Department of Mathematics

創域理工学部 数理科学科

数学で培った論理性を駆使し、
多分野の発展に寄与する

数学はユークリッドの時代に体系化された学問となり、以来現在に至るまで、数学自身に内在する論理性によって発展するとともに、基礎を支える学問として多分野の成長に寄与してきました。数学にとって、その論理性は重要であり、数学を学ぶ者は物事をしっかりと厳密に考える必要があります。そのためには数学上の疑問をおろそかにせず、よく考えて理解に達する努力が大切です。このようにして数学で培った頭脳は、これからの時代における各分野で活躍が期待されています。本学科では、自然科学、社会科学両面にわたって応用できる数学概念の明確な把握と、理論の正確な運用を目指しています。

概要図
  • 数理科学科の特徴1

    他分野と連携した
    応用数学

    純粋数学から応用数学までの幅広い分野のスタッフを擁しており、応用まで視野に入れた数学を目指しています。現代社会における諸問題に対し、数学を用いて答えを見出していく応用数理分野の研究室では、創域理工学部の他分野と連携して研究を行っています。

  • 数理科学科の特徴2

    少人数による
    濃密な対話型教育

    3・4年次には少人数演習やセミナー形式による授業を開講。対話型の教育を重視し、深い理解と柔軟な思考力を培います。また、3年後期からの1年半は研究室に所属し、ゼミ形式の発表を通して論理的思考力やプレゼンテーション能力を養います。

  • 数理科学科の特徴3

    教員養成を
    充実・高度化

    教員志望の学生を手厚く支援し、毎年多数の数学教員を輩出しています。数学科目の単位を教職の単位として認定することで両立をサポートするほか、卒業研究に教職コースを設け、専門的な数学を修めながら教職セミナーを履修することも可能としています。

基礎情報・資格 BASIC INFORMATION & CERTIFICATION

キャンパス 取得学位 在籍学生総数 目指せる資格
野田キャンパス 学士(理学)

485名
(男子400名/女子85名)

男子 82%/女子 18%

※2023年5月1日現在

・中学校教諭1種免許状(数学)
・高等学校教諭1種免許状(数学・情報)
・測量士/測量士補

カリキュラム CURRICULUM

■必修科目 ●選択必修科目 ◆選択科目

1年次 2年次 3年次 4年次
■基礎数学A・B及び演習
●物理学1・2/化学/生物学
■数学研究基礎A・B
●化学実験
■数理科学研究1・2
●先端数理基礎
■卒業研究
●先端数理研究1・2
解析学分野 ■基礎解析学1A・1B及び演習 ■基礎解析学2A・2B ●解析学1A・1B/複素解析学A・B/先端解析学
◆解析学2/常微分方程式論1・2
◆先端解析学特別講義/解析学3
幾何学分野 ■一般位相A・B ●幾何学1A・1B/先端幾何学
◆幾何学2
◆先端幾何学特別講義/幾何学3
代数学分野 ■線形代数学1A・1B及び演習 ■線形代数学2A・2B ●代数学1A・1B/先端代数学
◆代数学2
◆先端代数学特別講義/代数学3
応用数理分野 ●電子計算機及び実習1 ●電子計算機及び実習2
◆数理統計学1
◆数理統計学2 ◆確率論 1・2/情報システム数理/情報通信数理/解析学と計算機/代数学と計算機
教職科目 ◆数学科教育論1・2

※3年次に数学系と先端数理系に分かれ、それぞれに上記の各分野があります。「数学系」は数学の深み=純粋数学を深求し、「先端数理系」は数学の広がり=応用数学を目指します。

2023年度 学修簿 卒業所要単位表

専門
科目
基礎科目 一般教養科目 自由
科目
合計
専門基礎 基幹基礎 関連専門
基礎
自然を学ぶ
科目群
人間と
社会を学ぶ
科目群
キャリア
形成を学ぶ
科目群
外国語を
学ぶ
科目群
領域を
超えて学ぶ
科目群
58 32 30 4 124

