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2025.04.18 Fri UP
第98回日本薬理学会年会において本学大学院生及び学生がGraduate Student Presentation Award、Undergraduate Poster Awardを受賞
第98回日本薬理学会年会において本学大学院生及び学生がGraduate Student Presentation Award、Undergraduate Poster Awardを受賞しました。
<Graduate Student Presentation Award>
- 受賞者
- :
- 先進工学部 生命システム工学専攻 修士2年 柏原 理乃
- 指導教員
- :
-
先進工学部 生命システム工学科 教授 瀬木(西田) 恵里
先進工学部 生命システム工学科 助教 鈴木 敢三 - 受賞題目
- :
- 電気けいれん刺激による抗うつ効果へのNPY関与探索
- 内容
- :
- 電気けいれん療法 (ECT) は、頭部に直接電流を流すことでけいれんを誘発する抗うつ治療の一つである。ECTの動物モデルである電気けいれん刺激 (ECS) は、抗うつ治療の標的である海馬歯状回での遺伝子発現変化や、生涯を通じて新しいニューロンが生成される現象である神経新生を引き起こすとともに、抗うつ作用を誘導する。神経ペプチドY (NPY) は大脳皮質、視床下部、海馬に発現しているペプチドで、抗うつ様作用をもつ。マウス海馬ではY1, Y2, Y5受容体が発現しており、Y1受容体は抗うつ様作用との関連が報告されている。しかし、ECSによる抗うつ様行動や、神経新生を含む海馬組織変化のメカニズムにNPYが関与しているかは不明である。よって本研究では、マウス脳においてNPY Y1受容体を阻害させることにより、ECSによる行動変化と海馬歯状回での機能変化にNPY–Y1受容体シグナルが寄与するかを検証した。これら解析により、長期ECS処置によるる抗うつ様行動と未成熟神経細胞数増加にNPY–Y1受容体シグナルが寄与している可能性が示唆され、長期ECSによって増加したNPYが抗うつ様行動や神経新生の促進に寄与している可能性が示された。本研究は、ECTによる行動変化や海馬歯状回での機能変化におけるメカニズム解明に向けた重要な知見を提供するものである。
- 受賞日
- :
- 2025年3月17日
<Undergraduate Poster Award>
- 受賞者
- :
- 先進工学部 生命システム工学科 4年 猿田 眞子
- 指導教員
- :
-
先進工学部 生命システム工学科 教授 瀬木(西田) 恵里
先進工学部 生命システム工学科 助教 鈴木 敢三 - 受賞題目
- :
- Neurobehavioral and histological alterations in mice lacking three genes in the human 3p26.3 locus
- 内容
- :
- 3p欠失症候群は染色体3p領域の欠失により自閉スペクトラム症(ASD)様の行動を示す。本研究では、ASD関連遺伝子CHL1、CNTN6、CNTN4を同時に欠損した3pTKOマウスを用いて行動および脳の変化を調べた。社会性・不安・反復行動を評価するために、社会性相互作用テスト(SIT)、オープンフィールドテスト(OFT)、グルーミング時間の測定を実施した。3pTKOマウスはSITで社会的嗜好の欠如、OFTでは中心部滞在時間の増加、グルーミング時間の減少を示した。これらは社会性低下などASD様の特徴を示す一方、不安や反復行動の減少という非典型的な行動も認められた。さらに、ニッスル染色による脳組織解析では、海馬と大脳皮質の形態異常が認められた。現在、これらの変化の原因として海馬の神経新生や大脳皮質の層構造異常の有無を検討中である。今後は3pTKOマウスの行動学的・組織学的変化の相互作用を解析することで3p欠失症候群およびASDの病態解明が期待される。
- 受賞日
- :
- 同上
*所属・学年は受賞時(2024年度)のものです。
関連リンク
APPW2025
瀬木(西田)研究室
研究室のページ
瀬木(西田)教授のページ
鈴木助教のページ
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