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無機工業材料 (層状粘土鉱物、結晶化ガラス)の研究をしている町田慎悟助教が論文発表「Regioselective Approach to Characterizing Increased Edge Availability in Layered Crystal Materials following Layer Expansion: Reaction of Kaolinite with Octadecyltrimethylammonium Salts」

トランプのような構造をもつ層状結晶は層と層の間が拡大して有害分子などを取り込むことが可能です。このような分子は一般的に層表面と相互作用しますが、端面とも相互作用します。
そのため、層と層が拡大すれば、端面同士の距離が離れるので、より有害分子が端面にアクセスしやすくなり 、このことは誰もが想像できます。しかしながら、このことを確実に証明した研究はありませんでした。
一方、陶磁器の原料でもある層状の粘土鉱物のカオリナイトは、端面と層表面の相互作用が異なる極めて特徴的な層状結晶であり、領域選択制を有するといえます。この領域選択制を巧く使うことによって、層状結晶の層の拡大に伴った反応可能な端面の増加を証明することに成功しました。層状化合物は光触媒の担体にも用いられることがあるため、この知見は光触媒材料の基礎的な評価を行う上で、大いに意義があるでしょう。

 

■論文タイトル

Regioselective Approach to Characterizing Increased Edge Availability in Layered Crystal Materials following Layer Expansion: Reaction of Kaolinite with Octadecyltrimethylammonium Salts

■掲載誌

Materials 2022

 

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