卒業研究・
研究室紹介
GRADUATE RESEARCH AND LABORATORIES

解析学分野
数列や関数の列に対してその極限を考えることができます。解析学は、この極限の概念を用いて、変化する量を観察し研究する学問です。
幾何学分野
広く図形をどう捉えるかに関係するのが幾何学ですが、必ずしも見える物だけを扱うわけではなく、もっと広く物の見方や考え方にも及びます。
代数学分野
足し算や掛け算など、演算の性質に注目して実数や複素数、ベクトルなどの構造を体系的に調べるのが代数学です。−(マイナス)に−を掛けるとなぜ+(プラス)になるのか。小学校以来の疑問に代数学は答えを与えます。
応用数理分野
現代の社会におけるさまざまな問題に対して数学を用いることにより答えを見出していくのが応用数理です。創域理工学部の数理科学科であることを生かし、理工学の他分野と連携して研究を行います。

学生の声 VOICE

さまざまな分野とつながる「確率」 輪講形式の学習で理解度も高まる

学生の声

平場研究室 4年 小出 凌也
埼玉県・私立昌平高等学校出身

印象的な授業 一般位相演習B

※内容は取材当時のものです。

自由で謎に満ちた数学の世界 大学院でも学び続けたい

学生の声

八森研究室 4年 今井 麗衣奈
富山県・県立高岡高等学校出身

印象的な授業 基礎数学A

※内容は取材当時のものです。

進路 CAREER

進路グラフ

2023年3月31日現在

主な就職先

  • [情報通信業]
    アイヴィス、SCSK、NECソリューションイノベータ、オービック、ソフトクリエイトホールディングス、ソフトバンク、TIS、東京海上日動システムズ、BIPROGY、日立システムズ、富士通、三菱総研DCS

  • [教育・学習支援業]
    神奈川県公立高等学校、埼玉県公立高等学校、千葉県公立高等学校、東京都公立高等学校、神奈川県公立中学校、埼玉県公立中学校、千葉県公立中学校、東京都公立中学校、私立中学校・高等学校

  • [金融・保険業]
    第一生命保険、千葉銀行、日本生命保険、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJ信託銀行、ゆうちょ銀行、りそな銀行

2020年3月~2022年3月卒業生

自由で謎に満ちた数学の世界 大学院でも学び続けたい

学生の声

八森研究室 4年 今井 麗衣奈
富山県・県立高岡高等学校出身

一つの答えに対して何通りもの解き方、証明方法がある、そんな数学の自由さが好きです。「数論」の研究ではディオファントス方程式などを対象に、整数解はあるか、あるなら解をどのように表すか、なければそれをどうやって証明するのかを考えます。本当にこれで正しいのか?という疑問を、一つずつ解き明かしていくことにやりがいを感じます。4年間の学びでは足りません。大学院でさらに先へと進みたいと考えています。

基礎数学A

小学生の頃に、「無限集合」をテーマにした本を読んだことがあります。授業で先生の解説を聞くことで、曖昧に受け止めていた部分もすっきりと理解することができました。定義を正しく知ることの難しさや大切さを学んだ授業です。

1 Reading and
Writing
Skills 1
Freshman
English 1
2 物理学Ⅰ 中国語
(基礎)
線形代数ⅠA
及び演習
(講義)
基礎解析ⅠA
及び演習
(講義)
基礎数学A
及び演習
(講義)
3 化学 メディアと
コミュニケー
ション
線形代数ⅠA
及び演習
(演習)
基礎解析ⅠA
及び演習
(演習)
基礎数学A
及び演習
(演習)
4 経済Ⅰ 健康スポーツ
A(実技)
5 知的財産基礎
6

新しい概念や考え方との出会い、レポート作成や演習問題の発表といった生活に慣れるのに精一杯でした。課題は比較的少なく、教科書や演習問題の理解に時間をかけることができました。

※内容は取材当時のものです。

さまざまな分野とつながる「確率」 輪講形式の学習で理解度も高まる

学生の声

平場研究室 4年 小出 凌也
埼玉県・私立昌平高等学校出身

研究テーマは確率を測度論の観点から整備する「確率論・確率過程論」です。関数解析、フーリエ変換、常微分方程式、偏微分方程式など解析学の多様な理論の応用先の側面もあり、金融をはじめ情報、工学、土木ほか、さまざまな分野で役立てられることが期待できます。現在は輪講形式で進めており、一人だと曖昧なまま進めてしまうことがありますが、他者への説明を経ることでより理解を深めることができます。

一般位相演習B

数理科学科では演習形式の授業も多く、演習問題を各自が解き、発表した内容に対して先生が指摘、評価します。先生から答えが提示されることはありません。一つの問題をさまざまな側面から捉え学びを深めることができました。

