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セミナー「知のフロンティア」第5回を開催(9/20)
9月20日(金)に神楽坂キャンパスで、教養教育センター主催のセミナー「知のフロンティア」第5回が開催され、学生・教員・職員合わせて68人の参加がありました。
全3回の連続講座「科学・技術と人文学・社会科学の対話」の最終回にあたる今回は、東京大学大学院人文社会系研究科教授の小松美彦先生をお招きし、「人間にとって生と死とはなにかー科学知と人文知の視座―」というタイトルでお話しいただきました。
小松先生からは、脳死の問題を例に現代において人の死がどのように捉えられているかについて問題提起がなされました。科学的な見方では、人の死は脳死であれ三兆候死であれ時間的な点として捉えられています。哲学においてもハイデガーやサルトルは、そのような時間的点として死を理解しましたが、フーコーは死を時間的な流れとして死を理解しようとしました。小松先生は、このように医学や哲学における死の在り方を概観したうえで、それでもまだ見落とされていることがあることを指摘しました。それは、誰かの死は当人にとどまらず、その周りの人々と共鳴するということ、すなわち、「共鳴する死」という死の在り方が見落とされているということです。現代において、あるいは、科学的な見方において、死は個人の問題として、個人閉塞しているかのように捉えられていますが、このような見方が前面に出ることで、共鳴する死、ひいては共鳴する死生の在り方が後景に退いているのではないか、ということが鋭く指摘されました。
参加者からは「生と死について学問的研究の入口を学ぶことができた」、「セミナーの内容を友人に話したところ、白熱して2時間程議論を重ねた」などの感想が寄せられ、生とはなにか、死とはなにかを考える貴重な機会となりました。
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