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2020.03.17 Tue UP

研究・課外活動の成果が優秀な学生を表彰

3月12日(木)に「2019年度東京理科大学学生表彰式」が神楽坂キャンパスで行われました。
今年度は新型コロナウイルス感染症の感染被害抑止のために表彰式の規模を縮小し、参列者についても学長、副学長、受賞学生に限り、開催いたしました。

本学学生表彰は、研究等の成果が特に優れていると認められる学生、また課外活動において優秀な成績や功績のあった団体、個人を対象としています。2019年度は、学業・研究等の成果が優れているとして11名、課外活動の成果が優れているとして3名が受賞しました。

今年度の表彰は下記の通りです。

1. 学業・研究等の成果による表彰者

理学研究科 化学専攻 博士後期課程3年 石川 昇平さん

関節軟骨組織再生に用いる組織再生足場材としてシリカ不織布や機能性インジェクタブルゲルの設計に関する研究に取り組み、臨床応用されている足場材であるアテロコラーゲンゲルより優れた関節軟骨再生機能を持つ材料の開発に成功した。本研究で創発された材料は、今後の組織再生医療への活用が大いに期待されるものであり、現在の超高齢化社会において罹患者の多い関節軟骨疾患の低侵襲性治療を推進するものである。

  1. ACS誌やWiley誌などに査読付き英語論文を8報出版した。内6報は筆頭著者である。代表的な筆頭論文として、①Chemistry of Materials (IF: 10.159)、②ACS Biomaterials Science & Engineering (IF: 4.511)、③Bulletin of the Chemical Society of Japan (IF: 4.431)、④Journal of Applied Polymer Science (IF: 2.188) など、国際的に著名な雑誌に数多く出版している。また、①についてはSupplementary coverに、④についてはFront coverに選定された。
  2. Elsevier誌などに英語著書(3,000字超)を3報執筆し、色材学会誌などに日本語著書を3報出版した。英語著書の内3報は筆頭著者であり、日本語著書の内1報は筆頭著者である。
  3. 日本化学会(会員数20,000人)、高分子学会(会員数10,000人) などで計5件の学会賞受賞があり、将来有望な研究者として評価が高い。内3件は35歳以下の助教やポスドクが含む中での受賞であり、内2件は国際学会での受賞である。
  4. 国内学会口頭11件、国内学会ポスター26件、国際学会15件(査読付き) の発表を行った。
  5. 関連テーマが私学事業団学術振興基金に3年連続で採択され、研究資金として総額500万円を獲得した。3年連続での採択は本学において初である。
  6. 日本学生支援機構第一種奨学金の全額免除が認定された。貸与者数2,400人のうち、300人の認定(約12%)である。
  7. 日揮・実吉奨学金に採択された。
  8. 東京理科大学研究推進機構総合研究院のRAとして採択され、理科大薬学部や長崎大医学部と共同研究を行った。
  9. 日本学術振興会特別研究員DC2及びPDに採択された。いずれも面接免除での採用であり、全応募者数の上位15%程度の採用である。
工学研究科 電気工学専攻 博士後期課程3年 石関 圭輔さん

卒業研究から一貫して「熱効果を取り入れたナノ材料の量子輸送に関する数値計算技術の開発」に取り組み、開発した計算技術を用いて「カーボンナノチューブの電子輸送特性」に関する研究を推進し、優れた研究成果を数多く挙げてきた。具体的な成果としては、原著論文3報、プロシーディング2報、依頼解説記事1報を発表し、さらに現在、原著論文1報を投稿中である。また、これまでの学会発表件数は33件(国際会議10件、国内会議23件)に達しており、そのうち2件は招待講演(国際会議1件、国内会議1件)である。

石関さんの研究成果は国内外で極めて高く評価されており、日本物理学会の優秀ポスター賞(記念すべき第1回の受賞者)や日本MRSの奨励賞、国際会議ALC'19(12th International Symposium on Atomic Level Characterizations for New Materials and Devices '19)のExcellent Presentation Awardなど、合計10件の賞を受賞している。特に研究成果は、表面真空科学の基礎技術あるいは応用技術の進歩発展に大きく貢献するものであると認められ、理論研究として初となる日本表面真空学会の技術賞を受賞したことは特記に値する。多岐の分野にわたって10件もの賞を受賞することからわかるように、石関さんの研究成果は幅広い科学技術分野への貢献が期待されているだけでなく、発信能力(プレゼンテーション能力)の高さの現れと言える。

