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2020.06.16 Tue UP

本学教員が空気調和・衛生工学会学会賞論文賞(学術論文部門)を受賞

本学教員が空気調和・衛生工学会学会賞論文賞(学術論文部門)を受賞しました。

受賞者 工学部 建築学科 助教 池田 伸太郎
受賞題目 地域エネルギーシステムの最適化における学習的探索手法と機械学習の複合アルゴリズムの開発
内容 本論文は、時間依存性を有する蓄エネルギー設備及び離散・非線形特性を持つ熱源システムにも適用可能な運用計画最適化手法を提案し、これを地域冷暖房システムや建物間熱融通システムに適用して汎用的に最適解が得られることを示し、提案手法の実用性及び優位性を明らかにしたものである。近年、 更なる省エネルギー化・省コスト化等を狙い熱源システムが高度化・複雑化しているが、既往の最適化 手法を適用してこのような先進的なシステムの運用計画を最適化する際には、熱源機器特性の線形化や運転パラメータの調整等の前処理が必要になり、また、温度変化等の非定常計算を組み込むことが困難であるという制約がある等、手法が柔軟性に欠けるという課題があった。本論文では、ユーザーがメーカーカタログ等の機器特性曲線や諸元、翌日の予測需要等を入力しさえすれば自動的に解が求まるような手法、更には、機器の特性変化も自動的に検知してモデルの修正まで自動的に計算が可能な、より包括的な手法の開発することを目的として、これを実現するための手法としてメタヒューリスティクスと呼ばれるモデルフリーな 最適化手法の1つであるεDE-RJ (Epsilon constraint handling differential evolution with random jumping)に着目し、その具体の適用方法や適用事例を示し、提 案手法の実用性及び優位性を明らかにしている。本論文は、二報で構成されている。第一報では、熱源機器特性を線形化せずにそのまま利用し、蓄熱槽の出口温度変動、電気料金単価の変動、ピーク電力の抑制などを一括で考慮したうえで実用的な時間内に準最適解を求めることが可能な最適化手法としてεDE-RJを挙げ、本研究で想定する非線形の最適化問題を解く際の手法として適切である根拠を示し、その具体的な適用方法を提案している。

以上のように、本論文で示された最適化手法は、既往の手法では最適解を得ることが困難であった非線形かつ離散的な計算条件を有する運用計画最適化問題に対して、より適切な解を実用可能な計算コストで探索することが可能であり、また、ニューラルネットワークを機械学習に活用したモデルに対して も適用可能であるなど実用性及び汎用的の高い手法であり、これからの建築・都市におけるエネルギー 消費量及び二酸化炭素排出量削減に大きく寄与するものと考えられる。よって、本論文は空気調和・衛生工学会賞論文賞に値すると認められる。
受賞日 2020年3月13日

公益社団法人空気調和・衛生工学会のページ:http://www.shasej.org/

池田助教
大学公式ページ:https://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?71c3

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