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教員養成の目標と計画教職課程 情報公表

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大学としての教員養成に対する理念、設置の趣旨等

本学は、明治14(1881)年に東京大学を卒業間もない若い21名の理学士らにより「東京物理学講習所」として創立され、2年後に東京物理学校と改称された。当時は自由民権運動が盛んな時期で、政経・法科の教育・研究が活発になる一方、理学が軽んじられる傾向があった。そこで、創立者たちは「理学の普及を以て国運発展の基礎とする」との建学の精神を掲げ、理学の普及運動を推進した。この結果、東京物理学校で教育を受けた多くの卒業生が、明治・大正期のエリート養成学校である中等学校や師範学校の教壇に立ち、理学の普及に大きな役割を果たした。教育方針としては、創立以来、真に実力を身につけた学生だけを卒業させるという「実力主義」を旨とし、その伝統は今日まで引き継がれている。

本学の教職課程の最大の特色は、専門教育を基盤とした理数教員養成にある。その伝統を継承し、本学の教職課程教育は、高度の専門教育を基盤とした教科に関する専門知識、学校現場で活かすことができる授業実践力、多様な問題に対応できる生徒指導力、教員としての職業モラルと職務遂行能力を有する教員を育成する。

詳細

(1) 高度の専門教育を基盤とした教科に関する専門知識

教科指導力を支える重要な要素は、教員自身の専門教科に関する知識である。これは、専門科目に関する単なる知識を指すものではなく、その知識の背景にある様々な事象に対する深い理解、さらにはその学問全体の真理を感じ悟ることによって初めて得られる高度な認識を指すものである。この教科に関する専門知識があってこそ、中学生・高校生という発達段階の異なる学習者に対して、誤りなく正確な知識を伝達することが可能となるため、本学の教職課程では、高度の専門教育を基盤とした教科に関する専門知識を修得させる。

(2) 学校現場で活かすことができる授業実践力

授業実践力は、「わかりやすい、おもしろい、ためになる」授業を行える力である。学校現場で問われるのは、教員の専門科目に関する知識とともに、学習者の興味・体験・知識に応じて、「いかにわかりやすく、おもしろく、学習者がためになったと感じられる授業をできるか」という授業実践力である。本学の教職課程では、その全科目を通じて、学生が学校現場で授業を行うことを想定し、教材研究、教材開発、年間指導計画・単元・授業構成(指導案の作成)、情報機器の活用、プレゼンテーション、生徒からの質問や予期せぬ行動への対応、個別学習や小集団学習の統制といった学校現場で活かすことができる授業実践力を修得させる。

(3) 多様な問題に対応できる生徒指導力

学校現場では、生徒の多様な悩みや問題を解決する力、将来の夢や希望の実現を援助できる力といった生徒指導力が教員に求められている。学校現場における生徒指導力には、教育相談(保護者面談・進路相談を含む)の力、生徒の実態把握や理解をするアセスメントの力、問題解決やキャリア達成のための個別援助計画を作成する力、学校・家庭・関係機関と連携するコーディネーションの力、同僚教員・保護者・地域の関係者に助言するコンサルテーションの力、危機管理や危機対応の力等が必要であるため、本学の教職課程では、多様な問題に対応できる生徒指導力を修得させる。

(4) 教師としての職業モラルと職務遂行能力の育成

本学の教職課程では、授業や体験学習において、単に教職に必要な専門的知識や技術の習得をめざすだけでなく、教員としての社会的使命や服務の理解、犯罪行為の防止教育を通じて、教員としての職業モラルを修得させる。同時に、社会人としての生きる力となる人間関係形成能力、コミュニケーション能力、情報探索・活用能力、ストレス対処能力、意思決定能力といった教員としての職務遂行能力を修得させる。

教職課程の到達目標

本学の教職課程の具体的な到達目標は、次のⅠ~Ⅳの各事項に設定した8項目である。

Ⅰ 教員として求められる使命感や責任感、教育的愛情等に関する事項

Ⅱ 教員として求められる社会性や対人関係能力に関する事項

Ⅲ 教員として求められる生徒理解や学級経営等に関する事項

Ⅳ 教員として求められる教科の指導力に関する事項

これらの資質能力が身についているかを最終的に確認する科目が、4年次後期に履修する「教職実践演習」である。そこに至るまでの各段階における到達目標は、次のとおりである。

