)

(英語版)

■椎名研究室のページ
研究室のページ:https://www.rs.kagu.tus.ac.jp/shiina/indexj.html
大学公式ページ:https://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?19ed

■Cover画像

本学教員らの論文がアメリカ化学会学術誌『ACS Omega』(2021年2月号)のCover Featureに選定