1 オペレーションズ・リサーチB(集中講義)
2 Integrated
Skills in
English 2B
線形代数学
2B
基礎解析学
2B
一般位相B
3 一般位相演習
B
4 プログラム
言語1
Reading and
Writing Skills
2
数学研究基礎
B
5 大気と環境
6

他学科の科目であるプログラム言語や、オペレーションズリサーチ集中講義も履修しました。数学の自主ゼミに取り組むサークルの活動では、多面的な学びを心がけました。

※内容は取材当時のものです。

相木 研究室

[専攻]解析学 [指導教員]相木 雅次 講師 [キーワード]非線型偏微分方程式の解析
[テーマ例]❶流体の運動の数学解析 ❷現象の数学的定式化

私たちの身の回りは、水や空気の流れ、音の伝播、熱の伝導など、複雑な自然現象であふれています。これら現象は多くの場合、非線型偏微分方程式によって記述されます。本研究室ではこのような現象の理解と解明を目指し、現象の特徴を捉えた偏微分方程式に対して数学的な観点からその可解性や解の性質を調べています。

青木 研究室

[専攻]代数学 [指導教員]青木 宏樹 准教授 [キーワード]保型形式とその周辺
[テーマ例]❶保型形式と整数論 ❷楕円関数論 ❸符号理論

保型形式とは(大ざっぱに述べると)ある種の変換規則を満たす関数のことです。保型形式は、整数や素数の性質を調べるときや複素多様体の性質を調べるときなど、数学のさまざまな場面に現れ、興味深い研究の対象となっています。

伊藤 研究室

[専攻]代数学 [指導教員]伊藤 浩行 教授 [キーワード]代数幾何学,応用代数学
[テーマ例]❶代数多様体の数論と幾何 ❷代数多様体の特異点 ❸擬似乱数生成

たくさんの多変数多項式の共通零点により定義される代数多様体を様々な角度から研究しています。多項式の解の集合と捉えることにより数論的な研究を行い、幾何学的対象と捉えることによりそのモジュライ空間の幾何学や特異点を研究しています。また、有限体の応用としての擬似乱数生成についても研究しています。

牛島 研究室

[専攻]解析学 [指導教員]牛島 健夫 教授 [キーワード]非線形放物型偏微分方程式と数値解析
[テーマ例]❶非線形放物型偏微分方程式の解の性質の研究 ❷偏微分方程式の数値解法の研究

さまざまな自然現象が、偏微分方程式と呼ばれる方程式によって記述されます。例えば、熱の伝導、融解する氷、成長する結晶、波の伝播…など枚挙にいとまがありません。本研究室では、特に非線形放物型偏微分方程式と呼ばれるクラスの解の性質を研究するとともに、その解に対する数値解法を研究しています。

大橋 研究室

[専攻]代数幾何学 [指導教員]大橋 久範 准教授 [キーワード]射影幾何学,複素幾何学
[テーマ例]❶代数多様体と自己同型群 ❷古典射影幾何学と対称性 ❸格子理論、群論と有限幾何

「図形」や「空間」の一般化を多様体と言いますが、いくつかの多項式の解の空間として定義された多様体に注目することで、微分トポロジー、可換環論、複素関数論などが結び付いた代数幾何学という面白い分野が現れます。いろいろな代数多様体を、「対称性」をキーワードに調べています。

加塩 研究室

[専攻]代数学 [指導教員]加塩 朋和 准教授 [キーワード]数論
[テーマ例]❶L関数の値と周期の関係 ❷類体論や類体構成 ❸p進的な特殊関数

数論とは「数」の性質、法則を探る学問です。ただし多くの美しい法則は、「数」を眺めているだけでは発見できません。そこでさまざまな数学的対象を深く調べることが、前段階として必要になります。われわれは代数的な考察だけでなく、解析的、幾何的理論も織り交ぜて「数の理論」を紡ぎ出そうと努力しています。

小松 研究室

[専攻]代数学 [指導教員]小松 亨 准教授 [キーワード]整数論
[テーマ例]❶代数体の数論 ❷代数方程式論

素数は整数の集まりの中で最小のもの、原子、素粒子のようなものと思うことができます。一方、整数の集まりに無理数を混ぜると、素数より小さいものが生まれて面白い現象が起きてきます。本研究室では、それらの現象をさまざまな手法で研究しています。

