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2024.03.14 Thu UP

2023年度 東京理科大学学生表彰式において学業・研究、課外活動の成果が優秀な学生を表彰(3/7)

3月7日(木)に「2023年度東京理科大学学生表彰式」が神楽坂キャンパスで行われました。

この表彰は、学業・研究等の成果が特に優れていると認められる学生、また課外活動において優秀な成績や功績のあった団体、個人を対象としています。2023年度は、学業・研究等に関する推薦が39件、課外活動等に関する推薦が22件あり、そのうち学業・研究等の成果が優れているとして11名、課外活動の成果が優れているとして2名が表彰され、石川正俊学長から表彰状と副賞が贈呈されました。

式の中で、石川学長はお祝いの言葉とともに「皆さんの能力はこの受賞に限られたものではありません。別の評価軸や新たな分野においても、さらなる輝きを放つ可能性があります。今日の受賞に留まらず、他の分野あるいは今日の受賞の延長上にあるものにおいても、さらなる活躍を期待しています。新たなチャレンジに取り組み、社会において評価される機会を活かしてください。」との言葉を贈りました。

2023年度 東京理科大学学生表彰式において学業・研究、課外活動の成果が優秀な学生を表彰(3/7)
2023年度 東京理科大学学生表彰式において学業・研究、課外活動の成果が優秀な学生を表彰(3/7)

今年度の表彰は以下の通りです。

1. 学業・研究等の成果による表彰者

理学研究科 応用物理学専攻 博士後期課程3年 西岡 大貴さん

    日本学術振興会特別研究員(DC1)として、「固/固界面の電気二重層効果を利用する高性能 AI 物理リザバーの開発」の革新的な研究に取り組み、国内外にインパクトを与える研究業績を残した。詳細は以下の通りである。

  • Science Advances(IF=14.9), Advanced Intelligent Systems(IF=7.4), Materials Today Physics(IF=11.0)等のハイジャーナル学術雑誌に、自身が筆頭著者である4報を含む計11報の論文が掲載された。
  • 2022年7月に開催された「23rd International Conference on Solid State Ionics(SSI-23)国際会議にて、“Poster Winners”を受賞した。また、「International Conference on Memristive Materials,Devices & Systems(MEMRISYS2023)」および「第55回(2023年秋季)応用物理学会」にて第2登壇者として大きく貢献し、Best Poster Award および講演奨励賞の連名受賞者となっている。
  • 筆頭著者として研究を行った「脳の働きを模したイオニクス情報処理素子を開発」に関する研究記事が日本経済新聞(2023年7月3日付)、日刊工業新聞(2023年3月8日付、2022年12月27日付)等の主要メディアで報道された。
創域理工学研究科 先端化学専攻 博士後期課程3年 佐藤 陽平さん
  • アルコキシシランの合成とその基礎反応開発を研究し、これまでにゾル・ゲル法として知られるアルコキシシランの加水分解重縮合反応を詳細に検討することにより従来は未解決であった重合初期過程に生成する化合物を捕らえることに成功し、当該分野の基礎化学に大きく貢献する業績を挙げている。
  • 国際学会へ4回参加し、4件のポスター発表を行った。
  • 査読付論文を17報発表した。また、その中で英文は16報であり、筆頭著者は5報であった。
  • 英文の論文には、総説1報を含む。Characterization of NMR, IR, and Raman spectra for siloxanes and silsesquioxanes: a mini review., J. Sol-Gel Sci. Technol., 104, 36–52(2022). この総説はゾル・ゲル法によるポリシロキサンの合成において不可欠な論文になりつつある。
  • 英文の論文の中で、高分子学会が発行するPolymer Journal誌に投稿した2報が、同誌のFeatured Articlesに採択された。これは、毎月刊行されるPolymer Journal誌において、編集者がその月の号に掲載される中で注目すべき論文と推薦したものである。
  • ● Syntheses and properties of Cu(II), Al(III), and Ti(IV) coordination polymers using an acetylacetonato-terminated polyhedral oligomeric silsesquioxane., Polym. J., 54, 985–993(2022).かご型シルセスキオキサンをコアとする構造制御された有機ー無機ハイブリッドの調製方法が画期的と判断されたことによる。

