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【開催報告】第11回スペース・コロニー講演会 JAXA山崎千秋氏「JAXAのECLSS研究開発における要素技術検討状況」
3月11日(木)第11回スペース・コロニー講演会をオンラインにて開催しました。JAXA山崎千秋様を講師としてお招きし、「JAXAのECLSS研究開発における要素技術検討状況」についてご講演いただきました。
講演では生命維持・環境抑制制御を実現する有人宇宙滞在技術(ECLSS)と月周回有人拠点(Gateway)についてのご紹介にはじまり、2025年を目標に、GatewayにECLSS技術を搭載し、実際月に人類が探査に行く計画についてフェーズ1の短期滞在、フェーズ2の長期滞在に耐えうるECLSSの12機能について詳しく解説していただきました。
また、2028年を目標に与圧ローバ―での宇宙飛行士による月面探査に関し、与圧ローバ―に適したECLSSの構成や課題等についてもご説明いただきました。
今後のECLSSに必要な新技術の適用性研究では、有毒ガス除去装置に代わるものとして「光触媒技術を活用した不要ガス除去」の技術を紹介いただきました。
光触媒技術を活用した不要ガス除去は本センターの水・空気再生技術チームと共同研究しているもので、この技術開発によりECLSS装置に必要な活性炭など消耗品の低減を実現することが可能になります。
質疑応答ではメタン分解についてや、ECLSS技術の地上展開についての質問があり、活発な議論が行われました。
最後に向井千秋センター長より、「ECLSSは宇宙滞在でも神髄的な技術であり、地上への貢献度も高いのでぜひ多岐に渡る共同研究ができることを期待している。」とのお話があり、非常に有意義な講演会となりました。