工学研究科 機械工学専攻 博士後期課程3年 藤村 宗一郎さん

流体および構造に関する数値シミュレーションを駆使し、脳動脈瘤の診断および手術効果に関する研究を行い、以下に列記した極めて優れた研究業績を挙げた。

  1. 英文学術誌(Journal of NeuroInterventional Surgery, IF: 3.6)において2編の論文を公表するなど、これまでに共著を含め査読付き英文学術誌に合計20編の論文を発表した。
  2. 国内会議16件、国際会議15件、合計31件の研究発表(座長1件、招待講演3件を含む)を行った。
  3. これまでに計5冊の著書・総論の執筆を行った。特に、脳血管に対する血流解析の手法をまとめた史上初の書籍である『基礎からよく分かる実践的CFD(数値流体力学)入門 脳血管編』(メディカ出版)において副編集長及び記事執筆者として出版に大きく貢献した。
  4. 2016年8月 IEEE(会員数40万人以上)による国際会議 EMBC2016において研究内容、論文構成、口頭発表と質疑応答に対する内容が総合的に高く評価され、1st Place 2016 EMBS Student Paper Competitionを受賞した。日本人による1st Place受賞は藤村さんが学会史上初である。
  5. 2014年12月日本脳神経血管内治療学会(会員数 4,032人)による第30回日本脳神経血管内治療学会学術総会において優秀ポスター賞(金賞)を受賞した。参加者の約95%が脳神経外科医師である中、工学部の学部4年生が金賞を受賞するのは異例であり、本学会史上最年少での金賞受賞となった。
  6. 2017年5月 大学院修士課程での優れた学業成績並びに研究業績が評価された結果、日本学生支援機構から「特に優れた業績による返還免除(全額免除)」を受けた。
  7. 上記3件を含め、これまでに学会、本学から計12件の受賞・表彰を受けた。
  8. 研究内容が評価され、日本学術振興会特別研究員DC1(2017年度)及びPD (2020年度)に採択された。
  9. 2017年4月 研究成果の社会への還元のため、自らの研究の一部を事業化し、東京理科大学発ベンチャー『株式会社MediEng』を起業した。企業オーナー・創業者として経営に積極的に関与しており、増収増益で3期連続での黒字化に大きく貢献した。
工学研究科 工業化学専攻 修士課程2年 長川 遥輝さん

人工光合成と天然光合成のそれぞれの視点から着想した手法による、太陽光を用いた水からの水素生成に関する研究に取り組んできた。特に、これまで純水の光分解への使用が難しいと考えられていた光腐食性光触媒に対して異種光触媒を複合することで光腐食を抑制し可視光下での水分解に成功した。

  • 査読付き英文論文を8報出版した(うち6報が筆頭著者である)。
  • 筆頭著者として国際学会において英語口頭発表2件、英語ポスター発表4件を行った。国内学会ではポスター発表3件を行った。
  • ポーランドで開催された国際学会であるInternational Symposium on Energy and Environmental Photocatalytic Materialsにおいて最優秀ポスター賞を受賞した。Elsevier社の学術雑誌であるApplied Surface Science誌によって表彰され、発表者には博士研究員や大学教授がいる中での受賞となった。
理工学研究科 経営工学専攻 修士課程2年 谷塚 智成さん

異なる企業(プレーヤー)で構成されるサプライチェーンを管理するためには、意思や価値の異なる競合他社との間で協調・調整のための戦略や契約が必要になる。さらに、環境などの外部要因や他のプレーヤーの選択肢により意思や価値(次の手)が変化することから、サプライチェーンを持続し続けるためには環境や条件の変化に応じて意思決定を繰り返し、調整し続けるモデルが必要になる。一方で、機械設計の分野において製品の基本的な設計思想にインテグラル型設計があり、各部署の専門家の知恵を結集して一つ一つの材料を組み合わせ、段階的に意見をすり合せていく過程が用いられているが、その過程を数学モデルで表現し、時間軸上に視覚化したものはない。谷塚さんの研究業績として特筆すべき点は以下の通りである。

