最新情報

2025年度第7回坊っちゃん講座「コンピュータ科学とDX」開催報告

10月4日(土)に2025年度第7回坊っちゃん講座をオンラインで開催し、90名近くの参加者がありました。

 

本講座は最先端の研究や応用研究において世界をリードしている研究者が研究の面白さを高校生、中学生および大学生に伝え、勉学意欲の向上と進路選択に資するために開講しています。

 

今回は、創域理工学部 情報計算科学科 松澤 智史 准教授に講演いただきました。

初めに自己紹介として、小・中・高・大学生の間ずっと野球少年だったことや、コンピュータとの出会いは子どもの頃に遊んでいたファミリーコンピュータ(ファミコン)やお父さんの許可を得て使用していたノートパソコンであったこと、などのお話しがありました。

当時のファミコンは今とは違い、カセットを使用していました。カセットは保存機能がないため、ゲームの電源を入れると常にはじめからスタートしていましたが、1986年に発売された「ドラゴンクエスト」には途中からゲームを再開できる機能が付いたため、松澤先生はそのことに非常に衝撃を受けたそうです。

ゲームを再開するためには「ふっかつのじゅもん」が必要になりますが、松澤少年はこの仕組みをとても不思議に思い、原理を知りたくなってお父さんのパソコンを使ってはいろいろ試してみたことがコンピュータに興味を持つきっかけになったそうです。このあたりの仕組みについては、もう少し高度な数学的知識が必要であり、大学に入ってからようやく理解できたとお話してくださいました。

 

「デジタルとコンピュータ~コンピュータ科学とは?」として、コンピュータの中の世界、光学ディスク、ビット、デジタルについて説明がありました。デジタルの利点としては、「数字になり」、「計算を行える」、「他の数字(情報)に置き換える」、「変えた数字を元に戻す」ことができるようになります。情報を数字として解釈することで色を変えることができたり、絵(画像)を表現したりなど、実際に画面を動かしながら詳しく説明してくださいました。その他にもデジタルでできることとして、「似たような人をみつける」「間違いを計算で直す」「最短経路をみつける」など、活用例も併せて解説されました。

 

2026年度に新設される「創域情報学部」についての紹介もあり、1学部 1学科 360名定員であること、2つの系(C系とD系)と4つのコースに分かれることなど詳しく説明され、ぜひ進学を検討くださいとお話しがありました。

 

 新学部のホームページはこちらをご覧ください。

 

「デジタルトランスフォーメーション(DX)」について、DXとは「コンピュータ科学の技術と現実を結び付けその過程で変化・改革を引き起こす」ものであり、ITのアプリを使用したりすることで、生活が便利になったり、時間を短縮できたり、楽しいと思う時間が増えたりなど、小さなDXは身近にたくさんあるものです。コンピュータ科学を使って、今後もいろいろな改革が起きてくると考えますとお話しされました。

松澤先生の研究室で行われている研究例として、「日本語かな漢字変換」や「防災・被災地支援」についても、動画と共に紹介してくださいました。

 

最後に「中学・高校生のみなさんへ」として、「アーサー・C・クラーク」の「充分に発達したテクノロジーは魔法と見分けがつかない」という言葉を紹介し、「未来の魔法使いたちが創る世界をとても楽しみにしています」と話され、講演を締めくくられました。

 

講演後、参加者から届いた多くの質問に松澤先生が1つ1つ丁寧に回答してくださいました。

 

参加者からは、「知らない分野に対する興味が湧いてきた。」「コンピュータ科学とデータ科学の違いを詳しく知ることができ、とても良い機会になりました。」「新学部のコンピュータ科学コースについて知ることができた。」「言葉だけよく聞く「DX」について、ある程度意味がわかったように思う。数学の例(余りによる分類)に興味がわき、調べてみたくなった。」などの感想が寄せられました。

 

 

<講演の様子>