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倉渕 隆副学長が空気調和・衛生工学会において第15回井上宇市記念賞井上宇市賞、
第63回学会賞論文賞を受賞
倉渕 隆副学長が空気調和・衛生工学会において第15回井上宇市記念賞井上宇市賞、第63回学会賞論文賞を受賞しました。
<第15回井上宇市記念賞井上宇市賞>
- 受賞者
- :
- 副学長 倉渕 隆
- 受賞題目
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- 省エネルギーに配慮した健康的で快適な室内環境の形成に関する研究及び学会運営への貢献
- 内容
- :
-
倉渕副学長は、長年に渡り換気を中心とした建築環境・設備分野での教育・研究に尽力し、省エネルギーに配慮した健康的で快適な室内環境の形成に多大な貢献をしてきた。特に、建築基準法におけるシックハウス対策換気基準の導入に関連し健康的な室内環境の形成に資する研究では複数の学会賞を受賞している。また、実測評価を通じて効率的な換気の有効性を提唱し、最近では空気清浄機のある室などに適用可能な換気効率の測定法を開発している。
さらに、本会の理事・副会長・会長を歴任され、換気関連の多くの学会規格の策定・改定に参画し、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに際しては、感染防止に有効な建築設備の運用に関する提言の執筆を行うなど、学会の発展やレピュテーション向上に大きく貢献された。以上の業績により、ここに井上宇市賞を授与する。 - 受賞日
- :
- 2025年5月15日
<第63回学会賞論文賞 学術論文部門>
- 受賞者
- :
- 副学長 倉渕 隆
- 受賞題目
- :
- 空気循環系における動的定常濃度を用いた換気効率測定法の開発
- 内容
- :
-
本論文は、新鮮外気を導入し室空気を屋外に排出する開放系の換気に対して、空気清浄機などを用いて汚染物質濃度を除去する空気清浄を空気循環系の換気として定義し、その換気効率を求めるための測定法の開発に取り組んだものである。一連の研究の中で、動的定常濃度の概念を用いた測定理論の構築とトレーサガス実験法の開発、CFD解析、さらにその実験的検証が行われている。
これまでは新鮮外気の導入と室空気の排気のみを対象とした換気効率測定法について多くの研究がなされてきたが、実際には空気清浄機が稼働する室内やフィルタ内蔵型の空調機器により冷暖房が行われている室内などにおいて、室内空気質の状況を調べる実務的ニーズが存在する。コロナ禍を経て空気清浄機を使用する場面が増え、室内空気質への関心が高まっている中で、新たな換気効率測定法について測定理論を構築し、実空間への適用性も考慮した上で実験的検証を行っていることから、本論文は学術性・実用性の両面において価値が高いと評価できる。
本論文は3報で構成されている。第1報では、動的定常濃度の概念と空気循環系における空気齢分布との関係について、動的定常濃度の概念と測定理論が構築され、実空間において避けられない漏気による空気齢測定への影響についてCFD解析により検討している。第2報では、空気循環系における動的定常濃度を用いた適切な空気齢測定法についてCFD解析により検討し、室からの漏気が発生している場合の空気齢分布への影響を評価することにより適切なデータ収集のタイミングについて具体的な知見を得ている。第3報では、開発した測定法を用いた実験的検証が行われ、動的定常濃度を用いた具体的な空気齢分布測定の手順を示すとともに、等価な開放系の空気齢分布との比較を行い、その測定精度を検証している。
以上のように、本論文で示された動的定常濃度を用いた換気効率測定法は、空気循環系において漏気が生じるような現実的な状況下での換気効率の測定を目指したものであり、測定理論構築のみに留まらず、実際の測定時の手順とその精度検証まで実施されていることから、一連の研究成果は実際の室内における換気効率評価や室内空気質の管理に大いに寄与すると考えられる。
よって、本論文は空気調和・衛生工学会賞論文賞に値するものと認められる。 - 受賞日
- :
- 同上
関連リンク
受賞者一覧
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
倉渕・野中研究室
倉渕副学長のページ


竹内 仁哉さん(秋田県立大学、元本学社会人博士課程)、倉渕副学長、田口 遥樹さん(株式会社三菱地所設計、元本学修士課程)


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