1年次
1年次と2年次は、基礎学修期である。「教職概論」では、教育に関する多様な実践例をとおして、教員の実務に必要な基礎的な知識の定着を図る。具体的な到達目標は次のとおりである。
  1. 専門職としての教職へのプロセスを説明できる。
  2. 教職の意義および教員の役割について説明できる。
  3. 教員の職務内容(研修、服務および身分保障など)について説明できる。
  4. 特別支援教育について説明ができる。
  5. 多様な教育関係情報を収集できる。
2年次前期
「教育学序説」では、現代日本の教育が直面しているさまざまな問題を扱いながら、教育の歴史、理念、哲学、思想について学ぶ。具体的な到達目標は次のとおりである。
  1. 教育を社会的な現象としてとらえることができる。
  2. 教育学的なものの見方や考え方を身につけている。
  3. 教育に関する社会的、制度的、経営的事項について説明できる。
「学習・発達論」では、教育指導に必要な学習理論と発達心理学の知見を学ぶ。また、障害のある生徒の心身の発達および学習の過程について学ぶ。具体的な到達目標は次のとおりである。
  1. 生徒の心理や心の問題を理解する力を身につけている。
  2. 生徒の学習過程と教師の教授行動との関連について理解している。
  3. 心理学的な知見を実践現場で効果的に活用する力を身につけている。
2年次後期
「教育原理」では前期の「教育学序説」を、「教育心理学」では前期の「学習・発達論」を、それぞれ踏まえ、その内容を深めることがねらいである。介護等体験では、体験が教師をめざす学生にとって意義深いものとなるよう、体験に先立って学内教育プログラムを実施する。その目的を「人間関係構築力の形成」とし、「自己理解」「他者理解」「ソーシャルスキル」から成る人間関係構築力を、ガイダンス、事前指導、直前指導をとおして、多角的に指導する。
3年次前期
3年次と4年次は、応用実践学修期である。教科教育論の授業(「数学科教育論1」・「理科教育論1」など)では、教育課程の意義および編成の方法についての理解を深めるとともに、学習指導要領の内容を踏まえ、教科教育の指導理念、指導内容、指導法、評価方法等について学び、教科指導力の基礎を培う。教科指導法の授業(「数学科指導法1」・「理科指導法1」など)では、教科指導法の基本を身につけ、主体的に授業改善を図る能力を養う。指導案の作成、模擬授業の実施・検討・評価等をとおして創造的・実践的な指導力・企画力の向上をめざす。「教育方法・技術」では、板書や発問、教育機器の活用等、教育方法や授業技術の基礎を身につける。また、「道徳教育」、「特別活動」、「生徒指導論」では、文部科学省や地方教育委員会の教育施策を踏まえつつ、様々な教育問題の実態、指導法(理論および方法)、課題、関連法規等について学び、学校教育の担い手としての自覚と責任感を培うことをめざす。
3年次後期
「教育実習指導(事前)」では、大学において学んだ教科や教職に関する専門的な知識が、実習校における実習で有効・適切に反映されるよう、組織的・計画的に事前の指導を行い、教育者としての使命感を深め、教員としての能力・適性についての自覚を高めることを目的とする。具体的な到達目標は次のとおりである。
  1. 教育者としての使命感を深めることができる。
  2. 教員としての能力・適性についての自覚を高めることができる。
  3. 教員となるための基礎的・実践的能力と態度を養うことができる。
  4. 実習校において有効・適切に反映するための素養を習得することができる。
  5. 教育実習で必要とする教科指導力・生徒指導力を磨くことができる。
「カウンセリング概論」では、カウンセリングに関する基礎的な知識を含めて教育相談の理論および方法を学ぶ。具体的な到達目標は次のとおりである。
  1. 教育相談のためのカウンセリング理論や技法を習得している。
  2. 学級運営のためのカウンセリング理論や技法を習得している。
  3. 教師として必要なカウンセリング・マインドを身につけている。
  4. 教育相談に求められる基本的知識(スクールカウンセラーの役割や他機関との連携)を理解している。
  5. 教師自身の精神衛生を健康に保つ方法、および職場での人間関係の構築に求められるコミュニケーションスキルを習得している。
4年次前期
教育実習は、実習校において、経験豊かな指導教員の下、生徒との直接的な接触をとおして、教職の体験を積み、教員になるための基礎的実践的能力と態度を養う。また大学において学んだ教科や教職に関する専門的な知識を、現実の学校教育に運用するための創意工夫や問題解決能力等を養う。
4年次後期
「教職実践演習」では、大学4年間で学んだ知識や理論と、教育実習等で得られた教科指導力や生徒指導力等の実践知とのさらなる有機的統合を図り、教職への確かな自覚を培い、教員としての資質能力の構築とその確認を行う。

教職課程の到達目標の確認指標となる評価項目および教職課程カリキュラムマップについて

「教職課程の到達目標の確認指標となる評価項目」記載の各項目は、「教職課程カリキュラムマップ」と対応しています。
併せて参照してください。

数学教員養成のための系統的指導について

理科教員養成のための系統的指導について

カリキュラムモデルについて