メンバー
【研究課題と成果】厳しい制約を持つ多目的設計最適化問題の解法に関する研究
コロニー建設地点の選定や様々な宇宙探査ミッションはパラメータが多いことに加えその制約が非常に厳しく、複数の評価指標を同時に満足する実現可能解を効率よく見つけることが難しい。そのような最適化問題に適用可能な進化的多目的最適化手法の研究を進めている。本年は、ベンチマーク問題および実問題を用いて既存手法の有効性に関する基礎的な検証を行った。
研究分野
- 感性情報学 (多目的進化計算、遺伝的プログラミング)
- 設計工学・機械機能要素・トライボロジー (多目的設計探査)
研究キーワード
設計探査 多目的最適化
インタビュー
■なぜ宇宙の研究をすることになったか?
小さい頃から宇宙に興味はあったので、学生時代、修士の時に筑波宇宙センターで宇宙構造物の研究をしていました。
実際に宇宙の現場を目の当たりにしたときは、研究者の人々の熱意に圧倒されました。
大学卒業時、「自分の得意なことで社会に貢献できれば。」と考え、研究者の道ではなく一般企業に就職しSE(システムエンジニア)の道に進みました。
就職後は宇宙から遠ざかっていましたが、会社の方針で博士課程を取ることになり、藤井教授の元で多目的設計探査や最適化を切り口にしてロケットの射場や火星の羽ばたき翼の最適化の研究をしながら、今に至っています。
人生は何が起こるかわかりません。でもそこを楽しんでほしいです。
■研究開発した、あるいは、している技術をつかって宇宙で実現したいことは?
最適化やデータサイエンスの技術というのは宇宙に限りませんが、人の判断をサポートするところに使ってほしいです。
人に気づきを与えたり、見落としがちなところです。例えば、惑星のどこに着陸すればよいか決めたいときに、リアルタイムですぐに人が判断できるかと言ったらそれは難しい。
そこで最適化技術とシミュレーションが役に立ちます。
■地上で実現したいことは?
最適化技術を使って今取り組んでいるのは、航空機や電車などの遅延解消を目指した研究です。
遅延のない社会を作りたいです。
■研究していて印象に残ったこと・楽しいと感じたことは?
心構えや想いです。自分のやった事で、「これいいね。」と誰かが喜んでくれた時が一番嬉しい。
それは会社員時代も研究者の今も変わらず思います。
研究の成果が、「実際の現場で一部組み込まれて使われていますよ」って言われると、自分のやっている事が役に立っていると実感する。
そういう瞬間が一番楽しいし、必要とされる場所で働き続けたいです。