Department of Physics

理学部第二部 物理学科

自然と美しさと壮大さにふれる
物理学の世界を探求

科学技術の発展という枠組みの中で、物理学は時代を切り拓くために大きな役割を担ってきました。特に現代のエレクトロニクス、コンピュータの発展は、物理学を根本原理として成り立っており、多くの実質的利益を現実的に作り上げています。また、物理学は自然の美しさと壮大さを感銘的に示しており、物理学を学ぶこと自体が1つの偉大な知的創造ともいえます。物理学を学ぶ者は、その美しさを享受することができるのです。しかし、独学で習得できるほど簡単ではなく、だからこそ大学教育が必要となります。本学科では、そのより有効な教育を、学生に提供しています。

概要図
  • 物理学科の特徴1

    個性を伸ばす
    カリキュラム編成

    1・2年次は入門物理(力学、電磁気学)、物理学実験、数学(微分積分学、ベクトル解析)などの科目で基礎を確実に修得します。必修科目の数は極力少なくし、選択科目の幅を可能な限り広げることで、一人ひとりの個性に応じた自発的な学びを重視しています。

  • 物理数学科の特徴2

    多岐にわたる
    研究フィールド

    4年次には宇宙物理、統計力学・数理物理、固体物理、生物物理、原子物理・粒子線物理の分野に分かれ、卒業研究に取り組みます。また本学科の研究室以外に、第一部物理学科、応用物理学科の研究室を選択することもできるため、多彩な研究フィールドが広がっています。

  • 物理学科の特徴3

    卒業後の進路は
    多種多様

    本学科の卒業生は、情報通信、機械器具をはじめとする様々な分野の企業で活躍しています。中学校・高等学校教諭1種免許状(理科・数学)を取得し、教員を目指す学生もいるほか、大学院修士課程に進学し、さらに博士課程に進学して優秀な技術者・研究者として活躍している人も少なくありません。

基礎情報・資格 BASIC INFORMATION & CERTIFICATION

キャンパス 取得学位 在籍学生総数 目指せる資格
神楽坂キャンパス 学士(理学)

522名
(男子449名/女子73名)

男子 86%/女子 14%

※2024年5月1日現在

・中学校教諭1種免許状(理科・数学)
・高等学校教諭1種免許状(理科・数学)

カリキュラム CURRICULUM

■必修科目 ◆選択科目

1年次 2年次 3年次 4年次
■入門力学/入門電磁気学/微分積分学/線形代数学A・B/基礎物理学実験A・B/ベクトル解析
◆コンピュータ入門/数学序論A・B/物理学序論A・B/入門力学演習A・B/入門電磁気学演習A・B/微分積分学演習A・B/物理化学基礎
■力学A・B/電磁気学1A・1B/熱力学/入門相対論/入門量子力学/物理数学1・2/振動・波動学/物理学実験A(中級コース)B(中級コース)
◆物理数学3/数値解析/情報処理/力学演習A・B/電磁気学演習A・B/物理数学演習A・B/熱力学演習
■量子力学1A・1B/統計力学1/物理学実験A(上級コース)B(上級コース)
◆理科教育論1・2/統計力学演習/電磁気学2/量子力学演習A・B/連続体力学/物理数学4
■卒業研究A
◆卒業研究B
原子核・素粒子物理分野 ◆原子核概論 ◆素粒子論
宇宙物理分野 ◆宇宙物理学A・B/地球物理学 ◆一般相対論  
統計力学・数理物理分野 ◆解析力学 ◆統計力学2/物性論1A・1B/量子力学2/一般相対論  
固体物理分野 ◆量子光学A・B ◆物性論1A・1B/物性論2  
生物物理分野 ◆生物物理学A・B  
原子物理・粒子線物理分野 ◆原子分子物理学/プラズマ物理  

2024年度 学修簿 卒業所要単位表

専門科目 基礎科目 一般教養科目 合計
必修 選択 専門基礎 基幹基礎 関連専門
基礎
必修(外国語) 選択必修(外国語) 選択
24 40 12 12 10 4 4 18 124

卒業研究・
研究室紹介
GRADUATE RESEARCH AND LABORATORIES

宇宙物理分野
宇宙の創生・進化の謎の解明や重力理論の検証を、最新の観測結果を織り交ぜて理論的に行います。
統計力学・数理物理分野
自然現象の背後にある普遍的な構造を理論的に捉え、実験事実の説明や、未知の現象の予言を行います。
固体物理分野
物質の性質を理解する実験、さらにはその性質を応用してデバイスや、機能性材料の開発や研究に迫ります。
生物物理分野
物理的手法を駆使して、生物の構造等を研究します。
原子物理・粒子線物理分野
電子・陽電子や光などを使って、原子の性質を明らかにしていきます。

学生の声 VOICE

働きながら通える理学部第二部は 工夫次第で何でも実現できる場所

永田研究室 4年 西川 英瑠香
兵庫県・国立明石工業高等専門学校出身

印象的な授業 生物物理学A

※内容は取材当時のものです。

半導体の素材の研究開発を通じて物性の発現メカニズムを解き明かす

趙研究室 4年 生田 一馬
宮城県・県立仙台第二高等学校出身

印象的な授業 入門電磁気学

※内容は取材当時のものです。

進路 CAREER

進路グラフ

2024年3月31日現在

主な就職先

  • [情報通信業]
    網屋、NECネッツエスアイ、NSW、オービック、CIJネクスト、SHIFT、ソフトバンク、 第一生命情報システム、パーソルプロセス&テクノロ ジー、日立ソリューションズ、富士ソフト、三井情報

