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2025.04.17 Thu UP
本学大学院生が2024年度PFユーザーアソシエーション (PF-UA)において学生論文賞を受賞
本学大学院生が2024年度PFユーザーアソシエーション (PF-UA)において学生論文賞を受賞しました。
- 受賞者
- 創域理工学研究科 生命生物科学専攻 博士課程2年 元内 省
- 指導教員
- 創域理工学部 生命生物科学科 准教授 中島 将博
- 受賞題目
- 植物病原因子とされる環状糖の合成酵素の発見とその反応メカニズムの解明
- 内容
- Xanthomonas 属は世界的にアブラナ科作物に対する甚大な被害をもたらす植物病原菌群です。Xanthomonas 属の病原性に重要な因子には環状糖の一種である「α-1,6-cyclized β-1,2-glucohecadecaose (CβG16α)」があります。この環状糖はその合成の有無が菌の生存に関わらないことから、この合成酵素の阻害剤は薬剤耐性菌問題の解決に資する新規農薬となりえますが、CβG16α 合成酵素は未同定でした。
本研究ではβ-1,2-グルカンというグルコースポリマーを分解する酵素の Xanthomonas 属由来ホモログ(XccOpgD)が β-1,2-グルカンを単独で CβG16α に変換する酵素と同定しました。次に、X線結晶構造解析により得たXccOpgDと基質との複合体構造から、直鎖状糖鎖が環状化するためのユニークな基質認識機構と反応メカニズムを立体構造に基づいて明確に証明しました。この成果が2024年度に化学系のトップジャーナルの一つであるJournal of the American Chemical Society (DOI: 10.1021/jacs.4c02579)に掲載されました。この証明の鍵となったのは放射光施設であるPhoton Factory (PF)の利用により得られた酵素の立体構造であり、PF-UA学生論文賞の受賞となりました。
- 受賞日
- 2025年3月14日
*所属・学年は受賞時(2024年度)のものです。
関連リンク
PF User Association(PFーUA)