  • 機械設計におけるインテグラル型設計の「すり合わせ過程」を数学モデルで表現し、交渉解を得るまでの過程を2次元上に視覚化する手法を提案し、アメリカの意思決定サポートシステム関連の学会にて発表した結果、Best Poster Award(3rd)を受賞した。
  • サプライチェーン最適化において、多目的離散最適化手法の1つである線形物理計画手法(LPP手法)を多プレーヤーモデルに改良し、頑健性の高い交渉解だけでなく、各段階において効率的に代替案を提示することによって少ない回数で交渉解にたどり着くための手法を提案し、国際学会においてOutstanding Paper Awardを受賞した。
  • 米国、ノースイースタン大学との共同研究においてLPP手法の提唱者、Gupta教授と直接やり取りを行うことにより多プレーヤーモデルを開発し、その成果をGupta教授がChairとなるオーガナイズドセッションにて1件の発表を行った。
  • 多プレーヤー多目的サプライチェーンの最適化において、すり合わせ過程を見える化を基本とした意思決定サポートシステムを構築し、4本の国際会議プロシーティングスにて発表した。
基礎工学研究科 電子応用工学専攻 修士課程2年 山本 大斗さん

次世代地上デジタル放送において周波数利用効率を向上するためのLDM(Layered Division Multiplexing)に関する研究に取り組み、以下に列挙した数多くの受賞および研究成果をあげた。

  1. 国内研究会・大会において多数の研究発表(11回)を行い、5つの賞を受賞している。
    ①映像情報メディア学会放送技術研究会 最優秀賞 2回
    ②映像情報メディア学会年次大会 学生優秀発表賞
    ③映像情報メディア学会放送技術研究会 優秀研究発表賞
    ④映像情報メディア学会放送技術研究会 研究奨励賞
  2. 英文ジャーナルペーパー2件の採録が決定している。
    ①IEEE Transactions on Broadcasting
    "A Study on LDM-BST-OFDM Transmission for the Next-Generation Terrestrial Broadcasting"
    ②ITE Transactions on Media Technology and Applications
    "A Study on Lower Layer Signal Design of LDM-BST-OFDM for the Next-Generation DTTB"
  3. IEEEの国際会議において4回の研究発表を行い、IEEE International Conference on Consumer Electronics 2020にて発表した論文に対して、Best Paper Award from JapanおよびIEEE CE East Joint Japan Chapter ICCE Young Scientist Paper Awardの2つの賞を受賞した。
    *IEEE 会員数約40万人、映像情報メディア学会(ITE) 会員数約3,000人
理学部第一部 化学科 4年 近田 史仁さん
  • 学業成績が極めて優秀である。
  • 卒業研究をはじめとする学業全般への取り組みが素晴らしく、人望があり模範的な学生である。
  • 卒業研究において優れた成果を挙げており、2020年3月開催予定の日本化学会年会において本人が口頭発表を行う予定である。
  • 教職課程を履修しており、今年度は中学校にて教育実習に取り組んだ。実習先の生徒からも大変慕われた。
理学部第一部 応用物理学科 4年 堀 眞弘さん
  1. 文部科学省が主催する、自主研究発表会サイエンス・インカレに2017年度および2018年度2年連続で出場した。2017年度は241組の応募者の中から46組の口頭発表の1つに選出され、さらに、2018年度には263組の応募者の中から46組の口頭発表の1つに選ばれた。特に2018年度の発表は高く評価され『国立研究開発法人科学技術振興機構理事長賞』を受賞した。
  2. 学部3年時(2018年度)に、SSEおよびプレ配属にて行った研究をまとめ、東京理科大学野田キャンパスで実施された日本物理学会第73回年次大会においてポスター発表を行った。
  3. 上記の研究について、一般の研究者から評価され、2018年5月に理化学研究所の研究グループiTHES/iTHEMSに招待を受け講演を行った。
  4. 確率共鳴に関連する研究を卒業研究の一部としても実施し、論文誌Journal of the Physical Society of Japan に投稿中である。
  5. 東京理科大学の主催で、2019年度に開催されたモノ作りと社会還元に関するコンペティション『IoTハッカソン「住宅やオフィスを快適・便利にするIoT機器」』にグループ参加し、最優秀賞を受賞した。
理学部第一部 応用化学科 2年 手島 涼太さん
  • 医療現場では手術時の止血、臓器の癒着防止を目的とした「ハイドロゲル」が汎用されている。しかし、生体内における使用では細菌感染が懸念され、ハイドロゲルの有効な利用法が近年の研究対象となっている。手島さんは、創傷治療を目的とし、安全性の高いハイドロゲル基剤としてアルギン酸に着目し、学部1年次から研究に着手している。
  • 「何か人のためになる材料、それも医療現場で必要とされる材料を創りたい」、手島さんが高校時代に思い描いたこの信念が彼の現在の研究への原動力となっている。
  • 手島さんは、指定校推薦により本学に入学が決定した直後から、ハイドロゲルに関する研究に従事し、現在に至っている。
  • 本研究課題は、手島さんが中学時代に読売新聞社主催「第58回日本学生科学賞東京都大会」にて「優秀賞」を受賞した「アルギン酸ゲルビーズの研究」から発展したものであり、学部1年次に学術論文「アルギン酸カルシウムを用いた非生体由来創傷治療用ハイドロゲルの開発」を執筆し、学術雑誌『科学・技術研究』に筆頭著者として掲載された。
  • これら学術論文の発表を受け、「科学技術と日本の将来 −教育現場における研究活動の意義とその可能性−」というタイトルで、自己のこれまでの研究体験を振り返りつつ、学校現場での生徒の研究活動が推進される理由について論じた論文も発表し、日刊工業新聞社主催「第19回理工系学生科学技術論文コンクール」(応募総数122編)において最優秀賞を受賞すると同時に、文部科学省より文部科学大臣賞を受賞した。本論文コンクールにおいて、学部1年生が最優秀賞を受賞したのは初である。
  • 本研究課題は、薬学部 薬学科 花輪 剛久 教授、基礎工学部 材料工学科 菊池 明彦 教授、薬学部 薬学科 河野 弥生 講師の指導を受け、本年度も継続されており、現在、国際誌への投稿を検討している。
工学部 情報工学科 4年 谷崎 晃太さん
  • 学業成績が特に優れている。4年前期までのGPAが3.8であり、情報工学科の全4年生81人中トップである。
  • 卒業研究では池口研究室に所属し、非線形力学系理論に基づくビッグデータ解析、具体的には、カオス的な振舞いを示す時系列信号の予測問題に意欲的に取り組み、従来手法の性能を十分に凌駕する新しい予測手法を提案し、その有効性を大規模な数値実験の遂行により検証した。
  • 数理的能力・論理力・プログラミング能力・語学力・独創力・積極性・協調性に優れているだけでなく、同期の他の卒論生に対して的確なコメントを述べるなど、人望・面倒見の良さにも優れ、リーダーシップを取ることができる人物である。
  • オープンキャンパス、大学進学フェスタなどのアウトリーチ活動にも意欲的に取り組んでいる。率先して行動できる学生である。
理工学部 物理学科 4年 本間 航介さん
  • 勤勉な性格であり、学習意欲が極めて高い。卒業要件単位129単位(卒研(後期4単位)を除く)に対して、135単位を取得している。
  • 学業成績も優秀であり、4年前期までの平均GPAが3.73である(学科内の卒研配属時の順位1位)。
  • 大学院へ進学希望であり(学内選考に合格)、卒業研究では、走査型トンネル顕微鏡を用いた有機ビラジカロイド分子を用いたナノ構造の構築の研究を熱心に取り組んでいる。
  • 実験的な研究に加え、密度汎関数法を用いた理論的なアプローチを自ら考案するなど、独創的な視点から研究を展開してゆく能力を有している。