  • [教育・学習支援業、サービス業]
    神奈川県公立高等学校、東京都公立高等学校、私立中学校・高等学校、アウトソーシングテクノロジー、アクセンチュア

  • [公務員、建設業、機械器具、卸売・小売業]
    厚生労働省労働基準監督官、財務省、防衛省、埼玉県、アルチザネットワークス、エプソン販売、きんでん、しまむら、新日本空調、三菱電機エンジニアリング、ワークマン

2021年3月~2023年3月卒業生

梅村 研究室

[専攻]生物物理学 [指導教員]梅村 和夫 教授 [キーワード]ナノバイオサイエンス
[テーマ例]❶ナノ材料が生物に与える影響を調べる ❷1個の細胞の挙動を調べる ❸DNAとナノカーボンの相互作用を調べる

生物も自然界を構成する重要な物質・物体であり、物理学の研究対象として興味深いものです。近年、ナノテクノロジーの発展によって測定技術や加工技術が進歩し、生物を構成する細胞や分子を「ナノレベル」で「1個」ずつ扱うことが可能になってきました。本研究室では、走査プローブ顕微鏡、電子顕微鏡、蛍光顕微鏡、ラマン分光などの手法を用いて、生体分子や細胞を1個ずつ「視る、触る、加工する」研究を行っています。

加瀬 研究室

[専攻]宇宙物理学 [指導教員]加瀬 竜太郎 講師 [キーワード]宇宙論,重力理論
[テーマ例]❶暗黒エネルギー ❷密度揺らぎの進化と宇宙の大規模構造 ❸ブラックホール・中性子星

宇宙論・重力理論における未解決問題を最新の観測データを用いつつ理論的に解明することを目的としています。主に、現在の宇宙のおよそ7割を満たし宇宙を加速膨張させる未知の成分である暗黒エネルギーの起源の解明に取り組んでいます。更に2015年に初めて直接検出された重力波の観測データを用いた重力理論の検証に向け、一般相対論とそれを拡張した重力理論におけるブラックホールや中性子星の研究を行なっています。

堺 研究室

[専攻]数理物理学、統計物理学 [指導教員]堺 和光 准教授 [キーワード]可解模型,量子可積分系
[テーマ例]❶共形場理論と確率過程 ❷(1+1)次元量子系の輸送特性 ❸量子ソリトン

統計力学や場の量子論では、無限自由度の問題をどのように取り扱うかが本質的な問題となります。本研究室では、特に量子多体系にみられる非摂動的な量子効果がもたらす現象や、臨界現象にみられる普遍的な性質に対して、場の理論や可解模型などの解析的な方法を用いた研究を行っています。また、可解模型の背後に隠されている数理構造も探求しています。

趙 研究室

[専攻]物性物理学 [指導教員]趙 新為 教授 [キーワード]半導体量子構造,ナノ材料とナノデバイス
[テーマ例]❶半導体発光デバイス ❷ナノ材料とナノ加工 ❸透明型太陽電池

ナノサイズの半導体では、電子の波動性が顕著に現れます。本研究室ではナノ、発光、磁性と環境をキーワードに、シリコンをベースとしたナノサイズの光磁性半導体を創出し、新しい機能デバイス、例えば光磁気デバイスや新型LED、量子デバイスへの応用を研究しています。また、環境半導体の光触媒効果や新型太陽電池、グラフェンの作製と加工の研究も行っています。

長嶋 研究室

[専攻]原子物理学、物性物理学 [指導教員]長嶋 泰之 教授 [キーワード]陽電子物理
[テーマ例]❶ポジトロニウム負イオンの研究 ❷ポジトロニウムの研究 ❸陽電子消滅誘起イオン脱離の研究

物質を構成する電子や陽子には反粒子が存在します。陽電子を用いた基礎研究を行っています。例えば、電子と陽電子の束縛状態であるポジトロニウムや、さらにもう一つの電子が束縛したポジトロニウム負イオンについて研究しています。また、固体表面で陽電子が対消滅したときにイオンが放出される現象についても研究を行っています。

西尾 研究室

[専攻]低温物理学、物性物理学 [指導教員]西尾 太一郎 教授 [キーワード]超伝導物理
[テーマ例]❶新奇超伝導現象の研究 ❷磁束量子の研究 ❸新規超伝導体の探索

多くの金属では極めて低い温度で電気抵抗がゼロになります。これは量子現象の一種で、超伝導と呼ばれています。本研究室では、超伝導を量子コンピュータなどに役立てるために、超伝導体を様々に加工または接合することによって現れる新しい超伝導現象の研究をしています。また、磁束量子の研究および高い温度で超伝導状態になるような新しい物質の探索などについても研究を行っています。

目黒 研究室

[専攻]表面物理学 [指導教員]目黒 多加志 教授 [キーワード]量子ビーム,表面ナノ構造
[テーマ例]❶NEA表面活性化機構解明、および高効率、長寿命電子線源への応用 ❷超高真空STMを用いたNEA表面の構造解析と活性電子放出サイトの同定 ❸新しい電子放出源の提案

光やイオン、電子等の量子ビームを物質表面に照射し励起を行うと、熱平衡過程では起こりえない多様な現象が誘起されます。本研究室では、量子ビームと表面の相互作用の物理およびそれらを利用した機能性表面創製の研究を行っています。主として負の電子親和力を有する表面における電子放出過程、新規ナノスケール電子線源開発、および機能表面のリアルタイム観察技術の開発を行っています。

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