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2023.08.22 Tue UP
日本地球惑星科学連合(JpGU)2023年大会において本学大学院生が学生優秀発表賞を受賞
日本地球惑星科学連合(JpGU)2023年大会において本学大学院生が学生優秀発表賞を受賞しました。
- 受賞者
- 理学研究科 物理学専攻 修士課程1年 櫻井 悠貴
- 指導教員
- 理学部第一部 物理学科 准教授 木村 智樹
- 共同研究者
- 理学部第一部 応用化学科 教授 鳥越 秀峰
横浜国立大学 工学研究院 名誉教授 小林 憲正
東北大学 理学研究科 教授 寺田 直樹
- 受賞題目
- 初期の火星・地球大気における太陽高エネルギー粒子照射による複数種アミノ酸の解離と合成の化学サイクルの再現
- 内容
-
大気や海洋を有する地球や過去の火星において、発生しうる生命の構成に必要なアミノ酸、ペプチド、タンパク質の起源は未解明である。タンパク質を構成するペプチドやアミノ酸の起源を解明することは、生命の起源の解明や生命の発生条件の理解をする上で最重要の課題である。これらの物質の起源として、大気へのエネルギー入射により大気分子から非生物的に合成したとする説があり、様々な初期惑星大気とエネルギーの組み合わせでアミノ酸の非生物的合成実験が行われてきた[e.g. Miller, 1953]。エネルギーの中でも、太陽起源の高エネルギー荷電粒子は最も効率よくアミノ酸を生成することが知られている[Kobayashi et al., 1999]が、それよりも高次のペプチドや蛋白質が非生物的に合成された例は未報告で、合成条件や合成のメカニズムは不明だった。
本研究は、火山活動が活発で、二酸化硫黄ガスが豊富に存在する可能性があった過去火星の時代に初めて注目し、化学的に反応性の高い二酸化硫黄を含む大気分子から、アミノ酸や高次のペプチドが非生物的に合成される過程を検証した。硫黄を含む複数種類の粉体アミノ酸サンプルに、太陽荷電粒子をもした高エネルギー水素を照射した結果、複数個のアミノ酸が連なったペプチドが生成されることを初めて確認した。これは、過去の火星において、タンパク質の部品となりうるペプチドが大気中のアミノ酸から非生物的に合成されたことを示唆しており、火星に発生しうる生命の特性を制約するものである。この成果が認められ、日本地球惑星科学連合2023年大会学生優秀発表賞を受賞した。 - 受賞日
- 2023年7月10日
関連リンク
日本地球惑星科学連合
日本地球惑星科学連合2023年大会 学生優秀発表賞受賞者

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