メンバー

赤倉 貴子

工学部 情報工学科 教授

【研究課題1】VRを利用した協働作業システムの開発に関する研究

遠隔地にあって協働作業をするための環境、及び一人で作業していても誰かと作業しているかのような感覚が得られる環境をVRを利用して開発している。リアルな人間とVR空間内の人間(アバタ)とのインタラクションを実現するシステムは、モチベーションの維持や孤独感の軽減に効果があることが明らかになった。

【研究課題2】顔画像・発声情報・視線情報等を用いたユーザの疲労状態の推定に関する研究

孤独な条件下で宇宙空間に長期間滞在する場合、精神的な疲労が問題となる。そこで疲労の生体情報から疲労状態を推定する方法論を構築している。目頭や鼻筋など51点の顔特徴点に加え、声帯特徴の一種であるメル周波数ケプストラム係数、視線情報等を用いて疲労状態の推定を行っている。

研究分野

  • 教育工学 (eラーニング/eテスティング)
  • 制御・システム工学 (eテスティング・eラーニングのための個人認証技術)
    データ解析

研究キーワード

教育工学
学習支援システム
システム開発
認証技術
自然言語処理

インタビュー

■なぜ宇宙の研究をすることになったか?

赤倉研究室では、以前から非接触で生理状態の計測を行う研究をしています。
それはどういうことかというと、重厚な装備(計測器具)などは使わず、非接触で、本人は計測されているという負担を感じずに計測をすることができます。
例えば日常的な視線の動きや、日記や活動報告などの情報から身体的・精神的な体調などの計測を行います。

これは地上でも色々なことに利用できますが、宇宙空間などの閉鎖空間ではより重要であり、スペース・コロニー研究センターに参加することになりました。

■研究開発した、あるいは、している技術をつかって宇宙で実現したいことは?

まず一つは、一人でいる人の状態を非接触で逐次的に計測することです。
作業日誌を書いたり、鏡を見るなどの日常的な行動から体調の変化を計測したい。

もう一つは、VRにより、地上にいる家族や大事な人のデータの蓄積から、宇宙空間に一緒にいるかのような空間を作りたいと考えています。

■地上で実現したいことは?

宇宙で実現したいことと同じですが、地上でも同じように、宇宙にいる宇宙飛行士が地球上のこの場所にいるかのように会話をすることです。
TV会議などはすでに実装されていますが、リアルタイムの通信ではなく非同期でも、ホログラム的な形で実際に会話が成立するようにしたい。

■研究していて印象に残ったこと・楽しいと感じたことは?

単にAIという言葉に惑わされるのではなく、人工知能で何が一番楽しいかを考えてほしい。
今やっていることが少し良くなるではなく、絶対に出来なかった、例えば、亡くなった人と話が出来たり、大スターと話をすることが出来るようになること、非現実的なことが現実になることが研究していて楽しいです。