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本学大学院生らが日本薬剤学会第38年会において日本薬剤学会永井財団大学院学生スカラシップを受賞
掲載:2023年5月31日
更新:2023年6月22日
本学大学院生らが日本薬剤学会第38年会において日本薬剤学会永井財団大学院学生スカラシップを受賞しました。
- 受賞者
- 薬学研究科 薬科学専攻 修士課程2年 成川 聡
- 指導教員
-
薬学部 生命創薬科学科 教授 山下 親正
薬学部 生命創薬科学科 講師 秋田 智后 - 受賞題目
- 合成レチノイドAm80封入脂質ナノ粒子はAm80単独の1/100の用量でCOPD治療効果を示す
- 内容
- 日本薬剤学会第38年会口頭発表において、根治治療薬の存在しない慢性閉塞性肺疾患COPDに対し、脂質ナノ粒子に合成レチノイドAm80を封入することで未封入時の1/100の用量で治療効果を示すことを報告した。また、ナノ粒子はApoEを介して細胞内に取り込まれ、エンドソーム脱出及びジスルフィド結合開裂による細胞質中への薬物放出を経て、レチノイン酸受容体RARαを介して効率的に核内へ移行することを明らかにした。臨床応用を目指した吸入粉末剤化が可能となり得る学術上注目すべき研究成果であり、将来の研究の発展が期待される研究発表であると評価された。
- 受賞日
- 2023年5月16日
- 受賞者
- 薬学研究科 薬科学専攻 修士課程2年 谷藤 拓未
- 指導教員
-
薬学部 薬学科 教授 西川 元也
薬学部 生命創薬科学科 准教授 草森 浩輔 - 受賞題目
- DNAハイドロゲルを用いたスギ花粉抗原の徐放による抗原特異的免疫応答の持続化
- 内容
- DNAハイドロゲルを用いたスギ花粉抗原の徐放による抗原特異的免疫応答の持続化に関する研究内容が高く評価され、日本薬剤学会第38年会において受賞に至った。
- 受賞日
- 同上
- 受賞者
- 薬学研究科 薬科学専攻 修士課程2年 八反田 恵菜
- 指導教員
-
薬学部 薬学科 教授 花輪 剛久
薬学部 薬学科 助教 廣瀬 香織 - 受賞題目
- 温度応答性高分子を利用した潰瘍性大腸炎治療用注腸剤の開発
- 内容
-
医療現場では潰瘍性大腸炎治療にメサラジン注腸剤が用いられている。注腸剤は効率良く大腸の炎症を抑えることが出来るという利点がある一方で、液状のため肛門から漏出してしまうなどの課題があり、使用アドヒアランス向上の妨げとなっている。
今回の学会で八反田さんは、既存製剤の問題点を解決する目的で温度応答性高分子“Poloxamer”を用いた新たな注腸剤の開発を試み、その物理化学的性質について報告した。
今回発表した注腸剤は29-38℃でゲル化したことから今後の実験で直腸内に投与した際に良好な付着性を示すものと予想される。
また、メサラジンをPoloxamerゲルの網目構造に取り込ませることでメサラジンの放出挙動を制御可能であることも明らかになった。
今回の受賞は本研究で開発されたゲル製剤が患者のアドヒアランス改善に貢献できる製剤となりうることが評価されたものである。 - 受賞日
- 同上
関連リンク
日本薬剤学会第38年会
日本薬剤学会永井財団大学院学生スカラシップ
草森研究室
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花輪研究室
研究室のページ
花輪教授のページ
廣瀬助教のページ
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