メンバー
【研究課題】推進システムにおけるマルチフィジックス現象の数値シミュレーション
航空宇宙輸送機用推進システム内の流れは、固体微粒子、液滴、氷塊などが混在するため、マルチフィジックス現象となっている。本研究は、推進システムにおけるマルチフィジックス流動現象を数値予測する方法を開発し、推進システムの安全性を高めることを目的とする。
研究分野
流体工学 (数値流体工学、乱流、圧縮性流、混相流、マルチフィジックス)
研究キーワード
数値流体工学
インタビュー
■なぜ宇宙の研究をすることになったか?
私は学生時代、ドクターを取りながら企業へ就職し、そこでジェットエンジンの設計を行っていました。
当時からジェットエンジンの研究は30年くらい続けています。
その後同じスペース・コロニー研究センターのメンバーである藤井先生から、ジェットもロケットも機体のジェットを噴き出して前に進む原理は同じなので、ロケットの共同研究の話をいただき研究をすることになりました。
■研究開発した、あるいは、している技術をつかって宇宙で実現したいことは?
火星の探査航空機を作りたい。
現在、火星はローバーか大気圏外(宇宙)からカメラでとるかの2種類しかありません。
それを火星に着陸した後に飛行機を飛ばしてもっと広く探索してみよう、そういう飛行機を作るにはどうしたらいいか。
地球と火星では大気の状態が違うので、火星の大気の中で飛ばすのにどうすればいいかがまた違う。現在計画されている火星探査航空機は尾翼を持った一般的な飛行機の外形をしていますが、水平尾翼を持たない火星探査航空機は形状が単純なので、火星への運搬を行いやすいという点から火星探査航空機の候補の1つとして考えられています。
■地上で実現したいことは?
いかに良いロケットを作れるか、地上から宇宙に出るまでの推進系の分野で貢献できたら嬉しいです。
例えば、再使用型ロケット。一度飛ばして戻ってきたロケットをまた飛ばす研究。戻るときにどうやって着陸するか。
推進系で地球から惑星へ行って戻ってくるのが課題です。
私の研究は数値シミュレーションなので、流体工学によって機械の流れを解明し、より安全で経済性の高いロケットの開発に指針を与えたいです。
■研究していて印象に残ったこと・楽しいと感じたことは?
宇宙関係の特徴は夢が大きいことです。将来こんなことが実現できるのではないか。
目の前の話ではなく、何十年も先の話をするので、夢があるし、視野が広がる。そこが楽しい。