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日本教育工学会において本学大学院生及び修了生、教員が論文賞を受賞
日本教育工学会において本学大学院生及び修了生、教員が論文賞を受賞しました。
- 受賞者
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理学研究科 科学教育専攻 博士後期課程3年 近藤 孝樹
かえつ有明中・高等学校 横山 喬一(理学研究科 科学教育専攻 2020年度修士課程修了)
島根大学 教授 御園 真史
津田塾大学 教授 稲葉 利江子
教育支援機構 教職教育センター 教授 渡辺 雄貴 - 受賞題目
- 他者のノートテイキング状況の可視化が授業中の相互作用に与える影響
- 内容
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本論文では、行動経済学分野で研究されている「ナッジ」を教育工学研究に援用し、授業中の学習者間および、授業者と学習者間の相互作用を促進することを目的に、システムの開発および評価を行いました。
近年では、学習者中心の教育が目指されており、学習者は、単に学習内容を理解するだけでなく、自己調整学習のために必要な学習方略の習得も求められています。一方で、授業中という限られた時間で、授業者が両方を指導することは困難です。そこで、学習者同士で学習改善を促すためにナッジを援用してシステムを開発しました。
Richard H. Thalerが2017年にノーベル経済学賞を受賞したことで有名となったナッジは、「人々が自身にとってより良い選択を自発的に取れるよう、小さなきっかけを与える」ことです。本研究では、タブレット端末で活用できる授業内ノートテイキング支援システム(NoTAS: Nudge for Note Taking Assist System)を開発しました。NoTASは自分の記述のほかに、資料上に他者が書いたメモや下線の位置をリアルタイムにぼんやりと可視化することができます。この可視化がナッジとして働き、学習や指導を改善するためのきっかけとなることを期待し、高校で授業実践を行いました。
実践の結果、学習者はNoTASの可視化によって、他の学習者と互いに助け合っていると感じていることや(共同体意識の向上)、授業中の板書のメモや下線引きの記述量が増加することが確認できました。さらに、NoTASの可視化は、授業者が授業中の学習者の様子や理解状況を把握し、指導に反映するなど、授業者と学習者の相互作用を促すきっかけとなりうることも明らかとなりました。つまり、他者が書いたメモや下線の位置をリアルタイムに可視化することで、授業中の学習改善や授業改善が促進されることが認められました。
本論文が2023年度の日本教育工学会論文誌に掲載された論文の中で、特に優れていることが認められ、受賞に至りました。
- 受賞日
- 2024年9月8日
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