センター長メッセージ

  理数教育研究センター長 眞田 克典 

 

2023年4月、理数教育研究センター長を伊藤稔先生から引き継ぎました眞田克典です。

 

東京理科大学には、小学生から中学高校大学生、そして一般の方々に科学のおもしろさ、楽しさ、おどろき、ワクワク感を体験できる「場」が数多くあります。実際に見たり、さわったりして体験できる施設としては、神楽坂キャンパスの「近代科学資料館」・「数学体験館」、野田キャンパスの「なるほど科学体験館」があります。これらはどれもが特色あるもので、数学・理科の教具を手に取って体験できたりするものから、理科大の最先端の研究を紹介するものまで多種多様です。これらの施設には、地元の児童生徒たちにとどまらず、遠方から体験学習の一環として訪ねて来てくれる生徒たちも多いです。

 

そして、これらの科学体験施設の他に、東京理科大学には、科学の啓発活動の「場」も多くあります。一例をあげると、最先端の科学技術のほか、理科大の教員・研究者たちの教育研究を紹介する「科学フォーラム」を出版しています。本誌は今年4月に通巻434号となる長い歴史をもつ広報誌で、現在は大学のホームページ上で全文を閲覧できます。これをご覧いただくと、現在の世界の科学技術研究のようすや、理科大の教員がどのような研究をしているのかがわかると同時に、学生、大学院生たちが所属する研究室でどんな研究をどのような雰囲気の中で行なっているのかもうかがえます。理系分野をめざす中学高校生が進路を考えるための参考にもなると思います。他にも、高校生のグループを対象とした「坊っちゃん科学賞」など、規模の違いはありますが、様々なレベルの科学教育に関する活動がいくつも行われています。

 

では、理数教育研究センターは何をしているのかと言いますと、中等教育における理数教育に関する調査、研究を行ない、中等教育と高等教育の間にある各種課題に取り組み、成果を学内外に発信することを目的として、理系高校生の数学基礎学力調査、理数分野の教育に関する研究および研究会の開催などを行なっています。その他に、中学高校大学生を主な対象とした公開講座「坊っちゃん講座」、大学での学びを体験してもらう「高校生のためのサイエンスプログラム」、高校生と高校理科教員のための実験会、小学生のための生物実験などの実験講座の企画・運営、また学校の先生方の授業コンクール「算数/数学、理科・授業の達人大賞」、さらには、中学高校の先生方を対象とした研究会、本学学生対象の科学コミュニケーションワークショップ、科学オリンピックへの支援などもしています。そしてそれらを紹介する広報誌「理数教育フォーラム」を出版しています。例えば、「坊っちゃん講座」は、毎年12回ほど開催しているもので、主に本学の研究者が自身の研究内容とこれまで歩んできた道を語る講座です。毎回たいへん参加者が多く、講演後の質疑応答も非常に活発に行なわれており、科学に関心をもつ中学高校生がこんなに集まってくれるのだなと感心し、うれしくなります。

 

理科大は、なぜこんなにも多くの、若者を対象とした活動を行っているのか不思議に思う人もいると思います。答えは、理科大はそれを使命として誕生した大学だからです。理科大は2021年に創立140周年を迎えました。建学の精神は「理学の普及を以て国運発展の基礎とする」です。これを今にふさわしい言葉に換えると「科学技術の進展と普及を以て、世界の平和と繁栄の基礎とする」となるでしょうか。理科大は、創立以来、多くの理数教員を輩出してきました。みなさんの学校にも理科大出身の数学や理科の先生が何人もおられるでしょう。これらの先生方は理科大の「理学の普及」をまさにその言葉どおりに実践していると言えます。

 

今後、さらに理科大は上のような取組みを通して、科学技術に関心をもつ若者を増やすことに取り組んでいきます。彼らが科学技術を専門的に学び、今日の科学技術を支え、そして新たな価値を生み出せる人になってもらいたいと思います。理数教育研究センターは、そのような理科大の使命をかなえるための取組みをますます進めていきたいと考えています。

  • 坊っちゃん講座
  • 高校生のためのサイエンスプログラム
  • 算数/数学・授業の達人大賞
  • 理科・授業の達人大賞
  • 発行物
  • 教育DX推進センター
  • 教職教育センター
  • 東京理科大学
  • 宇宙教育プログラム
  • 数学体験館
  • なるほど科学体験館
  • 協賛 東京理科大理窓ビジネス同友会

東京理科大学 理数教育研究センター
(事務局:学務部学務課)

〒162-8601 東京都新宿区神楽坂1-3
TEL:03-5228-7329 FAX:03-5228-7330