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2022.12.19 Mon UP
本学大学院生らが第32回神経行動薬理若手研究者の集いにおいて最優秀発表賞を受賞
本学大学院生らが第32回神経行動薬理若手研究者の集いにおいて最優秀発表賞を受賞しました。
- 受賞者
- 薬学研究科 薬科学専攻 博士課程2年 高橋 純平
- 指導教員
- 薬学部 薬学科 教授 斎藤 顕宜
- 受賞題目
- 内因性オキシトシンの活性化及び分泌抑制は認知機能に影響を与える
- 内容
- 本研究は、内因性オキシトシン(OXT)が認知機能に担う役割を解明することを目的とした内容である。検討では、薬理遺伝学的手法を応用し、OXT神経に興奮性DREADDであるM3Dqを発現させたマウスと、OXTの分泌が低下した遺伝子改変マウス(CAPS2 cKO)を用いることで実施した。M3Dq作動薬のCNOを投与し、OXT神経を活性化させたところ、物体記憶能が向上することを明らかにした。一方、CAPS2 cKOマウスでは物体記憶能、恐怖記憶能が低下していることを見出した。本研究から内因性OXTが、認知機能を制御していることが明らかになった。OXTをターゲットとした化合物が、認知症に対する新たな治療薬候補となることが期待される。
- 受賞日
- 2022年11月29日
- 受賞者
- 理工学研究科 応用生物科学専攻 修士課程2年 山内 つぐみ
- 指導教員
-
教養教育研究院 野田キャンパス教養部 市川 寛子
薬学部 薬学科 教授 斎藤 顕宜
薬学部 薬学科 助教 山田 大輔 - 受賞題目
- うつ病モデル動物を用いた超音波曝露による情動行動への影響
- 内容
- 超音波の曝露はヒトの脳活動を変化させうつ病治療に有効である可能性が示されていますが、超音曝露の影響を検討できるうつ病モデル動物の報告はありませんでした。山内さんは、妥当性の高いうつ病モデルである嗅球摘出ラットうつ病モデルにおいて、超音波曝露によって抑うつ様行動が改善されることを明らかにし、嗅球摘出ラットを用いて超音波曝露が情動に影響を及ぼすメカニズムを解明できる可能性があることを報告しました。
- 受賞日
- 同上
関連リンク
第32回神経行動薬理若手研究者の集い
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