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2023.10.05 Thu UP

第46回日本神経科学大会において本学学生・大学院生らがジュニア研究者ポスター賞を受賞

掲載:2023年8月9日
更新:2023年10月5日

第46回日本神経科学大会において、本学大学院生らがジュニア研究者ポスター賞を受賞しました。

受 賞 者
薬学研究科 薬科学専攻 修士課程1年 江崎 未来
指導教員
薬学部 薬学科 教授 斎藤 顕宜
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 臨床医学研究所 教授 渡部 文子
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 臨床医学研究所 助教 永瀬 将志
受賞題目
Input-specific modulation of the central amygdala neurons by dopamine
内容
本発表では、ドパミンによる扁桃体中心核ニューロンの細胞種および経路特異的な修飾メカニズムについて明らかにしました。扁桃体中心核は、恐怖応答の制御や恐怖記憶に中心的な役割を果たしています。この領域にはドパミン受容体が多く分布しているものの、その役割については十分に解明されていません。本研究では、電気生理学的手法ならびに光遺伝学的手法を駆使することで、扁桃体中心核におけるドパミンD1受容体およびD2受容体を介した異なる制御機構を明らかにしました。これらの成果はPTSDやストレス関連疾患に対する新たな病態解明や治療法につながることが期待されます。
受賞日
2023年8月1日
受 賞 者
薬学研究科 薬科学専攻 修士課程1年 長野 和佳菜
指導教員
薬学部 薬学科 教授 斎藤 顕宜
薬学部 薬学科 講師 山田 大輔
受賞題目
Oxytocin ameliorates impairment of learning and memory induced by scopolamine in mice
内容
当研究室ではこれまでに、オキシトシンが記憶・学習機能改善効果を有することを明らかにしてきました。本学会では、アセチルコリン受容体拮抗薬を用いて、一時的に認知機能障害を引き起こしたモデルマウスを用いて、オキシトシンが認知記憶障害を改善させることを明らかにしています。薬理遺伝学的手法を用いて、視床下部室傍核におけるオキシトシン神経系を特異的に活性化させたマウスは、各種評価系において、空間認知や物体認知に対する記憶障害を改善させました。現在、アルツハイマー型認知症には、アセチルコリン神経系を賦活させる治療薬が用いられていますが、本成果は、オキシトシンが、こららの疾患における認知・記憶障害に対して新たな治療薬ターゲットとなる可能性を示唆しています。
受賞日
同上
受 賞 者
先進工学研究科 生命システム工学専攻 修士課程1年 田村 直紀
指導教員
先進工学部 生命システム工学科 教授 瀬木 恵里
先進工学部 生命システム工学科 助教 鈴木 敢三
受賞題目
アデノ随伴ウイルスベクター血清型rh10精製の試み
内容
神経科学の分野では遺伝子組み換え技術にアデノ随伴ウイルスベクターが駆使されており、さらには、その技術を利用した遺伝子治療への応用が期待されています。しかしながら、そのウイルスベクターの調整方法には改善の余地があり、また、ウイルスベクターの種類や特徴の理解が必要とされています。本発表では、神経細胞に誘導が高いことが期待されるrh-10というタイプのアデノ随伴ウイルスベクターの新たな調整方法やその評価についての知見を発表しました。
受賞日
2023年8月3日
受 賞 者
先進工学研究科 生命システム工学専攻 修士課程1年 渡邊 琴美
指導教員
先進工学部 生命システム工学科 教授 瀬木 恵里
先進工学部 生命システム工学科 助教 鈴木 敢三
受賞題目
慢性ストレスに関わる海馬歯状回の機能解明
内容
慢性的なストレスが様々な精神疾患の発症につながることが知られています。本発表では、慢性にストレスを負荷したモデルマウスを用いて、海馬の歯状回という小領域で起こる細胞レベルでのメカニズムについて発表しました。歯状回では、神経幹細胞から新たな神経細胞が分化や成熟する現象が存在し、その現象に対するストレスの影響を明らかにしました。本研究成果から、ストレス関わる精神疾患の発症のメカニズムが解明され、その予防方法や新しい治療戦略に繋がることが期待されます。
受賞日
同上
受 賞 者
創域理工学研究科 生命生物科学専攻 修士課程1年 小林 大真
指導教員
創域理工学部 生命生物科学科 准教授 萩原 明
受賞題目
Synaptic neurotransmission regulated by CAST would have important roles in the neuropathology of stress tolerance
内容
第46回日本神経科学大会のポスター発表において、学部学生(演題登録時)を対象としたジュニア研究者ポスター賞を受賞しました。
日本神経科学学会は、神経科学の基礎から臨床まで幅広い分野の研究者が集う大きな学会であり、今年も3日間の会期中、1000題近いポスター発表が行われた中から選ばれました。
本研究では、情報伝達部位(シナプス)に局在するタンパク質CASTを欠損させたマウスは、身体的ストレスに対する感受性が高いことが示唆されました。さらに、関連する神経回路や遺伝子発現を明らかにしていくことで、ストレスを要因とするうつ病などの精神疾患の作用機序解明や治療法の開発などに貢献していくことが期待されます。
受賞日
2023年8月2日

関連リンク
ジュニア研究者ポスター賞
第46回日本神経科学大会
一般社団法人 日本神経科学学会

斎藤研究室
研究室のページ
斎藤教授のページ
山田講師のページ

瀬木研究室
研究室のページ
瀬木教授のページ
鈴木助教のページ

萩原研究室
研究室のページ
萩原准教授のページ

第46回日本神経科学大会において本学大学院生がジュニア研究者ポスター賞を受賞
左から長野さん、江崎さん
第46回日本神経科学大会において本学大学院生がジュニア研究者ポスター賞を受賞
小林さん
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