    ● Transparent and flexible photocatalytic film comprising organophosphonate-modified polysilsesquioxane-anchored titanium dioxide: hydroxy group ratio and organic substituenton phosphorous atoms., Polym. J., 55, 975–982(2023). 高性能かつ長寿命な二酸化チタン光触媒の簡便な調製方法とその抗菌作用の評価が画期的と判断されたことによる。

  • 英文の論文の中で、Journal of Sol-Gel Science and Technology誌に投稿した1報が、同誌のhighlight cover imageに採択された。これは、毎月刊行されるJournal of Sol-Gel Science and Technology誌において、編集者がその月の号に掲載される中で注目すべき論文と表紙を飾ったものである。
  • ● Preparation and properties of PDMS elastomer cross-linked with hydrolyzate of tetraethoxysilane, hexaethoxydisiloxane, and octaethoxytrisiloxane: influence of cross-linker structure., J. Sol-Gel Sci. Technol., 109, 22–31(2024). 高性能なシリコーンゴムの調製方法が画期的と判断されたことによる。

  • 博士後期課程1年と2年では本学の東京理科大学マテリアル人材フェローシップ制度に、3年次に日本学術振興会特別研究員DC2に採択された。
理学研究科 化学専攻 修士課程2年 手島 涼太さん

多糖から構成される創傷治療用ゲルや細胞の自己組織化を制御するゲル薄膜について研究を展開した。

  • Elsevier誌やAmerican Chemical Society誌などをはじめ、同氏がFirst Author兼Corresponding Authorである原著論文5報が掲載された。これら研究は全て同氏が立案し、学部を超えた共同研究として実施された。代表的な業績として、International Journal of Biological Macromolecules(IF=8)やACS Omega(IF=4)など国際的に著名な雑誌に数多く出版している。中でも ACS Omega に掲載された研究成果は Supplementary Cover として表紙を飾り、一連の成果は3回にわたり本学から報道発表された。現在は4報の論文を執筆中である。
  • 計15件の学会発表(うち14件筆頭、国際学会含む)を行った。また学会等から14件の受賞がある。
  • 特筆すべきは、上記の研究遂行にあたり同氏が研究代表者として学部3年次から修士2年次に渡り、複数の助成金を獲得したことである。その助成額は基盤研究(C)相当以上であり、修士学生としては異例である。
  • すでに英文著書2報が受理されており、国内著書に1件の原稿を執筆中である。加えて、複数の学協会から原稿の寄稿依頼を受けている
  • Wiley誌やAmerican Chemical Society誌からの依頼を受けて、査読を2件行った。
  • WOWOW開局30周年記念番組「異才 FUTURE うたえミライの歌#2」において「孫正義に認められた異才」として番組出演した。その他、多数の新聞記事掲載や動画出演があり、本学の広報に大きく貢献した。
工学研究科 情報工学専攻 修士課程2年 塚本 陽太さん

神経細胞の数理モデルを用いて、神経細胞に正弦波入力が印加された場合の応答特性を決定論的、統計的な観点から調査することで、脳における情報処理の原理を解明する「計算論的神経科学」の研究に取り組んでいる。現在は神経細胞を結合させた神経回路網における学習(神経細胞間の結合の強さが変化すること)について、近年注目されている時空間学習則の解析に関する研究に取り組んでおり、以下に列挙する優れた研究業績をあげている。

    1. 神経細胞に正弦波入力が印加された場合の応答特性については、すでに査読付英文論文3編(電子情報通信学会 、NOLTA、 IEICE誌、IF0.5)を発表しており、そのすべてが筆頭著者として出版されている。また、時空間学習則に関する内容については、英語論文を投稿準備中である。

    2. これまでに査読付国際会議において3件の口頭発表を行った。

    3. 国内の学会においても研究発表を行った。具体的には、国内学会口頭4件、国内学会ポスター1件(査読付)の計5件である。

    4. 上記の研究業績などが認められ、日本学術振興会特別研究員DC1への採用が内定している。

    5. 電子情報通信学会2023年総合大会(2023年3月開催)および電子情報通信学会2023年ソサイエティ大会(2023年9月開催)において発表した内容が優れていると認められ,2023年度学術奨励賞を受賞することが内定している。

