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シンポジウム「国際科学オリンピックの主催と日本の理数教育」開催報告

「国際科学オリンピックの主催と日本の理数教育」と題したシンポジウムが、2023年12月9日(土)13時から16時の日程で、ハイフレックス形式で行われました。

 国際科学オリンピックのうち、生物学は2020年のコロナ禍中に国際大会を日本で開催、数学と物理学は2023年に国際大会を日本で開催したことを受け、関係者にその成果を共有していただき、これからの日本の理数教育を再考することを目的としたものです。対面、オンラインともに、多くの教育関係者に参加いただき、シンポジウム終了後にも熱心に質疑応答がされる様子がうかがえました。

 シンポジウムは、興治文子・東京理科大学教授の趣旨説明で始まり、北原和夫氏(東京工業大学名誉教授、国際基督教大学名誉教授、東京理科大学元教授、日本科学オリンピック委員会元運営委員長)からは、国際科学オリンピックの目的や参加の意義、日本の参加の歴史(初参加は、数学1990年、地学2002年、化学2003年、情報2004年、生物学2005年、物理2006年、地学2008年)、各科学オリンピックの国内の選抜状況について述べられました。また、2018年には7つの分野の横のつながりを強化する目的での日本科学オリンピック委員会を結成し、国内で組織的に推進していることについて紹介がありました。

 秋山仁氏(東京理科大学栄誉教授)からは、数学オリンピックのメリット、デメリットの紹介があり、研究者にとって大切な能力、これからの時代が求める能力、そのために必要な教育と幅広い視点からのご講演をいただきました。

 家泰弘氏(中部大学総長、東京大学名誉教授、国際物理オリンピック2023組織委員会実行委員会委員長)からはCOVID-19と共存している状況で、どのように国際物理オリンピック開催に向けて準備してきたのか、また開催中はどのような内容が行われたのかについてご紹介がありました。

 渡辺一之氏(東京理科大学名誉教授、物理オリンピック日本委員会理事長)からは、国際物理オリンピックに送り出す立場から、国内選抜の様子や、2023年に日本で開催された国際大会の記録をまとめた映像資料を用いたご説明がありました。

 松田良一氏(東京大学名誉教授、東京理科大学元教授、国際生物学オリンピック元議長)からは、国際生物学オリンピックの組織委員長としてコロナ禍中にどのように運営してきたのか、また会期中に行われる教育セッションでの各国の教育事情についてご紹介がありました。特に生物教育において、オランダの教科書では性感染症についての記述もあるなどヒトを対象とした教育内容の違いと、日本の今後の教育に向けたご意見がありました。

 パネルディスカッションでは、ジェンダーやダイバーシティの問題、トップ層の育成と理科好きの裾野の拡大、Science Englishについてなど、幅広い内容について議論が交わされました。

 

<シンポジウムの様子>

 

北原和夫先生                 秋山仁先生

 

家泰弘先生                  渡辺一之先生

 

松田良一先生                 パネルディスカッション(右:興治文子先生)

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