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科学技術コミュニケーションセミナー「研究者に聞く仕事と人生-アエラドットの連載から学ぶ」開催報告

 オンラインによる科学技術コミュニケーションセミナー「研究者に聞く仕事と人生-アエラドットの連載から学ぶ」が11月11日(土)13:30~15:40に開催されました。アエラドットで2023年1月から始まった女性研究者インタビューシリーズhttps://dot.asahi.com/list/column/takahashi_mを踏まえて、研究者として生きる人たちのリアルな姿を語り合おうという企画で、東京理科大学理数教育研究センターが主催しました。さまざまな年代から70人を超える申し込みがあり、終了後のアンケートでは「女性研究者をとりまく環境の変化がよくわかった」「ざっくばらんな体験談に共感した」といった声が寄せられました。

 セミナーは、興治文子・東京理科大学教職教育センター教授の挨拶で始まり、次にシリーズの筆者である科学ジャーナリストの高橋真理子・理数教育研究センターアドバイザーが登場しました。約40分の講演では、さまざまな専門分野・年代の女性研究者たちの自然な語りから見えてきた「時代の変化」を歴史上の出来事と合わせて分析し、「差別の時代」「努力の時代」「対等を実現への時代」と3区分する考え方を提示しました。さらに、こうした歴史変化の背景には「家庭でのタスク分担の男女平等化」という「意識革命」があったことを指摘しました。

 続いて瀬木恵里・東京理科大学先進工学部生命システム工学科教授が「未知の領域への探検-研究と人生の相互作用」と題して研究者になるまでの心の葛藤やそれをどう乗り越えたかを披露、最後に栗原綾佑・東京理科大学創域理工学部先端物理学科助教が「PHYSICIST × FAMILY:パパ研究者と2回の育休」というタイトルで妻の2回の出産に合わせて育児休業を2回とったときの体験を語りました。

 パネルディスカッションでは、3人の講演者が自由に質問し合いました。「なぜ育休を取ったのか」と尋ねられた栗原先生が「僕にとっては当たり前なことで、自然に、としか言いようがない」と答え、高橋氏が指摘した「家庭でのタスク分担の意識革命」がまさに若い世代では起きていることが実感できる展開になりました。とはいえ、育児によって仕事に支障がでることもあると栗原先生は不安も漏らしました。それには、瀬木先生の留学体験が一つの方向性を示しました。海外では、夕食は必ず家で家族と食べるといったような、家族を大事にする研究者に何人も出会ったと言うのです。それを目の当たりにして、瀬木先生自身が研究者として生きていく気持ちが固まったのでした。3人は、家庭での意識革命と同時に、日本社会の「研究ひとすじ」や「一直線」を良しとする発想を変えていく必要があるという点で意見が一致しました。

 最後に眞田克典・東京理科大学理数教育研究センター長が閉会の挨拶として、自身が経験した保育園の送り迎えや近くにあるこども園に朝自転車で子供を送るお父さんの数がここ数年で増えたエピソードを語り、和やかな雰囲気の中でセミナーが終了しました。

 

<セミナーの様子>

 

高橋真理子氏➀                高橋真理子氏➁

 

 

瀬木恵里先生                 栗原綾佑先生

 

 

パネルディスカッション(右:興治文子先生)  眞田克典センター長

   

 

 

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