News

東京理科大学 総合研究院 スペースシステム創造研究センター 第3回宇宙シンポジウム(3/10)開催報告

 

2022年3月10日(木)会場・オンライン同時開催にて、
「東京理科大学 総合研究院 スペースシステム創造研究センター 第3回宇宙シンポジウム」
が開催され、180名を超える企業や研究機関、一般の方、教職員、学生の参加がありました。

 

 シンポジウムの前半では石川正俊学長によるご挨拶の後、本学の教員によるスペースシステム創造研究センター成果報告会が行われました。
 始めに、木村真一センター長よりセンター全体の報告として、センターコンセプトの「宇宙で暮らすために必要なことは地上でも重要なことであり、宇宙を目指すことは地上を幸せにする。地上-宇宙Dual開発」についてと、2021年10月のISS「きぼう」日本実験棟内での袋型培養槽技術や、ISSに打ち上げ予定の「光触媒技術による空気浄化装置」などのトピックの紹介がありました。

 続いて教育ユニット、光触媒国際ユニット、スペース・コロニーユニット、スペースプレーンユニットそれぞれから成果報告がありました。
エネルギー、水、空気、食料など住むために必要な衣食住技術に着目し、もともと理科大が持っている高い技術力を宇宙に向けて研究したことによって様々な研究テーマが立ち上がりました。成果報告ではそれぞれの研究成果について紹介されました。
 また、誰もが宇宙に行けるロケット開発についても実験機の飛行実験動画映像なども紹介され、着実に開発が進んでいることが報告されました。
 今後センターとしては、宇宙でサバイバルで暮らすのではなく、QOL(クオリティ オブ ライフ)をあげて、豊かに暮らすことも視野に入れ、地上との通信やフィットネスなど、更に多くの研究が立ち上がっており、活発な活動を続けるセンターに今後もご期待くださいとのお話がありました。

 

 成果報告として国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 宇宙探査イノベーションハブ 技術領域主幹 上野 宗孝様より、「宇宙で暮らすということは、人類が全く新たな環境で生命圏を築くことができるか否かに挑戦する活動であり、理科大が今まで培ってきた非常に広い技術が必要になる。JAXAと理科大で現在共同研究しているARTEMIS搭載の生命維持システム(ECLSS)に向けた研究開発や、月面建築に向けた要素技術の研究開発、宇宙での居住に関わる研究開発(放射線計測・防御に関わる技術)のみならず、今後は人材育成まで視野を広げてお互いに連携しあえる関係を現在準備している包括連携を基盤に作っていきたい。」とお話いただきました。

 清水建設株式会社 フロンティア開発室 宇宙開発部 鵜山 尚大様からは、「現在、国土交通省の「月面当での建設活動に資する無人建設革新技術開発推進プロジェクト」に清水建設、太陽工業、東京理科大学の3社共同で
「月面インフレータブル居住モジュールの検討」を提案し、採択され検討を進めている。
 今後も月面長期滞在の実現と宇宙・地上のデュアルユースを目指して両者で協力しながら進めていきたい。」とのお話を頂きました。

 

 後半の来賓講演では、内閣府 宇宙開発戦略推進事務局 参事官 齊藤 永様、文部科学省 宇宙開発利用課 課長 福井 俊英様、アリアンスペース社 東京事務所 代表 高松 聖司様、一般社団法人 Space Port Japan 代表理事 山崎 直子様より来賓講演をいただきました。

 ご講演いただいた来賓の方々にご参加いただき、米本浩一教授をコーディネーターとし、「我が国の宇宙産業の未来」と題しパネルディスカッションが行われました。
1.商業宇宙輸送の幕開け、2.宇宙産業の将来市場、3.宇宙ビジネス拡大に向けた施策について熱い議論が行われました。

 

 また、会場限定で開催したポスターセッションには、会場にお越しいただいたほとんどの方がご参加いただき、活発な議論が行われていました。

 

 開催後に実施したアンケートでは、「これまで知らなかった日本の宇宙産業への取り組み、宇宙ビジネスのスケール感を知ることができた」「まだ先のことと思っていたことが現実化に向けて進んでいることが分かった」「未来の宇宙開発に向けた貴校の想いと登壇者の皆様のお話に刺激を受けた」「今後の進路を決める上で、参考になった」などの声をいただきました。

石川正俊 学長

センター長兼教育ユニット長 木村 真一教授

光触媒国際ユニット長 寺島 千晶教授

スペース・コロニーユニット長 向井 千秋 特任副学長

スペースプレーンユニット長 米本浩一教授

上野 宗孝 国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 宇宙探査イノベーションハブ 技術領域主幹

鵜山 尚大 清水建設株式会社 フロンティア開発室 宇宙開発部

齊藤 永 内閣府 宇宙開発戦略推進事務局 参事官

福井 俊英 文部科学省 宇宙開発利用課 課長

高松 聖司 アリアンスペース社 東京事務所 代表

山崎 直子 一般社団法人 Space Port Japan 代表理事

パネルディスカッションの様子

髙柳 英明 研究推進機構 総合研究院長

向後 保雄 副学長

 

ポスターセッションの様子

 

プログラムはこちら