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「スペースコロニーデモンストレーションモジュール」オープン

東京理科大学は国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)及び清水建設株式会社と共同で、将来の宇宙居住に関する共同研究を進めて参りましたが、この度、東京理科大学野田キャンパスに、宇宙居住に関する様々な要素技術の実験を行う共同実験プラットフォーム「スペースコロニーデモンストレーションモジュール」を設置しました。
また、2019年7月30日(火)のオープンに伴い、オープニングセレモニーを実施しました。
【スペースコロニーデモンストレーションモジュール】
場 所 : 東京理科大学 野田キャンパス 1号館屋上
住 所 : 〒278-8510 千葉県野田市山崎2641
【東京理科大学・JAXA・清水建設株式会社による宇宙滞在技術の検討に係る連携協力】
月や火星を目指す国際宇宙探査の検討においては、現在、多くの国の当面の関心が月近傍や月に集まっており、有人探査を月近傍から月、火星へと進める流れがあります。
2018年3月に東京で開催された第2回国際宇宙探査フォーラム(ISEF2)においても、月・火星・その先の太陽系の探査活動が広く国際的に共有された目標であり、当面の目標として月に向かう流れがあること、また国際協力の重要性が確認されました。
このような動向を踏まえ、JAXAでは、国際宇宙ステーション(ISS)プログラムへの参画や宇宙科学ミッション等で培った技術や知見を最大限に活用し、米国が構想する月近傍有人拠点(Gateway)への参画や月面での持続的な有人探査活動の実現に向けて、技術検討を進めています。
清水建設株式会社では、月面拠点の構想を発表し、人が月面に滞在するための技術研究を30年に亘り取り組んできました。特に月面での建設技術は、総合建設会社として最も貢献できる分野として高い関心を持っています。月面での建設では、地球とは大きく異なる環境で、快適な空間を作るための施工技術や材料技術が必要となります。宇宙滞在技術の検討に係る連携協力では、これまで培ってきた宇宙建設技術で人類の月面滞在を後押しします。なお、スペースコロニーデモンストレーションモジュールは、清水建設の宇宙建設技術を用いて設計・製作・建設を担当しました。
そこで、東京理科大学では、スペース・コロニー研究センターの発足に伴い、将来の有人月面探査において、深宇宙スペースコロニーを月面上に展開し運用する構想に関し、共同で深宇宙スペースコロニーのシステム概念検討を行い、その実現に必要な技術要素及び研究課題の洗い出し並びに研究開発計画の検討をすることを目的として、JAXA及び清水建設株式会社と宇宙滞在技術の検討に係る連携協力をスタートし、協力してスペースコロニーの実現に必要な研究を進めてきました。
【スペースコロニーデモンストレーションモジュールの概要】
このような連携協力の一環として、環境維持技術やエネルギー生成・蓄積技術など様々な要素技術を実験・実証するプラットフォームとして、スペースコロニーデモンストレーションモジュールを東京理科大学野田キャンパスに、構築することにしました。
宇宙空間で居住空間を構築する技術は様々ありますが、今回、一つの試みとして、気体を用いた膨張により空間を構築するインフレータブル構造物について実験的に活用することにしました。インフレータブル構造物は軽量でコンパクトに収納した状態で打ち上げた後で非常に大きな空間を容易に構築できる点が特徴です。今回のデモンストレーションモジュールでは、その内部で環境維持技術などの実験も行う事を想定しているので、2重の扉構造などを備え、モジュール内部の気密が保てるよう工夫されています。
また、東京理科大学において研究を進めている環境維持技術と組み合わせることによって、地上においても災害時の居住空間構築などにも活用することが期待できます。
【今後の展望】
今後、スペースコロニーデモンストレーションモジュールを拠点として、東京理科大学・JAXA・清水建設株式会社の三者で協力しつつ、宇宙居住を実現するための様々な要素技術の研究・実証をすすめて行くことで、人類の宇宙進出に対して積極的に推進していく計画です。
【オープニングセレモニー】
開催日 : 2019年7月30日(火) 14:00~15:30
場 所 : 東京理科大学 野田キャンパス 1号館 4階 会議室
内 容 :
1.挨拶 学校法人東京理科大学理事長
東京理科大学学長
JAXA代表
清水建設株式会社代表
2.スペースコロニーデモンストレーションモジュール概要説明
3.テープカット
4.内覧会
■セレモニーの様子
 
 
■セレモニーの詳細(理科大HP)はこちら