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第70回応用物理学会春季学術講演会において本学大学院生らが第54回応用物理学会講演奨励賞を受賞
掲載:2023年5月25日
更新:2023年9月22日
第70回応用物理学会春季学術講演会において、本学大学院生が第54回(2023年春季) 応用物理学会講演奨励賞を受賞しました。
- 受賞者
- 創域理工学研究科 先端物理学専攻 修士課程2年 馬上 怜奈
- 指導教員
- 創域理工学部 先端物理学科 教授 金井 要
- 受賞題目
- 水素結合性有機フレームワークの形成によるAu(111)表面電子状態の変化
- 内容
-
貴金属などの単結晶表面にMelamineなどの有機分子を吸着させると、分子間にはたらく水素結合のために分子が規則正しく配列し、水素結合性有機フレームワーク(HOF)と呼ばれる二次元の構造を形成する。これまで、このようなHOFが、金属の表面電子の状態にどのような影響を与えるのかは、ほとんど研究されていなかった。馬上怜奈さんは、Au(金)の(111)面上に形成されたMelamineなどのHOFによって、Auの表面電子系がどのように変化するのかを、角度分解光電子分光などの実験と、理論計算を用いて詳細に明らかにした。それによれば、HOFの形成に伴って、金属の表面電荷密度の大きな変化と表面最外層の原子位置のわずかな変化が生じる結果、表面電子系の電子状態が大きく影響を受けることが明らかになった。以上の研究内容に関する発表が高く評価され、第54回応用物理学会講演奨励賞を受賞した。
- 受賞日
- 2023年9月19日
- 受賞者
- 先進工学研究科 マテリアル創成工学専攻 修士課程1年 長岡 竜之輔
- 指導教員
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先進工学部 マテリアル創成工学科 教授 小嗣 真人
先進工学部 マテリアル創成工学科 助教 Alexandre Foggiatto
研究推進機構 総合研究院 助教 山崎 貴大
先進工学部 マテリアル創成工学科 客員教授 三俣 千春 - 受賞題目
- 鉄損解析のためのリアルタイム高速磁区構造計測システムの開発と機械学習応用
- 内容
我々は鉄損解析のためのリアルタイム高速磁区構造計測システムを開発し、機械学習を用いて交流磁場下の動的磁化反転機構を解析した。応用物理学の発展に貢献しうる優秀な研究発表として評価され、第70回応用物理学会春季学術講演会の講演奨励賞が授与された。
【研究概要】
電気自動車の世界的な普及を背景に、モーターのエネルギー損失となる鉄損のメカニズム解明が求められている。本研究では、ハイスピードカメラとKerr光学顕微鏡を組み合わせ、高速に変化する磁区構造を捉えるオリジナルの計測システムを構築した。さらに、構築したシステムを用いて磁区構造の交流磁場周波数依存性を計測し、パーシステントホモロジーによる機械学習を適用した。その結果、高速磁化反転挙動の大規模データを取得でき、情報空間上で磁区構造変化の動的挙動を解析することに成功した。本研究は、電気自動車の発展に寄与するのみならず、未解決の高速磁化反転現象を解く手掛かりになることが期待される。- 受賞日
- 2023年5月12日
関連リンク
第54回(2023年春季)応用物理学会講演奨励賞 受賞者
第70回応用物理学会春季学術講演会
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