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本学教員が第16回 (2022年) 日本物理学会若手奨励賞 を受賞
本学教員が第16回 (2022年) 日本物理学会若手奨励賞を受賞しました。
- 受賞者
- 理工学部 物理学科 助教 萩野 浩一
- 受賞題目
- 活動銀河中心からの超高速アウトフローとスペクトル吸収構造の研究
- 受賞内容
- 巨大ブラックホールから光速の数十%もの速度でプラズマを噴き出す「超高速アウトフロー」と呼ばれる現象は、銀河とブラックホールが共に進化する過程で大きな役割を果たしているとされている。
萩野氏は、モンテカルロシミュレーションを駆使することで、現実的な3次元形状及び速度・密度分布のもとで超高速アウトフロー内部での放射輸送を計算し、アウトフローの幾何学的な影響も考慮可能なX線スペクトルモデルを構築した。このモデルを実際の観測データに適用することで、超高速アウトフローに関する多くの成果を得ることに成功した。さらに、萩野氏が開発に携わる2022年度打ち上げ予定のXRISM衛星によって、ブラックホール進化の研究のさらなる進展が期待されている。
本賞は、将来の物理学をになう優秀な若手研究者の研究を奨励するものであり、萩野氏の優れた研究が認められたものである。 - 受賞日
- 2021年10月
■一般社団法人 日本物理学会
https://www.jps.or.jp/
■第16回(2022年) 日本物理学会若手奨励賞 受賞者一覧
https://www.jps.or.jp/activities/awards/jusyosya/wakate2022.php
■萩野助教のページ:https://www.tus.ac.jp/academics/teacher/p/index.php?6E66
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