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第47回日本磁気学会学術講演会において本学大学院生がポスター講演賞を受賞
第47回日本磁気学会学術講演会において本学大学院生がポスター講演賞を受賞しました。
- 受賞者
- 先進工学研究科 マテリアル創成工学専攻 修士課程1年 長岡 竜之輔
- 指導教員
-
先進工学部 マテリアル創成工学科 助教 Alexandre Foggiatto
研究推進機構 総合研究院/小嗣研究室 助教 山崎 貴大
先進工学部 マテリアル創成工学科 客員教授 三俣 千春
先進工学部 マテリアル創成工学科 教授 小嗣 真人 - 受賞題目
- 鉄損解析のためのリアルタイム高速磁区構造計測システムの開発とトポロジカルデータ解析
- 内容
-
我々は鉄損メカニズム解明に向けたリアルタイム高速磁区構造計測システムを開発し、機械学習を用いて交流磁場下の動的磁化反転機構を解析した。応用磁性材料の発展に貢献しうる優秀な研究発表として評価され、第47回 日本磁気学会学術講演会ポスター講演賞が授与された。また本開発は応用物理学会では講演奨励賞を得ており、インフォマティクス領域と応用磁性材料の両分野で評価を受けたこととなる。研究概要は以下の通りである。
【研究概要】
電気自動車の世界的な普及を背景に、モーターのエネルギー損失となる「鉄損」のメカニズム解明が求められている。鉄損は、磁区構造と呼ばれるミクロな磁性材料組織内の複雑な相互作用によって発生し、その複雑さから鉄損の発生メカニズムを人力で解釈することは困難とされてきた。そこで、本研究では Kerr 光学顕微鏡とハイスピードカメラを組み合わせ、交流磁界下での磁区構造データを高速で取得する計測システムの開発を行った。さらに、磁区構造の交流磁場周波数依存性を実験的に計測すると共に、パーシステントホモロジーによる機械学習を適用した。その結果、高速磁化反転挙動の大規模データを取得でき、マクロ機能を説明する有用な特徴量を設計することができた。さらに、磁壁移動速度や交換エネルギーの解析を行い、メカニズム解明に迫る足がかりを得ることができた。本解析の展開として、低損失モーター用磁性材料実現に向けた応用が期待される。
- 受賞日
- 2023年9月28日
関連リンク
第47回日本磁気学会学術講演会
公益社団法人日本磁気学会
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