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【開催報告】第15回スペース・コロニー講演会「来るべき宇宙世紀における臨床医療に対する取り組み」「デジタル技術を用いた新たな医療について ~宇宙空間での遠隔医療にどのように応用できるか~」

2023年1月14日(土)第15回スペース・コロニー講演会をオンラインで開催しました。
埼玉県立循環器呼吸器病センター 瀧澤 玲央先生と国際医療福祉大学 黒住 献先生を講師としてお招きし、
将来の宇宙居住に向けた医学分野における取り組みについてご講演いただきました。

 

前半では瀧澤先生より「来るべき宇宙世紀における臨床医療に対する取り組み」をテーマにお話しいただきました。
今後民間事業としての宇宙観光業が確立し、だれでも宇宙に行ける時代になった際には宇宙医学が必要になります。
無重力の宇宙で医療を行う際には多くの課題があり、たとえば、地上で当たり前に行っている点滴は重力を利用したものであり、無重力、微小重力下ではどのような方法で行うか、ISS内で揮発性の消毒液は使えないが滅菌や消毒をどうするか、微小重力での粉末剤の内服方法など様々な課題とその対策についての研究のお話を頂きました。

 

後半では黒住先生より「デジタル技術を用いた新たな医療について ~宇宙空間での遠隔医療にどのように応用できるか~」をテーマにお話しいただきました。
地上で課題になっている発展途上国や過疎地域での専門医の不足に対して、黒住先生は革新的なデジタル技術を使って、画像診断や遠隔医療を取り入れ医療の均一化に取り組んでいます。
この技術は民間人が宇宙に滞在する際にも必要なことであり、医療だけでなく通信や工学分野など様々な分野を融合した医療システム構築についてお話しいただきました。

 

ディスカッションでは参加者それぞれの研究分野の視点からの質問や意見があり、活発な意見交換が行われました。
今後も将来の宇宙居住に向けて、連携して研究を進める関係構築にもつながり、大変有意義な講演会となりました。