側島 研究室

[専攻]解析学 [指導教員]側島 基宏 講師 [キーワード]偏微分方程式
[テーマ例]❶楕円型作用素の性質の研究 ❷消散型波動方程式の漸近挙動

数学を用いて自然現象を調べる際に、偏微分方程式を用いることがあります。偏微分方程式には様々な型があり、この型がおおまかに現象を分類しています。本研究室では、この中でも楕円型と呼ばれる方程式の性質を中心に研究しています。

田中 研究室

[専攻]幾何学 [指導教員]田中 真紀子 教授 [キーワード]微分幾何学
[テーマ例]❶対称空間の部分多様体 ❷対蹠集合

2次元平面や3次元空間における点対称を、球面のような曲がった空間にも定義することができます。点対称が定義できる空間(これを対称空間と呼びます)には、点対称から導かれるさまざまな良い性質があり、調べやすい構造を持っているので、幾何学における基本的な研究対象となっています。本研究室では、対称空間とさまざまな幾何学との関連の中で新しい現象の発見や解明に取り組んでいます。

八森 研究室

[専攻]代数学 [指導教員]八森 祥隆 准教授 [キーワード]整数論
[テーマ例]❶非可換岩澤理論 ❷ガロア表現の岩澤理論

代数体や楕円曲線、それらを一般化したガロア表現などの数論的対象に興味があります。各対象に付随するセルマー群とゼータ関数の、大きなガロア拡大体上での挙動を調べる岩澤理論を研究しています。

馬場 研究室

[専攻]代数学 [指導教員]馬場 蔵人 講師 [キーワード]微分幾何学
[テーマ例]❶ホロノミー理論 ❷対称空間とリー群作用 ❸特殊ラグランジュ部分多様体の構築

幾何学や数理物理学の分野では多様体と呼ばれる図形を一般化した概念を研究対象としています。多様体の研究では、ホロノミー群(ホロノミー=平行移動による曲がりの概念、群=対称性の概念)によって多様体が持つ幾何構造の性質を捉えることができます。本研究室では、対称空間やハイパーケーラー多様体と呼ばれる多様体が持つ幾何構造の性質を明らかにしていきます。

平場 研究室

[専攻]数理解析学 [指導教員]平場 誠示 教授 [キーワード]確率論,確率過程論
[テーマ例]❶分枝過程(人口モデル) ❷フレミング-ビオ過程(遺伝モデル) ❸ランダムウォークと投票者モデル

花粉のブラウン運動のように、時間とともにランダムに変化するものを確率過程といいます。それらがたくさん集まり、お互いに作用し合うモデルについて研究します。病気の感染なら根絶や全体感染の確率を、人口動態なら絶滅や人口爆発の確率について調べます。

廣瀬 研究室

[専攻]位相幾何学 [指導教員]廣瀬 進 教授 [キーワード]低次元トポロジー
[テーマ例]❶低次元多様体の写像類群 ❷結び目理論

多様体とは、大ざっぱに言うと、局所的にユークリッド空間とみなせる図形のことです。多様体は幾何学の中心的な対象の一つですが、3次元や4次元といった低い次元の多様体に限ってもまだまだ謎が多く、魅力的な対象です。低次元多様体について、写像類群や結び目といった具体的な事柄に関連付けて、研究を行っていきます。

松本 研究室

[専攻]複素解析学 [指導教員]松本 和子 教授 [キーワード]多変数複素関数論
[テーマ例]❶変数複素関数論 ❷多変数複素関数論 ❸複素解析幾何学

関数の微分積分を複素数の世界で行うと、非常に見通しが良くなります。関数の変数が2つ以上の場合には、定義域の境界の幾何学的な性質と関数の性質が密接に関係します。本研究室では、1変数または多変数複素関数論を、解析的・微分幾何学的に研究しています。

山崎 研究室

[専攻]解析学 [指導教員]山崎 多恵子 教授 [キーワード]偏微分方程式
[テーマ例]❶非線形双曲型方程式の大域的可解性 ❷消散型双曲型方程式の解の拡散現象 ❸双曲型・放物型偏微分方程式の摂動問題

熱伝導・拡散現象、弦や膜の振動・音波・電磁波などの自然現象は偏微分方程式で記述されます。数学的観点から偏微分方程式を解析し、可解性、解の大域的挙動や性質、また、方程式の摂動に伴う解の変化等を調べます。

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