2. 課外活動の成果による表彰者

<個人>

理学部第二部 数学科 3年 山田 真生さん
  • 第30回国際アマチュアペア碁世界選手権大会 5位
  • 第63回全日本学生本因坊決定戦(毎日新聞社主催) 準優勝
  • 第56回全日本学生囲碁十傑戦 6位
  • 第65回全日本アマチュア本因坊決定戦(毎日新聞社主催) ベスト8
  • 第18回囲碁アマチュア竜星戦 ベスト8
工学部 工業化学科 2年 栗田 佳樹さん
  • 第6回世界学生ペア碁選手権大会 8位
  • 第63回全日本学生本因坊決定戦(毎日新聞社主催) 優勝
  • 第6回ネット棋聖戦(読売新聞社主催) 優勝
  • 第56回全日本学生囲碁十傑戦 優勝
  • 第65回全日本アマチュア本因坊決定戦(毎日新聞社主催) 準優勝
経営学部 ビジネスエコノミクス学科 4年 和田 陽介さん
  • 第64回全日本学生競技ダンス選手権大会 タンゴの部 1位
  • 第119回東都大学学生競技ダンス選手権大会  タンゴの部 1位
  • 第119回東都大学学生競技ダンス選手権大会 ワルツの部 2位
  • 第105回東部日本学生競技ダンス選手権大会Ⅰ部戦 タンゴの部 3位
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