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特別記念講演「Ivermectinの過去・現在・未来」

大村 智

北里大学 特別栄誉教授 / 東京理科大学 特別栄誉博士 / 2015 年ノーベル生理学・医学賞受賞

山梨大学学芸学部卒業、東京理科大学大学院理学研究科修士課程修了。山梨大学工学部助手、北里大学薬学部助教授、米国ウエスレーヤン大学客員教授を経て、北里大学薬学部教授、社団法人北里研究所所長等を歴任し、現在、北里大学特別栄誉教授、日本学士院会員。 寄生虫による感染症の新たな治療法に関する発見により、2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞。これまでに微生物の生産する約500種の化合物を発見し、その中のひとつをもとに開発された「イベルメクチン」は、アフリカを中心に3億人以上の人を感染症から救った。

Satoshi Omura

講演

メカはますます重要:情報だけでは体は動きません

小林 宏

工学部機械工学科 教授

人として生きていくために、体を動かし続けられること、健康であり続けることはどんな素晴らしい情報にも勝ります。 情報を生み出すための装置もメカですが、体を動かすサポートができるのもメカだけで、一生動き続けることができ、自立した生活が送れるようなメカの開発は、少子超高齢社会には不可欠です。 健常者、及び非健常者のための、直接的、間接的に体の動きをサポートする独自の装置・製品を、簡単にご紹介します。

座談会

花王Kireiな未来共創プロジェクト− 人々の暮らしを豊かにするための革新的な技術開発 −

由井 宏治

理学部第一部化学科 教授

四反田 功

理工学部先端化学科 准教授

瀬木 恵里

先進工学部生命システム 工学科 教授

松尾 恵子

花王株式会社 コーポレート戦略部門 外部連携室

「共創プロジェクト」は、本学教員が、企業等の中期的な研究開発戦略に沿った研究をともに進めていくプロジェクトで、大学と企業の「知の共創」と呼ぶべき研究活動と位置づけられています。
その第1号として設置されたのが「花王Kireiな未来共創プロジェクト」になります。
世界をリードする本学の生物電気化学及び界面科学、脳科学に関する知見と花王の製品開発研究及び基盤技術研究を融合させた研究を行っています。

講演

量子コンピューター− 東京理科大における超伝導回路の取組み −

蔡 兆申

理学部第一部物理学科 教授

超伝導現象は巨視的な量子状態であります。このような状態は、精巧に設計された超伝導回路において、「量子コヒーレント」に振る舞います。 これは二つの状態を同時に表すという、大変奇妙な量子力学の特性を反映したもので、この基本回路は量子ビットと呼ばれます。
量子ビットを集積化することで、量子コンピューターと呼ばれる、現代のコンピューターの能力をはるかに凌駕する計算機へ向けた研究が世界的に進められています。講演では超伝導の巨視的量子状態を使った量子回路を如何に実現し、量子コンピューターの実現に向け、世界中で如何に取り組まれているかを解説します。

座談会

革新的次世代医薬への期待

和田 猛

薬学部生命創薬科学科 教授

磯部 総一郎

日本薬剤師会 専務理事、東京理科大学客員教授 山口東京理科大学理事長特別補佐、特命教授

松澤 寛

日本製薬工業協会医薬品評価委員会 臨床評価部会長
アステラス製薬株式会社 開発推進部

近年、新しいタイプの医薬品が次々と開発され、これまで治療が困難であった病気に対する薬も実用化されつつあります。例えば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチンは、核酸分子を用いる全く新しい医薬品です。本講演では、医薬品開発の歴史と現状を俯瞰し、従来の低分子医薬、抗体医薬に続く新しい医薬として期待されている核酸医薬について紹介します。また、企業や大学における創薬研究から薬学教育にいたるまで幅広く議論します。

講演

安全な食と環境をめざした有機農業システムの開発に向けて

有村 源一郎

先進工学部生命システム工学科 教授

安心で安全な食を供給しつつ、価格競争や環境に配慮した農作物の生産を実現するためには、新たな農作物の生産システムの開発が急務の課題です。 我々の研究は、植物が病害虫から身を守るための防御能力を潜在的に高めることで、農薬の使用を極限にまで抑え、食の安全と環境保全に同時に配慮した生産システムを開発することを目指しています。
本講演では、“植物はどのように自身の身をまもるのか”“このシステムを農業に実装させるためには”といった問いに答えたいと思います。

座談会

宇宙とSDGs

向井 千秋

特任副学長

寺島 千晶

理工学部先端化学科 教授

木村 真一

理工学部電気電子情報工学科 教授

杉山 睦

理工学部電気電子情報工学科 教授

近年、人類の宇宙進出は急速に拡大しつつありますが、人類が宇宙で暮らすためには、宇宙という極限環境にミニ地球を実現していくことが必要で、そのための技術は多くの点でSGDsに代表される地上のサステナブルな発展と、密接に関係しています。ここでは、スペースシステム創造研究センターの「宇宙を目指すことは、地上を幸せにする」というコンセプトと、様々な方々との分野を超えた連携の可能性について考えたいと思います。