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高校生と高校理科教員のための細胞培養講習会 開催報告

 細胞は生物体の基本単位です。生きた細胞を見てみたい、細胞を培養したいと思う高校生は多いと思われます。しかし、細胞の姿は教科書に載った写真や図で見るのみで、高校の教育現場で生きている細胞を培養し、その増殖や分化の様子を観察することは行われていません。培養や観察に高額な炭酸ガス培養恒温器や倒立顕微鏡が必要で、高校ではそれらが揃えられないからです。そこで、私たちは特殊な恒温器を用いずに細胞を培養し、高校生にとって身近な携帯電話にDVDレーザーレンズを貼り付けるだけで簡単に細胞を観察・撮影できる方法を開発しました。その方法を普及させることを目指して、2023年12月25日(月)・27日(水)の両日13:00~16:00に神楽坂キャンパスにて、理数教育研究センター主催「高校生と高校理科教員のための細胞培養講習会」を開催しました。

 インフルエンザの流行期でしたが、21名の中高生と9名の教員が参加しました。以下の写真は参加した高校生が講習会で実際に培養し、配付したDVDレーザーレンズを自分の携帯電話に貼り付けてスマホ倒立顕微鏡を作り、それを用いて撮影したニワトリ胚の骨格筋細胞の様子です。筋組織片(画面右側の暗い部分)から骨格筋細胞が放射状に這い出し、直列して筋フィバーを形成しつつある様子が見えます。培養はプラスチック製の瓶の中で行いましたので、講習会終了後、その瓶を自宅に持ち帰り、さらに観察を続けることができました。受講した生徒から以下の感想が寄せられました。

 「今回、ずっと前からやってみたいと思っていたニワトリ胚の解剖を行い、培養した筋肉の細胞を観察したことで、実際の細胞の成長の速さを実感できとても感動しました。また、家でもスマホ顕微鏡を使って観察でき、とても楽しかったです。」

 この方法が普及することで、「絵に描いた餅であった細胞」が「実物の生きた細胞」になり、より多くの中高生が生命科学の面白さを実感できるようになればよいと願います。

 

 

 スマホ倒立顕微鏡で撮影したニワトリ胚の骨格筋細胞の様子

 

 

 松田良一先生

 

 

 細胞培養講習会の様子

 

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