創域理工学研究科 経営システム工学専攻 修士課程2年 柴山 はづきさん
  • AIなどの高度情報技術と、KKD(勘、経験、努力)と言われる現場のドメイン知識との乖離を埋めることが可能なハイブリッドアプローチを提案した。
  • 本提案手法は、データ駆動型アプローチである高度情報技術の性能を生かしながら、モデルベースアプローチと相互に連携させることで、現場での解釈性を高めつつダイナミックな環境下においても適用させることに成功した。
  • 三菱電機(株)情報技術総合研究所との共同研究プロジェクトに主要メンバーとして参加しており、2023年6月に三菱電機内にて毎年、優れた業績をあげたものに送られる表彰を受けた。
  • 本研究テーマでは、筆頭著者として国際学会にて3回の口頭発表を行い、その内1回では Best Paper Award を受賞している。さらに、国際学会にて三菱電機サイドの発表に共著者として2回貢献している。
  • 東京理科大学横断型コース・DXコースに所属しており、2022年度には優秀ポスター賞を受賞した。
  • その他、国内学会では4回の発表を行っている。
創域理工学研究科 経営システム工学専攻 修士課程2年 松田 樹梨佳さん
  • 物流の中で多くの時間を占めるオーダーピッキング作業に着目し、効果的なロボット導入レベルを提案するだけでなく、ダイバーシティの観点から多様な作業者が働きやすい作業設計のための指標を提案した。
  • ロボット導入レベルの検討は鴻池運輸株式会社との共同研究プロジェクトとして実施され、鴻池運輸株式会社から提供された最新の物流ロボットの実測結果をもとに、数理モデルとシミュレーションモデルの設計を行った。その業績は、国内、国際学会にて評価され、同氏を筆頭著者として2回の受賞、2本の論文採択につながった。
  • 女性や高齢者でも働きやすい職場設計を目指した研究プロジェクトは、SBS東芝ロジスティクス株式会社との共同研究として行われ、心拍などのバイタルデータをもとに作業を行いながら、心理的・身体的負担度を予測する方法を確立した。このテーマは本年度、科学研究費助成事業(挑戦的研究・萌芽)に採択されている。
  • その他、国内にて4回の口頭発表を行い、その内1回では Best Presentation Award を受賞している。
  • 本テーマは2023年度東京理科大学創域理工学部「共響(きょうめい)のひろがりプロジェクト」として採択されている。また、株式会社NTTデータ数理システム学生研究奨励賞にて優秀賞1回、佳作2回受賞している。
先進工学研究科 電子システム工学専攻 修士課程2年 周 青陽さん

スタンドアロンで動作するセンサ用電源に向けて、環境に捨てられている未利用振動エネルギーを、有益な電気エネルギーに変換するトライボ発電素子の出力向上に関する研究を行っている。以下に特筆すべき業績を述べる。

  • 第一著者として3本の原著論文が査読付き国際学術誌に掲載された。そのうち1本はIF=5.7である。共著者として査読付き英文誌に掲載された。さらに現在、第一著者として査読付き英文論文を執筆中である。
  • 英語(TOEIC満点取得)、日本語(日本語能力試験1級取得)、中国語(母語)をマスターしており、国内外の学会での発表を円滑に進め、各国の研究者と上手く交流している。
  • 学振特別研究員DC1に採用された。
理学部第一部 化学科 学部4年 澤井 葉さん

学業成績は極めて優秀であり、4年前期の段階での成績は学科内で群を抜いている。修得した123単位中8単位(5科目)以外は全てSであり、特に化学の専門性が増す2年次以降は、全ての専門科目でS評価を取得している。
卒業研究では下仲研究室に所属し、新規化合物がもつ抗腫瘍作用についての研究に取り組んでいる。特に癌の悪性度の指標となる転移能を抑制する機能に注目し、その機構を明らかにすることで、正常細胞には影響を及ぼさず癌細胞だけを標的とする新たな治療薬の開発を目指している。
目標達成のためには努力を惜しまない性格で、研究には非常に熱心に取り組んでいる。明るく面倒見のいい性格なので、人間関係においても研究室の中心となって全体をまとめている。

