News

スペースシステム創造研究センター 2022年度成果報告会(3/7)開催報告

 2023年3月7日(火)野田キャンパス7号館6階の講堂で、会場・オンライン同時開催にて、「スペースシステム創造研究センター 2022年度成果報告会」が開催されました。

 各種報道等で取り上げられておりますように、H3ロケット打ち上げが同日午前中に延期されたことに伴い、基調講演・パネルディスカッションをお願いしておりました登壇者の方々の日程調整が困難となったため、【基調講演】並びに【パネルディスカッション】については開催を延期し、【成果報告会】および【ポスタ―セッション】 のみの開催となりました。

急なプログラム変更にも関わらず、100名を超える参加(企業や研究機関、一般の方、教職員、学生)がありました。

 学長の石川正俊によるご挨拶の後、本学の教員によるスペースシステム創造研究センター成果報告会が行われました。

 始めに、木村真一センター長よりセンターが目指す「地上-宇宙Dual開発」と4つのユニットについてお話がありました。
宇宙での居住を研究するということは、限られたリソースの環境下にミニ地球を作るのと同じであり、宇宙を目指して開発される技術は地上にも必要であり、地上も幸せにすることができます。センターは、地上と宇宙の好循環サイクルを形成することにより社会課題解決のための共創の場を構築していきます。センターには教育ユニット(宇宙教育)、スペース・コロニーユニット(宇宙居住)、スペースプレーンユニット(宇宙輸送)、光触媒国際ユニット(光触媒技術)があり、これらの4つのユニットを合わせて研究活動しています、とのお話しがありました。

 続いて、教育ユニット、光触媒国際ユニット、スペース・コロニーユニット、スペースプレーンユニットの各ユニットから成果報告がありました。

 「教育ユニット」では、令和3年度宇宙航空科学技術推進委託費「人文社会×宇宙」分野越境人材創造プログラムに採択され、「宇宙教育プログラム2.0」を始動した件、学生ベンチャーの「宇宙の学び舎seed」が科学技術館STEMや足立区生涯学習センターなどで、様々なイベントを実施した件、理工学研究科の大学院科目として「宇宙教育プログラム講義」と「宇宙教育プログラム演習」の2科目を開講した話がありました。

 「光触媒国際ユニット」では、国際宇宙ステーションでの袋型培養槽技術によるレタス栽培実験、二酸化炭素を資源化する研究、光触媒の高活性化のために微細な助触媒を精密に合成する研究、カーボンリサイクル研究、殺菌機構解析などの研究成果について報告がありました。においや化学物質を放出や貯蔵・移動ではなく、分解・無害化できる光触媒技術は、資源循環・環境循環の切り札の技術として活用することができるとのお話しがありました。

 「スペース・コロニーユニット」では、地上-宇宙デュアル開発型近未来都市機能研究拠点がCOI-Next育成型として採択されたことの報告がありました。このプロジェクトでは、月や火星のみならず、地上のインフラが閉ざされた災害地などのリモート地などで、人が安全・安心・快適に暮らす技術の研究をしていきます。宇宙で暮らすことをモデルとして開発することで、地上のリモート地、災害地も支援することができるようになります。また、インフレータブル月面居住モジュールが国土交通省スターダストプログラムRSに昇格、宇宙居住環境構築技術がムーンショット課題として採択、ガンダムオープンイノベーションの公式パートナーに選定されたとの報告がありました。

 「スペースプレーンユニット」では、飛行機に乗るように宇宙空間に行って帰ってくることを目指してロケットの研究開発を進めています。2027年は無人、2029年には有人のサブオービタルスペースプレーンを宇宙飛行させる計画で研究を進めているとのお話しがありました。法制化や、小型有翼ロケット実験機による飛行実証の報告がありました。

 成果報告来賓講演では、有人宇宙システム(株)(JAMSS)の佐藤様より、「JAMSSのLEO商業化への取り組み―光触媒空気浄化装置技術実証-」と題してご講演をいただきました。宇宙ステーション内の「におい」問題を解決するため、2022年4月に共同研究で開発した装置(Ax-1)をAxiom Space社民間宇宙飛行ミッションに搭載しISSへ打ち上げ、同年8月に回収し、現在分析中であることと光触媒空気浄化装置技術実証実験についてのご報告がありました。

 最後に常務理事の樋上賀一よりご挨拶があり、成果報告会は終了となりました。

 その後、会場限定で開催したポスターセッションには、会場にお越しいただいたほとんどの方が参加され、活発な議論が行われました。

学長 石川正俊

教授 木村真一

教授 寺島千晶

スペース・コロニーユニット長 向井千秋

スペースプレーンユニット長 米本浩一

JAMSS 佐藤巨光様

常務理事 樋上賀一

ポスターセッションの様子1

 

ポスターセッションの様子2

 

ポスターセッションの様子3