工学部 情報工学科 学部4年 木村 駿太さん

GPAは学科トップの3.89であり、修得済128単位中14単位(7科目)以外は、すべてS評価で卓越した成績を収めている。GPA推移は年々上昇しており、特に2年次以降の専門必修科目はすべてS評価と高い専門性を身につけている。

卒業研究では機械学習の研究に取り組んでいる。「大規模基盤モデルをたった1サンプルのデータのみを使って適応学習する」という、極めてチャレンジングかつ産業応用上の価値も高い研究課題を設定し、言語モデルの援用により解決するという斬新なアプローチにより有望な結果を得ている。

人物面も大変優秀で、研究室運営ではリーダーシップを発揮しているほか、他大との共同研究にも参画するなど協調性・コミュニケーションスキルも申し分ない。

創域理工学部 先端物理学科 学部4年 大隅 翔也さん
  • 基礎・専門科目は1科目(A評価)を除いて全てS評価であり、卒業要件単位数126単位に対し、修得済単位数も141単位と多く、極めて優秀な学業成績を収めている(学内選考に合格し、本学大学院へ進学予定)。
  • 卒業研究として物質の熱輸送に関わる基礎研究に取り組んでおり、学外の研究会(国際会議含む)にて複数の発表[口頭(日本語)1件、ポスター発表(国際)2件、ポスター発表(日本語)1件、合計4件(すべて発表者、予定含む)]を行っている。
  • 高校生を対象とした広報雑誌VOICEにおいて、「SDGs」に関わる研究として取材に協力し、掲載された。
  • 共著者(第二著者)として執筆した論文を投稿中である。
  • 課外活動として野田物理研究会に参加し、代表を務めた。物理研究会では、勉強会の開催やロボット製作実演の他、地域の行事にも参加するなど、科学の普及活動にも貢献している。
創域理工学部 電気電子情報工学科 学部4年 北村 武尊さん

学業成績が極めて優秀であり、3年次終了時点でGPAが学科1位、かつ研究室配属直前の3年生を対象として学科で実施している基礎学力試験でも学科1位の成績を修めた。また、第三種電気主任技術者試験に合格した。
研究では、出力変動の激しい太陽光・風力発電が大量導入された電力系統において問題となる周波数変動を緩和するため、負荷が消費電力を自律的に制御する手法について、実験及び数値解析により有効性を明らかにした。発表等は下記の状況である。

  • 筆頭著者として査読付き英文論文誌に投稿し、2023年12月15日時点で査読コメントに対し修正中
  • 2024年1月開催の電気学会電力系統技術研究会にて発表
  • 2024年3月開催の電気学会全国大会にて発表予定
さらに、下記の民間団体の奨学金と東京理科大学の維持会奨学金に採択されている。
  • 公益財団法人 小林育英会(2020年度採択 継続中)
  • 公益財団法人 中村積善会(2021年度採択 継続中)
  • 一般財団法人 北野財団(2021年度採択 継続中)
  • 公益財団法人 ASJ財団(2023年度採択)
  • 公益財団法人 キーエンス財団 応援給付金(2023年度採択)

2. 課外活動の成果による表彰者

工学研究科 工業化学専攻 修士課程2年 栗田 佳樹さん
【主な業績・成果等】
第43回 世界アマチュア囲碁選手権 4位
【備考等】
  • 第43回 世界アマチュア囲碁選手権 日本代表決定戦 優勝
  • 第69回 全日本アマチュア本因坊決定戦 全国準優勝
  • 2018年度、2019年度、2021年度、2022年度学生表彰授賞
理学部第一部 応用数学科 学部3年 齊山 天彪さん
【主な業績・成果等】
松田杯 第8回 世界学生ペア碁選手権大会 3位
【備考等】
  • 令和5年度 春期関東学生囲碁 団体戦 3位(1部)
  • 令和5年度 秋期関東学生囲碁 団体戦 3位(1部)
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